表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

106/116

第106話  

「なるほど。確かに、僕の国には優秀な戦士が多い。

今日中にでも、通信魔道具を使って、父や兄に聞いてみるよ。

僕の国で話し合って、数日以内には結論を出してくれるはずだ。

それまで待っていてくれ」


「ありがとう。よろしくお願いするよ」


 俺は、イールに礼を言って、部屋を後にした。


 通信魔道具はとても貴重なものらしく、ローラリン帝国領内でも、トップスリーには間違いなく入るほどのイールの王国でも、二桁にいかない程度しか所有していないそうで、王族の中でも、限られた一部のものしか持っていないそうだ。


 その日の五日後、イールが俺の部屋に入ってきた。


「あの件だが、先ほど連絡があった。

僕の兄と、兄の腹心の四剣士、それと3万の兵士を派兵してくれるそうだ。

僕が言うのもなんだが、兄はとても強く、統率力もある、優秀な人だ。

兄の腹心の四剣士も、それぞれが僕と同じくらいの戦闘力を持っている。

彼らが出兵することが決まった今、ジャラカンダ国はすでに奪還されたようなものだよ」


 イールがそこまで言うなんて、お兄さんのことをとても尊敬しているんだろうな。


 だが、なぜだろう? なんだか、嫌な予感がするな。とはいえ、何の確証もないから、わざわざイールに言って、彼を不安にさせる必要もないか。


 まあ、イールがあんなに信用している、お兄さんたちなら大丈夫だろう。ジャラカンダのことは、彼らに任せることにして、俺は自分を鍛えることに集中しよう。


 俺とイールは、皇帝にそのことを報告に行った後、ホクサイに絵を教えてもらった。


 イールは芸術的な素養が高く、ホクサイもびっくりするほど、浮世絵が上手くなっていて、俺とは比べ物にならないほどだ。


 もともと、西方世界の絵は画家並みに上手いイールは、ホクサイと気が合うようで、お互いが良い影響を与えあって、絵のレベルを高めあっている。


 そのおかげで、ホクサイはもともとの画風に加え、西方世界に特徴的な画風、さらにはその二つを融合させた画風を、自分のものにしつつあるようだ。


 イール主導の芸術ビジネスも、少しずつ彼女たちの認知度が上がり、もうすぐ軌道にのりそうとのことだ。


 上手くいけば、彼女たちにお金を払うのはもちろんだが、俺にも多少お金が入り、みんなの分も含めて上等な装備品を買ったり、みんなと一緒に住む家を買ったりできるかもしれないな。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