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友達  作者: らすく
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「なあ!ラーメン屋によっていかん?」

 ~~~~~ 俺は成り上がり都会で成功する。 ~~~~~

 ~~~~~ これはある田舎町の少年が成功し、そして挫折するまでの物語。~~~~~


 俺は田舎町の高校生だ。

 傍には頼りない眼鏡の男。

 ガサツな女と三人でつるんでいた。

 「なあ!ラーメン屋によっていかん?」

 これは女の言葉だった。全くちょっとはまともな喋り方を出来ないものか・・・。

 「がははは!!」

 ラーメンを食べながら遠慮なく笑い飛ばしている。そんなに店内のテレビに映っている漫才が面白いのだろうか。全くこの女は・・・。

 俺達3人は幼馴染だ。俺は昔から何の取柄もないし、メガネの男も見た目通りのモヤシ野郎だった。だがしかし紅一点の女がお転婆の典型であった。そのお陰もあって俺たちは周りからそれほど馬鹿にもされずに、そこそこ平和生活を送っていた。

 まあ居心地は良かった。しかし一方で恐怖感はあったのだ。

 どう考えてもこんな関係が続く訳が無いのだ。

 高校を卒業した後も、また3人でつるみ続けるのか・・・。

 いやそんな事は出来る訳がない・・・。

 何のかんの言っても、俺達3人は他人なのだ・・・。

 一緒に生活などできない・・・。

 それに恐怖感の要因はそれだけでは無かった。

 確かにこいつらは友達・・・。

 それは認める。とても二人はいい奴らだ。こんな平凡な俺に毎日付き合ってくれているのだから。

 だが先ほどに述べた様に、人間関係に永遠など無理なのだ・・・。

 決して無理やりでなく自分自身の意志によって、その友人関係に終止符を打つ日がくるのだ。

 それはこの田舎町から出た事のない自分からしたら、一念発起となるのであるが・・・。


 「なあ。」

 「ん?」

 「もうアタシたち三年やろ。卒業後の進路どうすんの?」

 「んーー、まあ進学かな。」

 「そうかあ。大学なん?」

 「そうのつもりだよ。」

 「アタシは県内の看護学校に行くんだ。」

 「そうか。」

 多分このガサツ女なら看護師になれるであろう。人並みに頭は良いし、何より元気だ。きつい夜勤にも耐えていけるであろう。それに度胸があるから、血を見る事の多い医療現場でも大丈夫なはず・・・。彼女にとって、これはまさに天職ではなかろうか。

 「僕は県内の専門学校。」

 モヤシ男が俺たちの会話に入ってきた。こいつは昔から学校の成績は良くないものの、コンピューターにはやたら詳しかった。だから地元の専門学校でプログラミングの勉強をするらしいのだ。彼なら多分心配はないであろう。見かけによらず粘りず良いところがあるのだから・・・。


 ===== 翌年の春 =====

 「がんばってな!!」

 バンと女は俺の背中を叩いた。

 「・・・・体に気を付けてな。」

 モヤシな男は本当に俺を心配してくれている様子だ。

 そう。俺は東京の大学に合格したのだ。そして今日は上京の日なのである。

 「また帰ってこいよ!」

 ガサツ女は満面の笑顔だった。

 「おう。」

 一応、俺は返事をした。

 電車の出発の合図があった。

 「じゃあな。」 

 「元気でな!!」

 「・・・・頑張れ・・・。」

 俺達3人は手を振り合って、別れたのだった。

 窓を見ると二人がまだ手を振っている。俺は視線を送るだけで、何もしなかった。

 ガサツ女が電車を追いかけていた。

 そして彼女の顔を見て、俺の感情が動いた。

 ガサツ女は泣いていた・・・・。

 2人はみるみるうちに小さくなり、やがて俺の視界から消えて行った。

 彼女の気持ちは、どうゆうものだったのだろうか・・・。

 それは帰省した時にでも、確認することは可能であろう・・・。

 しかしもう永遠に分からない・・・。

 何故なら俺は・・・・。

 ===== もうこの田舎には二度と帰らないから =====


 東京の生活は刺激に満ちたものだった。

 俺の入った大学はレベルが高かった。そして一流の家柄の子息も多く在籍していたのである。

 そして俺がかねてから目論んでいた様に、事は運んだのであった。

 大企業の社長の息子と友人なれたのである。

 彼は学生であるにもかかわらず、高級車を乗り回し遊びまわっていた。

 それは俺にとっても良い事であった。俺は彼に連れられ、いろんな事を覚えた・・・。

 酒・女・ギャンブル・・・・。

 勿論、オレはアルバイトをしていたが、そんなものでは出費に追いつく訳がない。

 どうゆう事かと言うと、友人が奢ってくれたのだ。

 最初はオレも戸惑っていた。同じ年の学生に奢られるのには抵抗はあった。

 しかし・・・・その戸惑いは快楽に負けた・・・。

 ズブズブと俺は友人による、酒・女・ギャンブルのもてなしの沼にはまっていったのであった。

 感覚の麻痺した俺にも、この状況は不味いことが判る・・・。

 大学の講義もさぼり気味で、取得単位もギリギリ・・・。

 本当にただ単に卒業するだけが目的で大学に通っているだけだったのだ・・・・。

 最早、自分の先行している学業に対する興味は失った・・・。

 そのとき、まだ俺は気が付いていなかった・・・。

 これがまだ本当に転落では無いという事を・・・・。

 

                                 <続く>

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