第ニ話 帰宅 〜姉妹とのいざこざ〜
投稿が遅れてしまい申し訳ございませんでした。
アズリと別れた僕は、(夕食に遅れちゃうな。)と思いながら帰路に着いていた。
リンリーン♬ リンリーン♬
(それにしても、日が落ちるのもだいぶ早くなってそれに虫の音も増えてきて秋が近づいてきてるな。)そう思いながらゆっくり歩いていると家についた。
辺りはもう真っ暗だった。
玄関の前に着いてドアを開けると···
「遅ぉぉいいい!!!!」
怒りに満ちた声と共に拳が飛んできた。
「わわわわわ!?」
ぎりぎりのところで躱し、拳の飛んできた方を見ると···
「何するんだよ。エル」
「何するんだよ? じゃないわよ! 夕飯の時間に何時間ちこくしていると思っているのよ!!」
そう、そこに居たのは食いしん坊なのになぜかほっそりとしている妹のエルだった。
「もう何時間も待ってお腹と背中がくっつきそうよ!!!。」
「ごめんごめん アズリとの話が盛り上がっちゃって。」
まあ、本当はアズリとの話は夕方には終わっていて遅れたのは、虫の声と秋の風景に夢中になっていたからなのだが、そんなことを言おうものなら妹の業火がますます燃え上がるのは確実なので黙っておくことにした。
そんなことをしていると、いつ来たのか誰かが奥に立っていた。
「おかえりエリミオレ。」
「あっ、ただいま姉さん。」
妹との騒ぎを聞きつけたのか姉のエマが立っていた。
「ねえ、お姉ちゃん! お姉ちゃんも叱ってやってよ!」
「う~ん、確かに叱るべきだとは思うけど···話を聞いてた限りだとアズリちゃんと久しぶりに会えて楽しかったみたいだし許してあげましょうよ。」
「もう!!お兄ちゃんを甘やかさないでよ。」
「甘やかしてないわよ。やっぱり恋っていうのは大事にしないとね。」
「恋じゃないよ。ただの友達との会話だよ。」
「冗談よ、冗談」
「ちょっと!置いてきぼりにしないでよ!」
「あはは、ごめんねついつい盛り上がっちゃった。でも恋じゃないにしても友達との会話は大切だしそろそろ謝って終わりにしましょうよ。」
「エル、遅れてごめん」
「まぁ、今回は許してあげるけど···もう絶対におくれないでよ。全く待たされる方の身にもなってよ。」
「わかったよ」
(ごめんアズリ、嘘ついて盾にしちゃって)と、一時的に思ったもののまあ、妹はアズリと仲が良いのできっと大丈夫だろうと思い、とりあえず今は妹の怒りが収まったことに対して内心ガッツポーズしておくことにした。
「さて、仲直り出来たところでいい加減夕飯食べましょうよ。お母さんとお父さんも待っているわよ」
「姉さんの言うとおりだ、お腹が空いているんでしょ早く食べようよ。エル」
「調子が良いんだから···まあもういいわ早く食べましょう。」
そうして僕らは両親が待っているであろうダイニングへと歩いてゆくのだった。
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