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詩集

みんな人間だ

作者: キハ

誰だって感情はあるんです

誰だって怒りはあるんです

心の波に飲まれて行くのは人間なんです

でも貴方は人間じゃないんですか


血迷って泥まみれになるのも人間だ

だからって嫌だと感情を消すのは何なんだ

怒ることが無意味だと抑えるのは何なんだ

自分が大切だから反逆だって別にいい


そんな自分が誰よりも嫌だとか

そんなこと言うんだったら何になりたいんだ

何になったら満足になるんだ

繰り返す自問自答結局見つけられずに


嫌いの一言で全てを排除するならば

人間性が欠陥したただのお人形

まあそれもいいかもね楽でいいかもね

空虚に溶け込んで傀儡と化していく


都合の良い生き物なんて知ってるじゃないか

憎いあいつだってあの人だってみんなみんな

だったら自分だってそれなりに自由でいい

誰よりも自分が大切ででもだからこそ


自分のことにすぐ走る私は何者だ

結局人間っていうものはそんなものだ

じゃあ優しいあの人もそうなんだ

ああなんだ世知辛いな哀しいな


本当は自分が一番なんでしょ?

本当は他人なんてどうでもいいんでしょ?

特に私なんかなんか目にも入ってすら

屁理屈こねて駄々こねて人間不信


痛い痛いその言葉ぶつけられた

信じてよって離れていった

離れて行かないでよちょっとぐらいは

やっぱりそんな自分が嫌いでした



誰だって感情はあるんです

誰だって怒りはあるんです

心の波に飲まれて行くのは人間なんです

でも貴方は人間じゃないんですか


嫌いな感情を排除する貴方は何者ですか


消し去りたい汚さを

消しされないプライドを

天秤にかけて白黒の世界


しょせん最初から最後までそう人間だ

汚さだってすれ違いだって迷惑だって人間だ

感情ゆえも美しくも醜くも人間だ

意地汚くて意味不明ででも君が好きな私だ


未だに血迷って吐きそうになって五里霧中

どうだって変わりやしない人間だってことに

悩む暇はどれぐらい持て余してきたのだろう

それなら自分を愛せ 他人を愛せ 君を愛せ



君だって人間なんだろう?


同じ穴のムジナなんだろう?


そっか


好きだから仕方ないな



貴方は人間ですか


はいそうです


汚くても穢れても人間


自分が嫌いでも私は私だ


私だって人間だ

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