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第81話  ヨイチとのデート 五

「どうしたの? ボーっとして?」


 ヨイチに声をかけられてハッとした。俺はまた考えごとをしてしまっていたのか。もっとヨイチを楽しませてあげられるように、考え事はしないようにしよう。


「ごめんごめん。ヨイチとずっと一緒にいられたらいいな、って思ってさ」

「ふふっ。そんなの当たり前だよ! ずっと一緒にいようね」


 ヨイチが俺にウインクをする。やっぱりヨイチはかわいいなあ。俺がヨイチの顔を眺めていると、ヨイチがローラリン城を発見したらしい。


 もう頂上付近まできていて、遠くまでよく見渡せる。こうやって高いところから見てみると、改めてローラリン城の大きさを再確認できるな。


 俺たちは、頂上からの眺めを楽しんだ。少しづつ高度が下がっていき、時計でいえば2時くらいの位置になってしまい、景色はあまり楽しめなくなってしまった。


 ヨイチもあまり景色を見てないし、あの露店で買った雑貨を今渡してみようかな。


「ヨイチ。その……もしよかったら、コレ、受け取ってくれないかな? ヨイチが興味を示してたように見えたものを、買っておいたんだ」


「あっ、コレ、あの露店の雑貨屋さんにあったやつだね。嬉しいよ! 昇君、ありがとう! 品物以上に、昇君が僕を喜ばせてくれようとしてくれたことが一番嬉しい!」


 ヨイチが俺に抱きついてきた。こんなに喜んでもらえて、俺の方が嬉しくなってくるな。


 こういう時に、少し大げさなくらい喜びを表現してくれるヨイチのような女の子は、やっぱり魅力的だな。


 そんなことを考えた後で、俺に抱きついているヨイチのやわらかい身体の感触に意識が移った。


 いざ、意識してみると、俺の胸に押し付けられるヨイチの大きくて柔らかい胸の感触や、ヨイチの良い香り。なにより、ヨイチのかわいらしい顔がすごく近くて、ものすごくドキドキしてきた。


 そうして俺がヨイチの顔をまじまじと見つめていると、ヨイチはゆっくりと目を閉じた。心なしか、唇を少しだけつきだしているような気がする。


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