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最強の番犬と黒き魔女  作者: しう
『統べるもの』
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4章 1 晩餐会

殺風景の中、そびえ立つ城の庭園にて長テーブルにクロスがかけられ、豪華な食事が並べられている


給仕役の女性が次々と料理を運ぶ中、椅子に座り満足気に眺めるファストと対面に座り注意深く観察するクオンとマルネスの姿があった


「色々ツッコミどころ満載だが・・・とりあえず1番の疑問だ・・・なぜ人が魔の世にいる?」


《君はどうやってここに来たのか、もう忘れてしまったのか?》


「俺の事じゃない・・・彼女達だ」


無表情で料理を運ぶ女性達の中に魔族はいない。全て人だった。しかも中には年端のいかない女の子もいる。どこから連れて来たのかは容易に想像がつくのだがそこは問題ではなく、なぜ魔の世にいるのかが問題だった


《これらの事か。君がシャンド・ラフポースを従えているのと何ら変わりないと思うが・・・君は人は魔族を従えて良いが、魔族は人を従えては駄目だと?》


「従え方にもよるな」


《それは君の定義であろう。君の定義に私を当てはめるのはやめてくれないか?どんな従え方をしようが君に言われる筋合いはない・・・相も変わらず人の思考とは愚かなもの・・・そうは思いませんか?マルネス》


《久方ぶりに会ったのに、何も変わっておらぬのう、ファストよ。お主は人の真似をして人より上手くやり遂げて悦に浸りたいだけ・・・クオンの言いたい事も理解せず定義だの言われる筋合いはないだのよう言うわい》


《言いたい事?》


《本当に分からぬのか?・・・お主はクオンがシャンドを従えているのだから、自分が人を従えても文句を言うなと言いたいのだろう?だが、従え方に問題があったとしても文句を言うなと言いのける・・・同じ土俵に上がったにも関わらずルールなぞ知らんとは片腹痛いわ》


《同じ土俵?・・・ああ、なるほど・・・マルネス・クロフィードともあろう方が・・・》


マルネスの言葉を聞いて一瞬呆けたファストだったが、言わんとしている事を理解すると口に手を当てて笑った。それを見てマルネスが眉をひそめると気付いたファストが言葉を続けた


《私は人と同じ土俵に立ったつもりもなければ立つつもりもありませんよ?人のような劣等種と同列など・・・貴女の口から聞きたくなかったですね》


《人が劣等種だと?》


《ええ。逆に聞きますが我らより優れた部分が人にありますか?確かに他の動物に比べて知能は高い・・・しかし、それだけでは?初めて人の世を訪れた時は驚嘆に値しました。見たことも無い建造物、利便性の追求した道具、非力さを補う武具、律する事で行う統治・・・能力もない非力な人が・・・いや、だからこそですか》


《それのどこが劣等種と言うのだ!》


《なぜ貴女がそこまで人に肩入れされるか理解出来ませんが、人を知る貴女だからこそ分かるのではありませんか?弱く、脆く、儚い・・・このテーブルに並んでいる料理・・・これは人の世の動物を調理したものです。生かし、殺し、食す・・・そうしなければ生を全う出来ない。あまつさえ人は動物を飼うという・・・食事を与え、適度な運動をさせ、死を見届ける・・・さも相手が望んでいると思い込んで・・・。私はそれを聞いた後、実際に人が動物を飼っている姿を見て吹き出してしまいましたよ。動物が望んでいるのなら、なぜ柵を設けるのかと・・・何故首に紐を付けているのかと。意思疎通が出来ない相手を自らの都合のいい解釈で殺したり、飼ったりする・・・多少知恵が回るだけで他の動物と何ら変わりのない種族が我らと対等とでも?》


「雄弁に語るじゃないか・・・良くお勉強してるようだ。で、反対に魔族は強く、頑強で、永久不滅って訳か。その優秀な種族である魔族が人を従え、動物を調理している理由は?」


《・・・知りもしないで否定するほど愚かではない。実際にやってみた・・・飼ったり、調理したりする事を。まあ、我らは食事を取らぬゆえ調理したものは飼ってる人に与えるだけだがな。特にこれといった感情は・・・いや、我らに怯える人の姿を見て実に滑稽で愉快な気持ちにはなったが、それ以上でも以下でもない・・・》


