女王蜂
この作品は「バイオハザード」に影響を受けて制作した作品です。オマージュは多いですが、本家とストーリーの繋がりは一切ございません。
ワスプ達が向かったのは婦長室だった。婦長室にはワスプ達と一人の女が居た。小太りの中年の女だ。婦長だと思われるが、その目は狂っていた。さしずめ「クイーンワスプ」と言ったところか。様子を見ているとクイーンワスプはワスプ達を撫でたりし、注射を打っていた。ワスプ達は喜んでいるようだが、その様子は異様だった。
しばらく見ていると、クイーンワスプが岸田に気づいた。直後、ワスプ達に指示を出し、岸田を追いかけさせた。岸田は先程の反省を活かし、一本の通路を使って逃げた。これで挟み撃ちにされることはなかった。そして逃げ切った岸田が向かったのは何と婦長室だった。クイーンワスプは奇声を上げてワスプ達を呼び戻す。その隙に岸田は婦長室の暖房を最大にした。この夏に暖房をつけるなど自殺行為だが、岸田は精神力で耐える。クイーンワスプと戻ってきたワスプ達はもがき苦しんだ。彼らの様子を見て、薬物の影響で代謝が著しく上がっていることを岸田は見抜いていた。そして、岸田は命からがら婦長室から抜け出し、扉を閉めきった。しばらくワスプ達の呻き声が聞こえたが、次第に静かになった。全滅したようだ。
岸田は婦長室から回収した資料を読んだ。そこには婦長が日常的にパワハラを働いていたことが書かれていた。奇妙なことに婦長はパワハラの記録を誇らしげに書いていた。最終的に看護師達は無気力になり、働き蜂のように従順になったらしい。