≠戦慄の序曲
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なんなんだあの男は!
前までとは全く実力が違っている!まさかこの私があの男に攻撃をされるだなんて…!
背中に鞭でうたれたような跡があった。私はそれを鏡で苛立ちを押さえながら見ていた。
「っ…くそぉ!」
こんないつも冷静沈着で万全戦闘大勢な私が、あの攻撃で背中にまでダメージを与えさせたなんて…!
いけない…つい怒りのあまり口調が荒くなってしまいました。
落ち着いてください、キルザ。
キルザという私はその程度で我を見失うような野暮な神ではありません。
とりあえず落ち着くのです、キルザ。
私はこれからあの二人に対抗し闘っていくためにはまだまだ強くならなくてはいけないみたいですね。
「…楽しみですね」
暗くネオンで薄く照らされた部屋でうっすらと私は密やかに微笑んだ。
‐――
『グアアアァッ!』
「来た…」
私は小さく呟き、起き上がって急いで戦闘に入る準備をし始めた。
もうこの廃墟もそろそろ使えなくなるだろう…だからはやく今日は移動して戦いに浸ろう。
準備が整い、テントから出るとそこには準備万端のカイトとジャダックがいた。
「おはよう、ミクヤ」
「…カイト…おはよう」
私はにっこり笑いながら言った。そして荷物をつめた鞄を床におき、テントをたたみ始めた。
「考えてることは一緒だな」
「だね…そろそろ使えなくなる…敵も増えてきたし」
たたみおわり、カプセルにしまいこんだ。
「準備万端よ。出発しなくちゃ」
「ああ」
そして私達は出発した。