日記
この作品は「バイオハザード」に影響を受けて制作した作品です。オマージュは多いですが、本家とストーリーの繋がりは一切ございません。
鎧兜から逃げた栗田は更衣室に入った。そこには日記が置いていた。どうやら患者が書いたものらしい。栗田は日記のページを開く。
6月16日
「母ちゃんもひでぇよな。俺は狂ってないのにこんなところに入れるなんて。ゆきちゃんを守りたいからちょっと後ろから着いていっただけなのに。」
6月17日
「今日はクソ医者と話した。ゆきちゃんは俺のことが好きだから様子を見せろと言ったら人の気持ちを考えましょうっていつものようにテキトーに言いやがった。同じことばかり、ロボットかよ。」
6月18日
「ここの看護師はどうなってやがる。良い女の患者がエントランスに居たから近くの看護師に名前を聞いたら濁しやがった。しかも隠しているようには見えねぇ。マジで知らないらしい。患者の名前くらい把握しとけよ。」
6月19日
「今日は病室に看護師が来た。女なら良かったがいつも来る男だった。その男は変な匂いをする瓶を渡してきた。イライラするときは匂いを嗅げば良いらしい。」
6月20日
「今日はどこかの女子大の健康診断をやってたらしいので覗いた。医者も看護師も女達に目すら合わせない。どうやら冷たい対応は患者全員にしているらしい。気持ちわりぃ。イライラするからあの瓶を嗅いだ。ペンキみたいな匂いだが悪くはない。」
6月21日
「今日はマジでムカついた。あのクソいしゃは俺のなまえを知らずに話していた。あげ句誰ですか?っていってきやがった。今日もビンをかぐ。」
6月22日
「頭がいたいです。あのビンかがないとあたまいたいよー。うんいいにおい。うれしいな。はやくなまえでよんでほしいな。」
6月23日
「だれかがおへやにはいってきたぞー?ゆきちゃんかな?かたいにくなんだね。おいちい。あたまいたいです。」
6月24日
「かたいにく、ゆきちゃん、いたい、うまーい、かたいにく、ゆきちゃん、いたい、うまーい」
6月25日
「か ゆ い うま」
日記を読み終えた栗田の後ろのロッカーが動いた。そして中からゾンビが這い出てきた。咄嗟に、栗田はゾンビの頭を必死に踏みつけた。何度か踏んでいるとゾンビの動きが止まった。服のタグを見ると、日記の筆者と同じ名前が書いていた。