醜いアヒルの子
「あなた、やめて。私たちの子供なのよ」「しょうがないだろ、こんな子供、、、俺たちの子供の訳がない。見ろこいつの髪色なんで俺たちは金髪なのにこいつは黒なんだ。」
母親らしき女が布に包まれた産まれて数ヶ月の赤ん坊を抱きしめている。父親らしき男がその赤ん坊をまるで、ゴミを見るかのように睨んでいる。「、、ハァァ」父親らしき男は誰にも聞こえないようにため息を漏らした。「そろそろ、行くぞ。早く捨てて来い。」母親らしき女は躊躇っているようだ。
「でも、森の中はやめて隣町の孤児院に預けた方が良いんじゃない。」すると男が顔を真っ赤にして「いいから早くしろ!!大丈夫だ この道は王都に行く道に繋がっているから、誰かに拾われたらこいつも幸せになる。」すると女の方が弱々しく「でも、誰にも拾われなかったら、、この子は」父親らしき男は、母親らしき女の肩を抱き「大丈夫だ。この道は、王都に用がある人たちがかなり通る。」そして男はそっと呟く「お前も分かってるだろう。このままいけば貴族としての何もかも失う。このままだったら破滅してしまう。」母親らしき女は頬に涙を一筋流して「分かったわ。でもあなた絶対にこの子を拾ってくれる人は、いるのよね?」男は呟く「あぁ絶対いる」女はそっと道沿いの人目にわかりやすい大木の下に布に包まれた赤ん坊を置く。そして母親らしき女は、男に気づかれないようにそっと自分の懐から宝石のついた指輪と小さく折ってある手紙をそっと赤ん坊の小さな服のポケットに入れて赤ん坊にキスをして小さな声で「さよなら私の大好きな、あっくん。」
それから、ふたりは近くに停めてあった高級車に乗り込み深い森の中へ消えていった。
そして、朝日が昇り始めた頃、赤ん坊は森の中の小さな家で目を覚ますのであった。
少しずつ投稿していけたらと思います