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友達  作者: らすく
3/4

一体何なのだ お前は

 「きみ頑張ってるね!」

 その女性は多分、俺と同世代であろう。どうやら 彼女はトレーニングを積んでいるらしい。引き締まった身体・・・・。それでいてバストとヒップはそれなりにある。ここまで言うと何だか、と言うか明らかに変態的なのだが・・・、彼女の身体はとても弾力がありそうだ。

 そのダイナマイト・ボディに、俺が魅了されたのは言うまでもない。つまりのところ、それは一目惚れだ。

 そもそも声をかけてきたのは、彼女の方からだ。俺がその気であれば、仲良くならない訳がない。

 そして実際、その様に事は動いた。みるみるうちに俺と彼女は親密な関係となった。


 ~~~~~ 彼女との馴れ初めの回想終わり ~~~~~


 とまあ、彼女とはこんな感じで知り合ったのだ。

 「好きだよ。」

 俺は呟く様に彼女の問いに答えた。そこには果たして感情がこもっていたのだろうか。それは自分自身でも分からない。

 「そう。有り難う。」

 彼女はカランカランと手にしたストローで、アイス珈琲の氷を掻き回していた。

 そしてその時の彼女の表情は、とても寂しそうだった。

 そう、彼女は俺の全てを見透かしていたのだった。

 そうやって俺達二人の日常は過ぎ去っていった・・・。

 


 ~~~~~ 途方に暮れる俺 ~~~~~

 これがたまりに溜まったつけと言うものなのだろうか・・・。


 綱渡りでこれまでやった来たつもりなのだが、足りそうにない・・・。

 あと一つなのに・・・・。

 ギリギリが男の美学・・。かねてから俺はそう思っていた。

 だがそんなに格好をつけるような話では無い・・・。


 ~~~~~ 大学を卒業できない ~~~~~


 そうなのだ。単位が足りないのだ。

 勿論、俺は卒業をしようとしていた。

 遊びながらも何とかならないかと考えていた。

 しかし・・・、そうはならなかった。やはり神様の目は誤魔化せない。努力は裏切らない。たとえ結果が出なくても、何らかの形で努力をした人には良いことが起こる。その努力を自分はないがしろにしたのだ。

 だから仕方がないのだ。自分の努力が足りなかったのは事実てあり、その結果を受け入れなければいけないのだ。そして・・・。

 ===== 俺は大学を卒業できずに留年が決まった =====


 ~~~~~ それでも残酷に時間は流れていく ~~~~~


 俺は畳に寝っ転がっていた。大学には一応、在籍はしている。だからと言って大学に通っている訳でもないのだった。相変わず俺は努力を放棄している。このままでは一年遅れでも卒業できないであろう。

 あの彼女とも疎遠になった。当然だろう。最早この俺と彼女の住む世界は違うのだ。どちらかとでもなく、二人は離れたのだ。会ったところで何を話すのだろうか。いや何もない・・・・。

 そもそも彼女は愛想がいいし、あれだけの美貌の持ち主だ。本来は俺には勿体のない女性だったのだ。彼女ならもっとふさわしい相手がいるであろう。別にこの俺が案ずる必要もない・・・。今頃あの女は別の男と仲良くやっているであろう。

 これはこれで良いのだ。彼女にとってそれが幸せだろう。そしてこの俺にとっても・・・・。

 

 ===== 一体何なのだ お前は =====

 俺の頭の中に何者かの声が響いた。誰かが、俺をお叱りなのだろうか。そうだ。この自分は何者にも成れていない。どうでも良い存在なのだ。しかしそんな男にも、気になる人間はいる。


 ===== あいつらはどうしているのだろうか =====


 あのガサツ女は看護学校を卒業して今頃新米看護士として頑張っているであろう。何せあの女は努力家だ。それに昔から勢いも体力もあるし。 

 メガネの男もプログラミングに没頭しているだろう。専門学校を卒業して就職しただろうか。それともフリーランスで働いているのかもしれない。何れにせよ彼は粘り強い性格だ。

 うん。全く心配ない。アイツらは元気にやっていることであろう。


 しかし俺は何を人の事を批評しているのだろうか。自分の事を棚に上げて・・・。

 しかも俺はその故郷を捨てた人間なのだ。彼らを評価する資格はない。



 ===== コンコン =====

 

 ボロいアパートのドアを、何者かがノックする音が聞こえた。誰だろうか。別に警戒する事もなく、俺はドアを開けた。別に危険人物が現れても良いと思っていた。むしろ誰かに刺されたい。自分には生きる価値は無い。そう思っているのだ。だから、そもそも部屋のドアには鍵も掛けていなかった。果たして危険な状況には、自分は遭遇しなかった。

 「おう。元気か。」

 友達が現れた。いや、性格に言うと元友達と言った方が良いであろうか。しかし今になって何の用事だろう。彼は親が経営する某大企業に入社したはずだ。もう彼は別の世界で活躍する人間となったのだ。新しい交遊関係も構築してるだろうから、俺を相手にする暇などないと思うのだが・・・。

 だいたい彼が俺に関わるメリットは、もう存在しない。繰り返すが留年して更に無気力になった俺は、最近は大学に行ってすらない。いつも畳に寝っ転がっているのだ。

 そんな俺に対して、順風満帆な彼が何故・・・。そこで思いもよらない言葉を聞くことになるのであった。

 

 ===== 僕を助けてくれないか =====

                         

                                   <続く>

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