第23話 テイヌシュ大会
「昇さん、いきますよ。それっ!」
「うおっ!?」
エルシドのサーブはとてつもなく速く、追いつくのがやっとで、まともに返球できなかった。さすがSRの前衛色だ。身体能力、運動センスがずば抜けている。男子でも滅多にいないレベルじゃないか? とにかく、あのビッグサーブに対応できないことには始まらないな。その後、練習を重ね、なんとかエルシドのサーブを打ち返して、ラリーに持っていくことは出来るようになった。次はヨイチとの練習だ。
「昇君、いっくよー。えいっ!」
ヨイチのサーブも相当速いが、エルシドのビッグサーブに比べれば遅く、返すことは難しくない。俺がコートギリギリに打ち返し、決まったかと思った。……だが、ヨイチはめちゃくちゃ足が速く、簡単にボールに追いつき、打ち返してきた。強烈にスライスのかかったボールに対応できなかった。ヨイチはスライスとスピンをかけるのが上手く、前後左右に強烈な回転のかかったボールに対応するのは至難の業だ。練習を重ねても、結局ヨイチには勝てなかった。
「昇様。楽しんでおられるようですね。どうでしょう? 明日、テイヌシュ大会を開催しようかと思うのですが、いかがですか?」
「面白そうですね。僕たちも参加します」
「分かりました。私も参加しますので、もし、明日対戦するときは、お手柔らかにお願いしますね?」
「ええ。楽しみにしています」
エルファさんと大会に参加する約束をした後、演奏付きの夕食を楽しみ、今日は寝ることにした。今日は、エルフィーとシースに挟まれて寝る。シースの柔らかく、豊満で肉感的な体の感触と、エルフィーの良い香りと独特な肌の感触が気持ちよく、俺は幸せな気分で眠りに落ちた。
次の朝、朝食をとって軽く雑談したのち、トーナメント式のテイヌシュ大会が開催された。攻撃魔法は禁止されているが、身体能力強化魔法は使用可能だそうだ。1回戦の相手は、エルフィーだ。正直、楽勝だろう。1回戦は1セットマッチだ。
「1回戦で昇とあたるなんてね。手加減はしなくていいわよ」
といっても、手加減しなかったら一方的な試合になってしまうからな。ばれない程度に手を抜くか。試合が開始した。エルフィーが相手だと余裕があるので、プレイしている姿をじっくり観察しながら手を抜いて打ち合った。一喜一憂するエルフィーの表情がかわいいな。なんだか、運動が苦手な彼女とテニスデートをしているようだ。そんな甘い気分をあじわいながら、気づけば勝利していた。
「いい試合だったわね。私に勝ったからには、優勝してよね! そうすれば、私が2番目に強いって可能性があるでしょう?」
「ははっ。その通りだな。優勝できるよう頑張るよ」
俺たちは固く握手を交わした。2回戦の相手がシースに決まったようだ。2回戦も1セットマッチだ。
「昇さん、よろしくお願いします~」
「ああ、よろしく」
シースはなかなか上手いのだが、これといった武器があるわけでもなく、正直負ける要素がない。シースの爆乳が揺れる様子を楽しみつつ、気づけば勝っていた。もっとデート気分と爆乳の揺れを楽しみたかったが、終わってしまったものは仕方がない。
「昇さん、さすがにお上手ですね~。スポーツが得意な男性って格好いいです~」
「ありがとう。……面と向かって言われるとちょっと恥ずかしいね。シースにがっかりされないように頑張るよ」
少し甘い雰囲気になったが、コートの中だったのであまりイチャイチャするわけにもいかず、握手を交わしコートを出た。3回戦の相手はエルシドに決まったようだ。3回戦からは3セットマッチだ。
「昇さん、よろしくお願いします。手加減は無用ですよ」
「ああ、正々堂々と戦おう」
もともと、エルシド相手に手加減している余裕などない。サーブはエルシドからだ。残念だが、エルシドが相手では巨乳が揺れるさまを見て楽しんでる暇はない。集中せねば。
「では、いきます。はっ!」
「なっ!?」
エルシドのサービスエースが決まった。おいおい、昨日よりさらに速くなっているじゃないか。まずいな。なんとか対応できるようにならなくては。
「はっ!」
ここまでお読みいただきありがとうございます。
初めて評価をいただきました。それも満点でした。とても嬉しいです。評価してくださった方、ありがとうございます。
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