第七話 頭痛
やっっっっと投稿できました。
「あっ!お兄ちゃん大変なの、シェイド君が!シェイド君が!」
どうやらエルの男友達にして自分の弟分であるシェイドに何かあったらしい、しかし仰向けの上に乗られたまま話されても集中できないので
「急いでるところ悪いんだけど、一旦降りてくれるかな?」
「あっごめん、今降りるから。」
「でかい音がしたがどうした。何かあったのか?」
どうやらさっき僕がエルにタックルされた音を聞きつけたらしく師匠が駆け寄ってきた。
「はい、何でもsy」
「あっ!おじさん!あのね、シェイド君といっしょに森をたんけんしてたら奥にふるい蔵を見つけて…」
「なるほどそれで?」
師匠は今までに見たこともないほど真剣な顔で聞いている。
「それで、その蔵の中もたんけんしようと思って…」
「なるほど…なるほど」
師匠の顔つきは少しずつ疑問をはらんだものへと変化してゆく。
「でもドアがあかなくてやめて帰ろうとしたらシェイド君が急に頭を押さえてうずくまちゃって…それで助けを呼びに急いでもどったらここに出たの。」
瞬間、師匠と僕の表情は凍りついた。
「へっ?…シェイドがそんなことに? 本当なの?エル。」
「おい、エル本当にそうなのか、嘘じゃないんだな!」
本当なのだろうか本当にシェイドがそんなことに? だとしたら大変なことだ。何せシェイドは多少体調が…いや、かなり体調が悪くても無理をしてしまうような性格だ。そんな彼が無理もできずにうずくまるだなんて。
「うん、本当なの、本当にシェイド君は突然くるしそうになって…」
「だったら、大変なことだ!おい、エル、その蔵の場所は覚えてるな!」
「うん、おぼえてるわ。」
「よし、エル、案内しろ!エリミオレ、お前も念の為こい!」
師匠はエルが言い終わるよりも先に大慌てで指示を出し始めた。当然、弟分のピンチに駆けつけないわけにもいかないので
「わかりました!師匠!」
そうして、僕たちは大急ぎでエルの案内のもと森に入り蔵へ向かった・・・
時間にして3分ほど走っていると急に視界が開け、随分と古ぼけた蔵があり、その足下に黒髪の8歳ほどの男の子が苦しげに頭を押さえながら座り込んでいた。
「「シェイド!」君!「大丈夫⁉」」
僕とエルはほぼ同時に駆け出しシェイドにそばへ向かい声をかけた。その一方で、師匠はその眼に宿った魔眼である分析眼を使いシェイドがこのような状態になった原因を調べていた。そうこうしているとシェイドが弱々しく僕とエルを交互に見て口を開いた。
「エリミオレさん・・・エルさん、ま…で、こん…なぼくをたす…ける…ために?」
「当たり前だよ、僕と君の仲じゃないか。」
「当たり前でしょ、私とあなたの仲じゃない」
「そん…な・・・そ…んな。」
シェイドの美しい宝石のような蒼色の瞳から涙が溢れ始めた。そして・・・
「分析が完了したぞ!なっ…これは一体どういうことだ⁉シェイドには何も異常がない⁇」
まさかの異常なし。さてシェイドはどうなってしまうのでしょうか、明日をお楽しみに