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第46話  ローラリン帝国 Ⅱ

 話してみると、二人とも以外に気さくで、話しやすい人だった。俺たちが椅子に座って雑談していると、また人が入ってきた。


 チャイナ服のような服を着た、黒髪短髪で目の細い、190センチくらいの細マッチョの男だ。年は20代後半だろうか。


「アナタが新入りカ? 随分弱そうダネ。せいぜいワタシの足を引っ張らないでくれヨ」


 彼に自己紹介をする。彼はナチャイという名前らしい。東の大国でも指折りの拳法の達人だそうだ。


 小声でおっさんが教えてくれたのだが、ナチャイは口は悪いが、根はそこまで悪い奴ではないそうだ。


 3分ほどして、西洋の王子のような、豪華な服をきた金髪のイケメンが入ってきた。185センチほどで、年は20代前半だろう。


「おや、君が昨日テストに合格した人だね。特別に、高貴な僕と話すことを許可してあげよう」


 彼は、イールという名前で、ローラリン帝国領の中でも、ローラリンに次ぐ規模の王国の、王子だそうだ。兄が数人いて、王位継承権はあまり高くなく、兄と比べると比較的自由に行動できるそうだ。


 その国は、王族にも実践的な戦闘力が求められるらしい。そのため、幼いころから戦闘の英才教育を受けている彼は、相当の腕前とのことだ。


 事前にテストに合格していた人間は、これで全員集まったらしい。イールと一緒に入ってきた少将に、作戦の内容を聞いて、会議は終わった。出発は明後日とのことだ。


「昇殿、拙者と軽く手合わせ願えぬか?」

「おもしろそうダネ。ワタシも見てみるヨ」


「わしも見物するぞ」

「ふむ、面白そうじゃないか。僕も見てあげよう。喜びたまえ」


 断れそうな雰囲気ではないな。ムサシの提案を承諾して、みんなで兵士の稽古場に向かうことになった。


 稽古場に着き、一礼をして向かい合う。お互いの装備は木刀だ。ムサシは二刀流のようだ。


「では、昇殿からどうぞ」

「分かった。じゃあ、いくぞ!」


 俺の攻撃はムサシにかすりもしなかった。さらに、ただよけられただけじゃなく、ムサシは俺の真後ろに回り込んでいた。


 別に手を抜いていたわけではない。ムサシが速すぎるのだ。おそらく、愛の力(ラギッド・マン)を最高の状態で使っても、ムサシには勝てないだろう。


 それほどの力の差を感じる。おそらく、アレクやリョフ以上の力を持っているだろう。


 俺は、この世界の広さを痛感した。小国を救って、少し調子に乗っていたのかもしれない。


「ふむ、もうやめにしよう」

「……ありがとうございました」


 ムサシもこれ以上やっても無意味だと思ったようだ。


「まさか、ここまで弱いとは思わなかったヨ。これでよくテストに合格できたものダネ」

「いや、昇殿は召喚士らしいから、自身の戦闘力が低いのはしょうがないでござるよ」


「とは言っても、僕たちの中では最弱のムサシに手も足もでないとはね。やれやれ、足手まといにはならないでくれよ?」

「まあ、伸びしろはありそうだがな。小僧、もっと鍛錬をつむことだな」


 この3人はムサシより強いのかよ。俺はもっと強くならないとだめだな。力の差にショックを受けつつ、俺は自分の部屋に戻った。明日は1日空いてるな。


 この前は、エルフィーとのデートが出来なかったから、明日こそはデートしよう。強くなることも大事だが、エルフィーとのデートの方が重要だからな。幸い、ローラリンの街ならデートスポットに困ることはなさそうだ。


 俺は、エルフィーを召喚した。二人で協力して、明日のデートの計画を立てる。俺はこういうふうに、デートプランは女の子と一緒に決めるのが好きなタイプだ。


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