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ポンド  作者: 新庄知慧
8/88

8 日本刀とショットガン

何だって?


男は聞き返した。誰がお前たちなんか呼ぶもんか、こっちはうるさくて生活もできやしない。とっとと出てゆけ。


河原乞食たちはさらに悲しそうな顔をした。そしてまた音楽をやりだした。何かを訴えるように。


男はいよいよ本当に逆上した。


日本刀を振り回して、めちゃくちゃになって斬り込んだ。


するとこの河原乞食たち、手に手に拳銃を持ち出して、これは改造モデルガンやショットガンであったらしいのだが、ぶっぱなした。


それで男は瀕死の重傷となりその場にぶっ倒れ、気がつくと朝で、ふらつきながらも近くの医院へ何とか歩いていった。




「す、すごいですねえ!!」


人参は心底驚いたという感じで言った。それを遮って蟇蛙が言う。


「それがね、まだ話は続きがあって。実は・・・」




翌日男の訴えを受けて警察がそのカラオケ三昧の家に踏み込んだ。


しかし、そこはもう何年も人が住んだことのない空き家だったというのだ。


そして近所に聞き込みを行ったのだが、そんな近所迷惑なカラオケ三昧など聞こえなかったということだった。


しかし、ショットガン等の銃声とおぼしき凄い音響は皆が耳にしていた。


かの日本刀男は、医院に辿り着いて警察に連絡し、ことの次第を刑事に喋った直後から意識不明の状態にあり、これ以上捜査は進んでいないという。


しかし男は確かに銃弾による傷を負っており、時々、うわ言で、「死者より優しい人はいない」という趣旨のことを口にしているという。




「・・・へえ。怪談じゃないですか。その、例えば銃弾の分析なんかから、犯人の糸口はつかめないんですかね。」


彼もさすがに口を挟んだ。


「それが、銃撃によるらしい傷は確かにあるんだけどね、銃弾は見つからないんだそうだよ」


「そ、そんなことってあるんですか!」と、人参。


「新聞によれば、そうなんです。あるんです」


「そ、そうですか。日本刀。ショットガン。不思議な顛末」


「まあ、結局、暴力団の抗争だと思いますよ。色々と話の綾はあるけど、その男の素性を洗えば、分かるんじゃないですか。


日本刀のあるような旧家の男ということだが、孤独な一人暮らしだったみたいですよ。


組と何らかの関係があったんじゃないですか。それで、河原乞食というか、ヒッピーみたいな連中と、その空き家で何かの取引き中に、話がこじれて、ショットガンがぶっ放された・・。」


蟇蛙は話をこう結論した・・・?

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