「そりゃあそうだろう。俺らだって必要なければ・・・!」


クオンが話している途中、場の空気が、ファストの雰囲気が一瞬にして変わる。寒くも暑くもなかった場は、背筋が凍るほど凍てつく。クオンがふとファストを見ると口の両端を上げ、不気味に微笑んでいた


クオンは何かに気付き顔を顰め、マルネスは場の変わりように不快感を露わにする


《・・・失礼。人の優劣などどうでも良かったですね。せっかく用意した食事・・・熱いうちに頂くのが良いと聞きました・・・どうぞ召し上がって下さい》


先程の雰囲気が気のせいだったかのように平然と振る舞うファスト。クオンとマルネスは警戒を緩めないが、自らが料理に手を出し2人に食べるように即す


《・・・フン》


マルネスが目の前の肉にフォークを突き刺し、一気に頬張ると食べるように言ったファストが僅かに表情を変えた


《私は興味本位で口にしましたが、貴女は食べる必要はないのでは?》


《・・・身体が・・・欲して・・・おる。ングッ・・・悪いか?》


マルネスが咀嚼しながら答えてギロリと睨むと、ファストは首を振り再び笑顔になった


《いえいえ・・・そうですか。ところで君も食べたらどうです?食材も調理も人の手によるものです。味の方は保証しかねるが・・・ね》


「ん?ああ、美味いぞ。食事を楽しむのも奪った生命への感謝みたいなもんだ・・・流石に多いから残った料理はさっきの彼女達にあげてくれ」


ファストが言い終わる前に遠慮なく食べ始め、テーブルに所狭しと並べられた料理をフォークで指して言うと、また次々と料理を口に運ぶ


《一方的に殺されて食べられているのに感謝など届くはずはないと思うがね》


「そりゃあ自己満足だからな」


《それにどんな意味があるのか分からないのだが・・・まあいい。それにしても人とは不思議な生き物だ。今の件もそうだが、核の件と言い・・・》


「核の件?」


《ああ、君達は器と呼んでいるのだったな。我らのようにそれ自体が無くなれば存在する事の出来ない『核』とは違い、無くとも存在出来、魔素の受け皿になるもの・・・『器』か。言い得て妙だね》


「そりゃどうも。俺が考えた訳じゃないけどな」


《・・・君らは魔素の発生後、本来異物である核・・・器を受け入れここまで生きてきた。環境適応能力・・・いや、進化と言うべきか・・・我らにはないものを持っている》


「そうか?前に遭遇したラビットタイガーは耳が進化してたぞ?あれも一種の環境適応能力・・・魔獣が出来て魔族が出来ないってのもおかしな話だと思うがな」


クオンはディートグリス王国の街、ノーズで出会ったソクシュと共に狩ったラビットタイガーを思い出す。自らの耳を進化させ、聴覚に優れた魔獣となったラビットタイガー・・・魔獣と魔族は共に核を有するもの。種族は違えど構造が同じであるならば魔族も進化は可能なのではと考えていた


《ラビットタイガーか・・・アレは進化とは異なる。嗅覚を犠牲にして聴覚を得た・・・言わば変化の類だな。単純に聴覚だけ上がっていれば進化とも言えなくもないが・・・そもそも魔獣と我らを同列にしてもらいたくないものだ》


「変化ね・・・確かにそうかもな。で、俺を晩餐会と称して招いたのはその件か?」


《そうだ。私はだいぶ前から人に興味を持ってね・・・興味を持ったきっかけは君が以前訪れたあの時・・・そこから色々と考え、実行してきた》


「実行?」


《我らは先程言ったように進化しない。食事も取らない。歳も取らない。魔素さえあれば未来永劫生きていくのだろう。ただ君が訪れてから考えるようになった・・・我らの存在意義をな》


「回りくどいな・・・実行ってなんだ?何をした?」


《・・・我らは魔族同士では、子は出来ない。それは必要ないから・・・今の状況で子が出来てしまえばこの世は魔族で溢れかえる・・・だが、人は違う。誰も子を産まなければ絶滅してしまうだろう・・・見た目は似ているが非なるもの・・・》


「・・・おい」


《しかし、不思議な事に我らと人の間には子が出来る・・・それは果たして何の意味があるのか・・・アモンと共に人の世に行った時は考えもしなかった・・・されど今は違う。君に1つ質問だ・・・なぜ我らは進化しないと思う?》


