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第109話  エルシドとのデート   三

 翌朝、俺が目を覚ますと、エルシドと目が合った。どうやら、俺の寝顔を眺めていたみたいだな。


 本当は、俺がエルシドより早く起きて、エルシドのかわいい寝顔を眺めていたかったのに。


 まあ、エルシドも俺と同じ気持ちだったんだろうな。そう思うと、なんだかうれしいし、エルシドもうれしそうな顔をしているから、これはこれでいいとしよう。


 俺たちは、笑顔で挨拶をかわし、朝の身支度をすませ、一緒に朝食を食べ始めた。


 やっぱり、こうしてまじまじと見ていると、エルシドの食事の仕方は、とても洗練されていて美しいな。


 俺は、食べ方が汚い人は、男女問わず苦手なのだが、その点、エルシドの食べ方は、完璧で、逆に、俺の食べ方が気になってしまう。


 とはいえ、いつのことだったかは忘れてしまったが、俺が自分の食べ方を気にしていることを感じ取ってくれたエルシドが、昇さんの食べ方はなにも問題ないですよ。あまり気を張らずに、お好きなように食べてください。私は、ありのままの昇さんが好きなんですから。そんなようなことを言ってくれたことがある。


 それ以来、俺は、エルシドと一緒に食事をする際、エルシドの洗練されすぎた食べ方に、きんちょうさせられることもなく、楽しく食べることが出来ている。


 これ以外でも、なにも言わなくても、エルシドは些細なことによく気がつき、俺やエルフィー、ヨイチ、シースのことを、さりげなく、優しく気遣ってくれることが多い。


 思えば、俺がエルシドを好きになったのは、そういう、さりげない思いやりや優しさによるところが大きいのかもしれないな。


「昇さん、ボーっとされていますが、大丈夫ですか?」


「ああ、ごめんごめん。君からもらった、たくさんの優しさを思い出していてね。俺の心は、今まで随分、君の優しさに救われてきたんだよ」


 おっと、考え事をしてたから、つい思ったことをそのまま言ってしまった。なんだか、ちょっと恥ずかしいな。


「なんだかよくわかりませんが、昇さんのお役にたてて、私もうれしいです」


 エルシドが優しく微笑んでくれた。その微笑みを見て、感じる幸福感。湧き上がってくるこの感情。ああ、やっぱり俺は、エルシドのことも愛しているな。


 俺は、早くもエルシドへの愛を確信した。これからエルシドとデート出来て、俺は幸せ者だな。


 そんなことを考えながら、朝食を食べ終え、お茶を飲んで少し休んでから、俺たちはデートに出かけた。





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