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お嬢様と民宿

あたりが薄暗くなった頃、幸運なことに森の中で民宿を発見した。今夜はここで休もうと、2人は戸を開ける。


出迎えてくれたのは杖を片手に持つ優しそうな中年の女性だ。


「あらあら、こんな時間にどうしたのかしら」


「2人分、泊まることは出来るかしら。できればご飯と…外で休んでる御者にも軽食があるといいのだけれど」


「ええ、ええ。ちょうど部屋は空きがでたので大丈夫ですよ。とりあえず中へどうぞ」


宿屋の主人であろう女性は、2人の宿泊を歓迎してくれた。広いロビーに案内をし、飲みやすいココアでもてなしながら、建物の説明をする女性の話をカトレアは興味深そうに聞く。


「田舎町と港街からはだいぶ距離があるでしょう?その間に何もないと旅行客や仕事で往来する人たちも困るだろうってことでこの宿屋を建てたんです」


「…素晴らしいわ、なんて優しい心の持ち主。そのおかげで私たちも今日はゆっくり休めるわけだし…ほら、クロもお礼を言いなさい」


「……どうも」


カトレアはどうも善意に感化されやすいらしい。だからこそ自身も孤児院の出資を進んで参加してるのだろうが。


「おほほほほ。このお仕事のおかげであなた達のような可愛らしいお客さんにも会えるから、楽しいものですよ。さて、話もなんですので部屋に案内しますね。夕飯ができたら部屋にお持ちしましょう」


女性が案内したのは宿の一階の角部屋。小さいが清掃の行き届いた部屋だ。家具は暖色系のカラーでまとめられている。暖かみを感じる空間をカトレアはすぐに気に入った。


「一時はどうなるかと思ったけど、こうして素敵な宿屋さんに泊まることができてよかったわ」


ご機嫌なカトレア。しかし反対にクロは訝しげに眉をひそめていた。


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