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第七話 ディーとの戦闘Ⅰ


 リーチがリョフより短いボストカゲは隙を見て懐に飛び込もうとするが、リョフの攻撃が苛烈で飛び込めない。後方に大きくジャンプして距離をとると、その場で剣を高速で何十回と振り、多数の斬撃の衝撃波を飛ばしてきた。


 リョフは画戟で受け止めるも、全て受け止めることは出来ずに、胸と腹、太ももに衝撃波を受けてしまった。服が破れ、血が出ているが、すぐに自身の回復魔法で傷を治した。服は破れたままだ。


「あたしは遠距離戦闘も得意なんだよ!」

 素になると一人称はあたしらしい。


 リョフは弓と矢を具現化し、ボストカゲに向けて放った。その矢は、ボストカゲの衝撃波より倍ほどの速さでボストカゲを射抜いた。ボストカゲの身体は黒い煙のようになり、ほぼ一瞬でリョフの体内に入っていった。あまりの速度に、リョフでさえ反応すらできなかった。


「ぐっ、体が重い? かはっ」

 リョフは苦しそうな様子で、吐血までしている。


「ふん、こんな簡単な手にひっかかるとはな。お前が殺したのは身体が大きいだけの一般兵だ。斬撃を放った後、位置交換魔法と、殺された時に、殺した相手へ強力な呪いをかける力を付与する魔法をそいつにかけたのだ。注意力が足りないな」


 丁寧に説明してくれたボストカゲはしてやったりとほくそ笑む。


 あわてて、リョフのステータスを確認すると、一定時間ごとに体力大幅減少、各ステータスの大幅ダウン、回復スキル封印の状態異常が確認できた。


「大丈夫か? 今回復する」


 アレクがリョフを回復するが、またすぐに血を吐くリョフ。そこでアレクは上級回復魔法、オートヒールを使った。一定時間ごとの回復で、呪いの体力減少は対処できたが、ステータスは下がったままだ。


「ありがとう。……まさかあたしがこんなヘマをするなんて。格好悪いとこを見せちゃったね」

「なに、気にするな。あいつは私たちが協力しないことには倒せそうもない。力を貸してくれないか?」

「うん、もちろんだよ。あたしに考えがある」


 二人は作戦を確認して、ボストカゲに一斉に攻撃を仕掛けた。リョフのステータスが下がっていることもあり、二人がかりでも互角。いや、ボストカゲが押し始めた。二人は大きくバックジャンプして距離をとる。ボストカゲはリョフめがけて突進した。


「やっぱり。別れたらあたしを狙うと思っていたよ」


 リョフは全身に力を込めると、リョフの全身を赤いオーラが覆った。一定時間、体力を削り続け、代わりに近接戦闘能力を上げるスキルだ。だが、その状態でもボストカゲを若干押してはいるものの、大きなダメージは与えられない。リョフは血を吐きながら攻撃を続ける。


「ふん、そのままでは自滅するのがオチだな」

「それはどうだろうね?」


 リョフがにやりと笑った。

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