【年賀状エッセイ】四宮楓さんについて
私はお涙頂戴なものが嫌いだ。
いかにも『ここで泣いて!』みたいなものを見せられると、泣いてたまるかと思ってしまう。
製作者のゲスい目論見が透けて見えてしまって、白けてしまうのである。
四宮楓さんはよく自分の作品で泣いてしまうひとである。
お涙頂戴どころか自分の作品を書きながら自分で泣いてしまう。
心が綺麗な涙で溢れているのだと思う。
そんな彼女の心に触れて、私も泣いてしまうことがある。
そういう涙はいいものだ、と思う。
製作者のゲスい企みに乗せられるのではなく、優しさに触れて泣いてしまうのだから。
四宮楓さんはよく自分の作品で泣いてしまうひとである。
きっと私などにはわからない歴史が彼女をそうさせるのだろう。
自分を好きでいてほしいと願ってしまう。
他人に優しく、自分に泣いてしまう彼女のことが私は大好きだ。
そんな四宮楓さんの、ちょっと黒いところも見せてくれるリアルな短編を読んでみていただきたい。
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『古めかしい板で…金魚鉢は蓋をされた』