狩人
この作品は「バイオハザード」に影響を受けて制作した作品です。オマージュは多いですが、本家とストーリーの繋がりは一切ございません。
二人は大きな病室の前に立つ。扉を開けるとそこでは一人の男が複数のゾンビの肉を貪っていた。男の顔は返り血で赤く染まっていた。クリムゾンヘッドである。岸田は襲いかかってくると思いチャカを向ける。しかし、異様な行動を取り出した。クリムゾンヘッドは自分の肌を搔きむしり、挙動不審になり、病室の隅で縮こまった。岸田は構う必要がないと判断し、放置した。
病室を出て、しばらく歩くと廊下に4人のゾンビが居た。すると、奥から何かが歩いてきた。先程のクリムゾンヘッドだ。搔きむしられた肌はボロボロになり、爬虫類のようだった。クリムゾンヘッドはいきなり足を止めた。直後、突然全速力で走り出し、ゾンビ達の首をへし折った。まるで爬虫類のような全く予想外の動きである。
岸田「あいつ、トカゲみたいで変な動きだ…しかし分かる、殺しの能力が洗練されている。狩人…さしずめ「ハンター」といったところか。」
直後、ハンターは落ちていたメスを拾い、岸田に向かって構える。その構えは異様だが隙がない。岸田は答えるようにドスを構える。その瞬間、ハンターがスタートを切った。その動きは異常だった。急に止まったと思いきや急加速したり、急に曲がったりしていた。故に太刀筋が読みづらい。さらにそのスピードは訓練された軍人並みである。
岸田「どこで学んだんだよ。」
ハンターは岸田を袈裟斬りにしようとした。岸田は後ろに下がるも服を僅かに切られてしまう。
岸田「面白いやつだ。本気を出すか。」
岸田の闘争本能が目覚める。その目はまさにオオカミ。そして懐から何かを取り出す。
岸田「ほらよ。」
それは硫酸入りの瓶だった。瓶が割れ、ハンターの皮膚にかかる。搔きむしった肌には効いたようでやつはのたうち回る。するとハンターが異常な行動を起こす。なんと、メスで硫酸がかかった皮膚を抉り出した。痛覚はもう死んでいるのだろう。そして肉塊を岸田に投げつけた。そして滴り落ちた血の池の上を滑り、素早く距離を詰めてきた。予想外の攻撃に岸田は顔の皮一枚切られてしまう。そしてメスを振りかざす。しかし、痛覚が無くても身体のダメージは避けられないようで動きが僅かに遅くなった。それを見逃す岸田ではなかった。岸田はドスでメスを弾き飛ばした。そして腹に突き立て、一気に裂いた。ハンターは力なく倒れた。
岸田「一周回って戦闘者として洗練されていたんだろうな。厄介だが面白かったぞ。」