▽神と人間の戦い
どうこいつとの距離を縮めればいいだろうか。まずはラフォーレの戦い方を見なくてはならない。
わざと当たりにいくか…。
ニィと不気味に笑う俺を見てラフォーレは少し怪訝な顔をした。
「神…神…神って気取るな」
相手を嘲るように言うと明らかにラフォーレは気分を害したようにこちらをにらんできた。
そしてこちらに向かって走り出してきた。
なるほど、こいつは自分のプライドが傷つくようなことを言われるとカッとなって突っ込んでくる典型的なタイプか。
ならなんとかなるかな。クールな冷静沈着なタイプとは絶対にやりあいたくない。ラッキーだな。
そんなことを思っていたらラフォーレはすぐ目の前にいた。
右斜めになめらかに剣を振り落としてきた。
俺は間一髪で避けたが髪の毛が少しかすれて髪の毛が床に落ちていた。
『神をバカにするな…』
剣を突き立て、俺を睨みながら言った。
しかしそんなのにお構い無く俺は更に挑発するように言った。
「神のくせに大した攻撃は出来ないんだな?あのキルザとかいう女より弱いんじゃないのか?」
クスッと笑いを含めて言うとラフォーレは眉毛を吊り上げて明らかに怒りの表情を露にした。
『あの女と比べるな…我はランククイーンの神だああぁぁぁ!!』
ランク…クイーン……?
ひとつ気になる言葉をきいた。がそんなことを考えて解いている時間は無さそうだ。
ラフォーレはすばやく右左上下に剣を滑ように、なめらかに剣を振ってきた。
俺は確実に先を見切って避けていく。それに対して益々苛立ちの表情を更に出すラフォーレ。
そろそろ俺も攻撃をしなくてはいけないようだ。
剣を構え、ラフォーレからの次の攻撃を待つ。
『我からの攻撃を全て避けていくとは…さすがだ。だがこれで終りだ!』
ラフォーレの剣が目映く光出した。
おっとこれはヤバいんじゃないのかー?
ちょっと言い過ぎたかもな。
だけれど男としてここは死ぬわけにはいかない。
勝つしかないよなあ?
ミクヤを守るのは俺。
あいつには俺しかいない。
だから生きてミクヤを守るんだ…!
剣を握る力が強くなる。
手汗がたくさん吹き出てくるのが分かった。
ここで俺が死ねばゲームオーバー…チェスみたいに慎重にやりたかったがどうも上手く行かなかったな。
だけど、俺は神という生き物を倒してみせる。
人間の俺が――――!