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悲哀の勇者物語(休止中)  作者: 輝川望智
第二章 苦渋の逃避行
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第十話 『森林からの脱出』(前) 追手

少し暗くなります。お気をつけを。

とても長く、そして懐かしい夢から僕は目を覚ました。


周囲の様子を伺ってみると既に嵐は過ぎ去り、空は晴れているらしく日が差していた。


(取り敢えず森から出よう。)そう思いながら立ち上がり・・・

「一先ず【方位探知(コパデティクト)】っと」


方角を探知する魔法を使い深い森の中、出口を目指し歩き始める。


水滴の付いた植物が差し込んでくる光を反射し、キラキラと美しい中を歩いている最中、真っ先に浮かんできたのは大事な仲間たちのことだった。


あの時、戦士のノーガスは兵士の剣に貫かれ、魔法使いのアメアは魔法で焼かれ、治療士のラクは矢で胸を刺され、婚約の成立報告の為に故郷に帰っていたシェイドとエル、そして皆に逃がしてもらった僕を除きパーティはあの時壊滅した。


思い出すにつれて涙が流れてくる。

このような気持ちを持ってはならないとわかっているに関わらず。

(皆、素晴しい人だったのにどうして)というこの理不尽に対する怒りが止まらなくなってくる。皆を殺した彼らにも同じ目に会って欲しいという想いが・・・


「駄目だ駄目だ」


頭を振って湧いてきた狂気を拒絶し、考え方を変えてみる。


(確かにパーティは壊滅した。しかし、家族であるエルとシェイドは生き残っている、それで十分じゃないか。)


そう考えなければ気がおかしくなりそうだった。




しばらく歩いていると自分のものではない足音が聞こえ始めた。

追手の可能性が頭を過ぎったが、魔物の足音の可能性もあるので無視して進み続けた。

時間が経つにつれてその足音はどんどん大きくなってゆく。そして・・・


「見つけたぞ!エリミオレ・エイナード!邪教崇拝の罪によりその命貰い受ける!」


大声が森林に響く。驚きながら振り返ると国の兵士が数人こちらを睨みつけ、剣と敵意を向けていた。

これからはこのように1話を複数に分けて投稿していきます。

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