表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/15

序幕

安政五年、秋――。

それは、茜色の記憶。

秋色に染められた木々の葉が、二人の青年と一人の子どもに降り注ぐ。



「お前は弱いからな、連れて行けん」



一人の青年はそう言うと、子どもの前にずいぶんと使い込んだ懐刀を差し出した。

大人にとっては小さな懐刀でも、子どもが手にとるとそれはとても大きなもの。

ずっしりと重いそれを子どもは落さないようにしっかりと握り、まじまじと見つめる。



「それをやるからまぁ精進するこった。強くなったら一緒に連れて行ってやる」



子どもはその言葉にハッと顔を上げる。理解したのか、大きな目を輝かせた。

二人の青年は子どもに背を向け、紅葉を踏みしめながら歩き出す。



「奎堂さん、妙な子どもに気に入られてしまいましたね」

「まぁなかなか有望な奴だったからな、いつか俺の同志に加えてやってもいい」

「そうですね。・・・さぁ帰りましょう、京で頼先生たちがお待ちのはずです」

「ほだな」




これは、少女のちいさな夢からはじまる、幕末動乱期の少し前に起きた、埋もれ消え行くはじまりの物語。


挿絵(By みてみん)



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