「・・・進化する必要がないからだろ?」


《素晴らしい!そう!我らは進化する必要がないのだ!悠久の時を経ても進化をしない・・・当然だ・・・進化する必要がなければ進化など起こりえる訳が無い!》


「分かった分かった・・・で、何をした?」


クオンの答えを聞いて感極まったファストは突然席を立ち上がり、両手を上げて天を仰いだ。その様子を見て呆れたクオンはフォークを置いて再度何を『実行』したのかを尋ねる


《進化を!》


「・・・おい」


《我らには必要のない進化・・・だが、私は進化を望んだ!なぜ?必要だからだ!全てを手に入れる為に!》


「大丈夫か?コイツ」


《以前はこんな感じでは・・・あったかもしれんのう》


《この気付きは君とマルネス・・・貴女のお陰ですよ・・・貴女方が我らの進化の可能性を見せてくれた!大いなる可能性を!》


「いい加減・・・」


《君がこの世を去った後・・・私は君の行く末をどうしても見たかった。アモンの核を受け継ぎ、マルネスの核をも受け継いだ君の行く末を!そこでまず私は『扉』を必要とした・・・カーラを操る事も考えたが奴は神出鬼没・・・捕まえるのは難しいと判断して方針を変えた。必要としているのだ・・・進化すれば良い・・・とな。魔技とは原魔の組み合わせ・・・創り出すのは容易ではなかったが、とうとう『扉』の核を創り出すことに成功した!》


「黒丸、原魔って?」


《妾やアモン・・・原初の八魔と呼ばれる者達の持つ魔技・・・様々な魔技の源流とされておる。核には元々8つの原魔が刻まれており、その力の調整で魔技を発動しておる・・・例えば黒3白2禁4操5炎1氷2嵐5地2で魔技発動・・・今のは適当に言うたが、どの魔技も理論上は放てる・・・理論上はな》


《そう・・・だが、頭で分かっていてもいざ魔技を出そうとしても調整は難しい・・・そもそもどの魔技がどの調整で放てるか分かっていないからな。数多くの手下を集め、核を砕いてはくっ付け・・・途方もない時と犠牲により、ようやく完成したのだよ・・・『扉』の核が!》


「狂ってるな」


《何とでも言いたまえ。私は手に入れた『扉』を人の世に行ったことのあるものに与え、人の世を・・・いや、君を観察させた。そして、()の進化へと繋がった》


「・・・」


《あの時!私は震えたよ!迫り来る魔族100体程・・・マルネスともう1人の少女が苦戦する中、颯爽と現れた君は禁ずるのではなく、拒む事で全ての魔族の動きを止めた・・・有り得ないほど強力な力・・・『禁』と『黒』の成せる技・・・君は私に可能性を示した!私が更に強くなる方法を!》


「あの時あった2つの隙間・・・1つはお前かよ・・・」


クオンとファストが言う『あの時』・・・それはディートグリスの王都ダムアイトに魔族が大量に押し寄せた時。クオンはその時1つの扉の奥で確かにファストと目が合っていた


《君が来るのを待ち望み・・・ついつい興奮して前に出過ぎてしまった。すぐに閉じられてしまったが、充分すぎる程の成果はあったよ》


「つまり・・・お前の望むものは・・・俺と黒丸の器」


《そう・・・君の中にあるアモンの・・・そして、マルネスの核!本日のメインディッシュだ》


「何をしたかと思ったら・・・覗き見と工作かよ」


《ん?ああ、君が先程から気にしていた事か。それはその事ではない。『扉』を創るのに手下がだいぶ減ったからね・・・補充と実験を兼ねて人の世から人を何人かこの世に連れて来て子を産ませた。初めは女と男を連れて来て男には魔族の女をあてがったが効率が悪くてね・・・今回は女だけにしたが・・・》


「な・・・に?」


《・・・やめろ・・・》


《お陰で上級魔族は増えたよ。人の世で薄れた核よりも、魔族と人が交わった直後の核は素晴らしい・・・惜しむらくは魔技を継承する確率が半々といったところか》


「お前・・・まさか!」


《・・・黙れ・・・黙れ・・・》


《せっかく魔人として産まれても、核を抜かれれば数分が限度か・・・君も分かるだろ?必要とあらば他種族の命を奪い食らう人なのだから。我らも()()だったのだよ・・・その命が》


