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第40話  トッキャロ王国

 電子レンジのようなものは、中に入れた物体を、数分から数時間、極限まで、軽く柔らかくすることができるらしい。魔力を動力源として動き、数時間効果を保たせるには、それなりの魔力が必要だそうだ。


 エルフィーが魔力を電子レンジのようなものに送ってくれて、俺の鎧や剣や盾や兜は、すっかり軽くなった。パンツやシャツより軽いくらいだ。


「数時間は、軽いけど、防御力はほぼ0だから注意してほしいの。じゃあ、そろそろ準備してほしいの」


 俺は、ハンググライダーのような物体が中に入っている魔石を持って、パチンコのゴムのような部分に乗った。


 パチンコのようなものは、高台にあり、そこからアレクとリョフの力を借りて、ゴムのような部分を地面すれすれの限界近くまで引っ張り、合図をだして、一斉に手を放してもらった。


 バヒュッ! 逆バンジーや、遊園地の乗り物なんかで経験したことがあるが、これはそれらの何倍も速く、強烈なGがかかった。


 俺ははるか上空に飛ばされた。ハンググライダーのような物体が中に入っている魔石に魔力を送ると、俺の背中にハンググライダーのような物体が装着された。


 風魔法を送り込むことで、加速したり、普通のハンググライダーではできないような、アクロバティックな動きもできるらしい。


 簡単な地図を確認しながら、風魔法を使い、最高速でトッキャロ王国に向かう。


 俺の仲間たちは、戦闘ユニットも含め、全員プルーメにいるのだが、俺はいつでも自分の近くに仲間を召喚できるので、必要になったら仲間を呼ぼう。


 トッキャロ王国の危機ではあるのだが、大空を飛ぶのは気持ちがいいものだな。俺は内心、滑空を楽しんでいた。


 少しずつ高度が下がり続け、地上まで50メートルくらいの高度になったころに、トッキャロ王国らしき建物が見えた。


 どうやら、まだ魔物は襲来していないようだ。トッキャロ王国は、ウサビトと呼ばれる獣人の王国らしい。


 他にも獣人の王国は何か国もあって、基本的にはその国で最強の獣人が王を務めているらしい。他の役職も、強さと地位が比例しているそうだ。いわゆる実力主義だ。


 他の特徴としては、建物をはじめ、いろいろな技術水準が、人間やエルフの国より低いことだ。空からざっくり見るだけでも、建物の作りの悪さが分かるほどだ。


 高度が10メートルほどまで下がったころに、トッキャロ王国の入り口あたりまで来たので、ハンググライダーのような物体を魔石に回収し、地上に降りた。


 だいぶレベルが上がった今の俺は、10メートルの高さから落ちても、全く痛みを感じない。


 驚いているトッキャロ王国の門番のウサビト兵に、プルーメ女王の紹介状と手紙を見せて、事情を説明すると、すぐにトッキャロ王国の女王に会わせてくれることになった。


「貴重な情報を知らせてくれて、とてもありがたいピョン。すぐに兵士に戦闘の準備をさせるピョン。昇さんとプルーメ王国には、後日、お礼をするピョン」


 うさ耳と、もふもふのかわいらしい尻尾以外は、かなり人間に近い見た目のウサビトの女王は、ラビィさんというらしい。彼女は、すぐに戦闘態勢を整えて、兵士を連れ、国の外に出た。野戦で魔物を迎えうつ気らしい。


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