白い紙吹雪でも降ればいいのに
あの人はいったけど、物体となかったひと
白い紙吹雪みたいだ…。
なんて洒落たこと言って、誤魔化すあなたは、いつだって、私を惑わせる。
白い紙吹雪?笑わせてくれる。私にはただの雪にしかみえない。
たじろぎながら手までかざして誤魔化すあなたは、私を嘗めてもいる。
できることなら、こんなちっぽけなドラマなんかに参加したくもない。
けど、あなたは続けて、紙吹雪だと言い張り、子供のように白い紙吹雪みたいだ…。
なんて洒落たこと言って、誤魔化す…。
私は苛めるように、鼻で笑う…
…けど、あなたは続けて、紙吹雪だと言い張り、子供のようにはしゃいでいた。
真っ暗な夜の中に、ほんのりと光る街頭に、なごやかに遊ぶ子供達。
そのどれもが無駄だというのに、あなたはその夜、私を布団に寝かしつけた。
朝の日差しを浴びられない私にする、せめてものねぎらいで、涙はでた。でも
、嘘の涙だ。完全に。だけど、心の声はもれる。
夜が怖いの。
眠れないの…、
一人は怖いの…
誰かがいて欲しいの…
素直になれない私は、あなたをいじめて誤魔化す。
素直になる意味なんかないのだから、仕方ないじゃない。
そんな面倒なこと、するだけ無駄だから…。
そうしたら、あなたは私の頭を撫でる。
最近流行りの女子にでもなってやろうか?とも思った。
だけど、意味がない。
形もない。
無駄だから、そんな女子にはならない。
会社に行くためのしたくも怖いし、過ぎていく1日も怖いの。
だから、許される私でいさせてほしい。
だけど世界は私には興味なんかない。だから、意味なんてないのだと言っているのよ。
『意味なんてなくてもいい』
嬉しかった。泣きたかった。
あなたの一言で救われた。
でもたまに疲れてしまうのよ。できることなら馬鹿にでもなって、なにも感じたくなりたいのよ?
…あなたは楽単的で、おはしするのも面倒になるのよ…
だけと、少なからず、今を生きれるから、暇潰しに、あなたといる事になっているの。一秒一秒を、あなたでもいいや…と思えたの。
少なからず…
だから、せめて…
返事ぐらいして欲しいの…
黙りこけて、まるで私を無視するような仕草…本当は聞こえているくせに…
きこえないふりなんかしている、いじわる…
どうして、喋らないの?
どうして、嘗めてくれないの?
どうして、頭を撫でてくれないの?
砂嵐のように飛んでいく。
形のなくなったあなた。
それをずっと眺めている私…なんだか、
変な妄想をしてしまう…
人類が滅んでしまえばいい、なんて妄想。
皆死んでしまえばいい。という妄想。
実は、たまに思っていた。
どうして私とあなた以外が
いるのだろうか?と
あなたもお母さんもお父さんも、皆、いなくなるのならば、初めからいなければいいのに。
めんどくさくて、仕方がない。
…いい加減にして、…ためしに…
白い紙吹雪でも、降って世界を終わらせて…
なんて、締めくくっていたら、僅かなあられらしきものが、空からちらつき始めた…。
言葉はもれる。
「…やっぱり、ただの雪…」
そう思っていた私に、あなたは白い紙吹雪だと、誤魔化していたんだね。