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ghost actor  作者: aqri
ghost actor 4 晴海とハルミ
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2 strategy meeting

 嬉しそうな風間さんの声とは裏腹にかなり焦った愛梨の声。良かったねほっとした、って言うべきだろそこは。計画と違うのが目に見える。俺はもう何日か拘留されてそのまま殺人容疑で逮捕されるっていうシナリオだったんだろう。その隙にもっと大炎上させて風間さんを追い詰めて、仲間に引っ張り込むかそれとも偽物の死神の登場か。わかりやすすぎる。残念ライターが書いたようなシナリオだ。誰が書いたのかもわかる。


 嫉妬を入れるからそうなるんだよ、流星。


 愛梨は今更気づいたように良かったじゃんと言っているが、たぶん顔が引き攣っているんだろうな。また何か事務所から連絡が来たようで私行かなくちゃと慌ててどこかに走っていった。

 都合よく連絡が来すぎだ、フェイク通知音を自分で鳴らしているんだろう。そして誰もいなくなったのを確認してから風間さんがカメラに向かってピースサインをしてくる。俺もそれを見て風間さんに電話をかけた。愛梨が直接来ていたのなら盗聴器は無いはずだ。


「予想以上に早いな。二、三日はいるかと思ったが」

「俺もそう思います。とりあえず色々と動きました、最後の詰めにいきましょう。俺と直接会うのはなしです、さすがにメディアに情報ばらまいているでしょうからね。今俺たちが会っているのを週刊誌に撮られてもメリットはありません」

「そりゃそうだな、了解。そっちは黒猫と決着つけるんだろう」

「風間さんはどうするんですか」

「俺は俺で決着つけなきゃいけない相手がいるんでね。さっき事務所の話をしただろ、違約金払ったのも事務所を辞める件で揉めたのも本当だ」


 そういえば言っていた。それだけ本気の覚悟があるんだって思ったけど、これはまさか。


「まさか、事務所の社長が」

「黒猫の元締めだ。そうじゃなきゃ辻褄が合わないことが多かった。俺に対してハッパをかけてきたのも何もかも説明がつく、愛梨をつけたのもな」


 そうだったのか。それがわかって、死神の噂も流されたからブチ切れたってわけだ。この様子だと社長を尊敬してないんだろうけど、やはり長年役者として生きてきたことで思うところがあったんだろうな。この人のターゲットは最初から自分の事務所の社長だったんだ。

 つまりそれだけ手強い、身近な存在だからこそ何かを悟らせるわけにはいかない。そりゃ俺にも情報を秘密にしたいわけだ。もし俺がうっかり会ってしまったら絶対に気づかれていた。常に人を使い続ける立場の人というのは、観察力も推察力もずば抜けている。そうじゃなきゃ社長なんで務まるわけない。裏の仕事もな。


「炎上騒ぎのほうは?」

「そっちは理人に任せてある、大丈夫だ。あいつはエンジニアとしても優秀だ。こうなることは最初から想定済み。お前がパクられるのは想定外だったが、よろしくないイメージの騒ぎを起こして大炎上する予定ではいた。手間が省けただけだ。何せ相手はいろいろ気づいちゃってる俺を徹底的に叩きのめしたい、その材料は向こうも準備してただろうからな」


 流星から俺のことを聞いてこれは使えると踏んだ。流星の目的はあくまで俺を陥れて潰すことだけど、黒猫の元締めさんは絶対に引っ張り込みたかったはずだ。才華の話を考えれば直の上司とやらはこの社長ではなさそうだ。裏社会にどっぷりはまってそうだな。

 順番としては先に裏社会で動いていたのはたぶん社長の方、もしかしたら晴海と手を組んでいたのかもしれない。晴海が死んで、実際に黒猫を乗っ取ったのはこの社長だ。そして流星をさも黒猫の重要ポジションにいるかのように思わせて良いように使ってきた。結局同じことをやっているだけだ、流星は。流星は自分が黒猫を名乗っているが、社長はすべてお見通しってところだな。


 流星が次にほしいのはこの社長の裏での立場か。引きずり下ろすのが流星の本当の目的だったのかもしれない。引きずり下ろすのが、じゃないか。引きずり下ろすの「も」だな。目的はあくまで俺だな、俺だったらそうする。


「じゃ、フィナーレといきましょうか。ドラマの第二話は何日か遅れてアップロードするんでしょう?」

「まあな。世間が騒いでるうちに便乗したいから三日遅れってところか」

「じゃあ、さっさとケリをつけましょう。長引かせても何もいいことないですし。そろそろ、いい加減胸クソ悪いです」

「俺もだ」

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