第94話 鍛錬の日々 二
何か月後になるかは分からないが、その時はよろしく頼むと言われ、考えておきます、と返事をした。
ジャラカンダ国奪還作戦のはなしはそれで終わり、次に、ダイさんが明日からカナーサ王国に数か月派遣されるはなしを聞いた。
ダイさんを仲の良いの先輩のように思い始めた俺は、少し寂しくもあったが、N要請を渡して、送別の言葉をおくった。
翌日、ダイさんは出発し、その2日後、アレクやリョフも、それぞれ数十万の兵士を引き連れて、旧ジャラカンダ地域に向かい出発した。
アレクやリョフが出発するまでも、してからも、4人のSR女子やムサシ、たまに皇帝やイヴァークさんとも稽古を重ねて、俺は多少レベルアップしていた。
イールとナチャイは、ローラリンの街の周辺の街を観光するといって、どこかにいってしまったし、おそらくここにいても、俺とは稽古してくれなさそうだ。
ヨイチとのデートの時に発現したアビリティ、君が見つけた俺の目標、と、君たちを想い乍ら努力の効果によって、努力によって得られる経験値量が増え、レベルアップが早まり、レベルアップ時のステータス上昇量も高まったのと、何より俺自身の強くなるためのモチベーションがとても強いこともあり、過去最大のトレーニングを続けた俺は、この1週間でまた力を増した。
そんな日々を過ごしていた朝、目覚めてから、いつものように、シースに優しく抱きかかえられながら回復魔法を使ってもらい、筋肉痛を取り除いてから、4人のSR女子と一緒に楽しく朝食を食べていた時、ダイさんからN妖精を通して連絡がきた。
なんでも、カナーサ王国で土魔法を使って高い土の塔をつくり、頂上から偵察していたところ、カナーサ王国に向かってくる魔物の大群を確認したらしく、救援を求めたいということだった。
ダイさんには、ハングライダーのような発明品のことを話したことがあるから、俺が高速の移動手段を持っていることを知っている。
ダイさんやカナーサ王国を救いたい気持ちは当然ある。俺は、イヴァークさんに会いに行った。その途中、ムサシに会って、簡単に事態を説明したところ、ムサシも同行したいと言ってくれた。
イヴァークさんに会って、事情を説明した結果、イヴァークさんは快く引き受けてくれた。
俺の背中にムサシがしっかりと抱きつき、抱きついたままの状態で、イヴァークさんにしっかりと縄で縛ってもらった。
その状態の俺たちを、イヴァークさんがはるか上空にぶん投げてくれた。