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第46話 魔力駆動

 二年がたった。


 俺は10歳になり、この2年間はギルドのクエストをこなしたお金で魔制剣を作って貰ったり、カトレアから魔法の授業をしてもらいながらメキメキと力を付けていっているが、一つ伸び悩んでいるものがあった。


 俺は今一人の男と屋内に設けられたリングの上で対峙している。

 俺とその男は木剣を構え、互いに相手の隙を窺っていた。


「ハァァァ――――!!!」

 

 俺は我慢出来ず気合を入れる叫び声と共に男に突っ走る。


 男は俺の上段切りを受け止めると、はじき返し今度は右左と男から打ち込んでくる。

 俺は2回とも男の攻撃を防ぐが、男は今度は上から打ち込んでくる。


 しかしこれはフェイントだ。


 俺は男のフェイントには反応せず、冷静に右からの攻撃を防いだ。


 ここまでは概ね計算通り


 だが本番はここからだ。

 男はさっきと比べ物にならないくらいの爆発的なスピードで動き、切り込んでくる。


 男の攻撃を初めの数回はかろうじて受けることが出来たが、次第に付いていくことが出来なくなっていく。


「ぐっ!」


 俺は男の速すぎる攻撃にガードが崩され、後ろに仰け反ってしまった。


 しま―――


 そう思ったのも束の間。迫ってくる木剣を目に捕らえたと同時に、腹に重い衝撃が走り抜ける。


「ぐあ!」


 俺は戦っていたリングから吹っ飛びリングから落とされてしまった。


「ぼ、坊ちゃま!」


 見守っていたギュンターが俺に駆け寄ってくる。


「今回の昇級試験はこれで終わりだ。結果は不合格」


 俺と対峙していた男。エル・ティソーナ流剣術の試験官は俺にそう言い渡した。

 これで俺の8回目のC級昇格試験は、またもや不合格で終わった。




――


「はぁ。くそ」


 俺はエル・ティソーナアバディン支部の帰り道ため息をつく。

 帰ったらまたエマに馬鹿にされるな。マリアとルーナにもがっかりさせてしまう。


「坊ちゃまは……筋はいいのですが……いかんせん魔力駆動(ドライブ)を習得していませんので、それが原因かと……」


 ギュンターが言いにくそうに言ってくるが、そんなことは分かっている。

 魔力駆動(ドライブ)。試験官の動きが急に早くなったあれだ。

 あれのせいで俺はまだD級でくすぶっているのだ。

 あれは人間の動きではない。あんなスピードで動くことは人間には不可能のはずだ。

 しかし、実際に出来ているのだから認めるほかない。


「ギュンター。 今から魔力駆動の稽古を付けてくれ」

「と言われましてもな。坊ちゃまには私の知る限りの事を全て教えております。 これ以上教えれることは……」


 知っている事って、魔力駆動(ドライブ)は、自分の体内にある魔力を体に巡らせて身体能力を強化するっていう概要だけだろ……。


 マリアにもコツを教えてくれって言ったら、『まず、体にドバっと魔力を流して、そこでギュッと魔力を留めて、バン! と破裂させる感じです!』みたいな擬音での説明だった。マリアもギュンターも完全に感覚タイプであてにならない。


「ギュンター! 頼む!見せてくれるだけでいいんだ!そこから何か掴むから!」

「坊ちゃま! 分かりました! 坊ちゃまが何かを掴むまで、このギュンター! どこまでもお供いたしますぞ!」

「ありがとう!」


俺とギュンターはアバディンの外に出て、近くの草原まで向かった。



今日はまだまだ投稿します!

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