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第2話 宰相の影
翌朝、侍従たちが発見したのは、整然と処理された書類の山と、机でぐっすり眠る王様だった。
「陛下が……働かれた?」
「いや、きっと夢遊病です」
「でも、この書類の処理の仕方……先代宰相そっくりです」
噂はあっという間に広がった。王様が一夜にして有能になったと。しかしアルフォンス(一郎)は否定した。
「ふん、そんなことするわけないだろう。きっと妖精がやってくれたんだ」
そしてその夜も、こっそり執務室へ。今度は税制改革案を作成した。
複式簿記を導入し、無駄な支出を削減する計画だ。
問題はサインだ。
王様としてサインすれば、自分が働いたことがバレる。そこで一郎は妙案を思いついた。
「宰相代理」 という役職を作り、自分で自分を任命した。
夜は「宰相代理」として働き、昼は「働かない王様」を演じる二重生活の始まりだった。