《黙れと言っているだろうが!!》


マルネスは叫び、魔法を放つ。それはラビットタイガーの時に放った黒獄・・・黒い玉はマルネスの前にあったテーブルを丸ごと飲み込み、一直線にファストへと伸びていき全てを消し去った


残されたのは椅子に座るクオンとマルネス・・・そして、周りを囲む魔族達とその後ろにいる給仕をしていた人達だったが、誰も身動きひとつしていない


「黒丸・・・」


《・・・すまぬ・・・だが、どうしても許せなかった・・・》


「気持ちは分かるが・・・アレに打っても仕方ないだろ?なあ、ファスト?」


クオンの声に応えるように一体の魔族がブルりと身体を震わせて下を向いた。そして、顔を上げた瞬間にニヤリと笑う


《一体しかない私を模した貴重なゴーレムだったのだが・・・跡形もなく消し去ってくれたね、マルネス》


《うるさい・・・出て来い、ファスト!ゴーレムや依り代をも使ってではなく、本体でな》


《そう言われて出て行くとでも?・・・にしても核が半分になってもあの威力・・・やはり貴女は恐ろしい・・・少々調理に手間取りそうだな》


《調理?誰を?貴様に妾が倒せるとでも?笑わせるな》


《強気ですね。ですが残念ながら相手は私じゃない》


ファストが依り代となった魔族を操り指を鳴らすと4体の魔族が現れる。明らかに周囲にいる魔族とは異なる雰囲気を醸し出す


《たった4体?それとも周囲の魔族も操り妾を屠るか?臆病者の八魔最弱のファストよ!》


「黒丸・・・」


《私が創り出した五魔将・・・一体は野暮用でいないが、充分貴女の相手になる・・・いや、相手にならないか・・・貴女は攻撃出来ないのだから・・・》


《それはそやつらも同じだろうて・・・アモンの禁忌は未だに生きておる・・・貴様らに妾は討てん》


「黒丸・・・」


《・・・クククッ・・・原初の八魔、アモンの禁忌・・・死してなお我らを縛り付ける忌まわしき禁・・・その禁忌が発動するのはあくまでも原初の八魔以下のもの・・・もし彼らが原初の八魔を超えていたとしたら?》


《有り得ん!我らを・・・アモンを一介の魔族が・・・なっ!?》


マルネスの言葉を遮るように五魔将の一体が隣にいた魔族の首を飛ばす。アモンの禁忌が発動していれば決して行えない行為。ファストが操っていれば別だが、操っている場合は攻撃した後に自らもダメージを受けるはず・・・その様子が全くない様子からマルネスは言葉を失った


《私ですら事前にパスを繋いでなければ操る事は困難であっただろう・・・つまり・・・進化は成った》


《進化だと?ただ核を奪い詰め込んだだけで・・・それを進化と言うか!》


「マルネス!」


《あっ・・・》


呼ばれて振り向くと、そこには険しい表情のクオンが居た。怒りで我を忘れそうになっていたマルネスは冷静さを取り戻し思い出す・・・あの夜の会話を


《クオン・・・しかし・・・》


「約束だ・・・お前は守れ」


『守れ』と言われてギュッと目を閉じる・・・約束した事・・・守るべき存在の事・・・全てを投げ打ってでも守らなければならないと覚悟を決めて目を開けた


「良い子だ」


《・・・・・・・・・絶対だぞ!》


「ああ、死ぬ気はない」


《何を企んでいるか知らないが、そろそろメインディッシュの調理に入らせて・・・は?》


ファストはこれまでほとんど表情を崩す事はなかった。崩すとしてもたまに微笑む程度・・・先程まで話していたのはゴーレムだったが、表情は離れた場所に居るファストとリンクしていた。にもかかわらずほとんど崩していない。それは依り代の魔族を操っていても同じ事。だが、そのファストが間抜けにも口を開け、目を見開き、信じられないといった表情で見つめる・・・マルネスの後ろ姿を


「お前もそんな表情するんだな。今までは誰もが掌の上で踊っているだけだったから、余計に驚いたか?『こんなのは私の予定にはない』ってな」


まるでクオンの声が届いていないように遠ざかるマルネスの後ろ姿を見続けていた。もうすぐそこまで訪れようとしていた歓喜の瞬間が、目の前から遠ざかる


《バ・・・バカな!》


「お前のその表情を見れただけでも晩餐会に来た甲斐があったってもんだ。料理も無くなったし、そろそろ俺もおいとましようかと思うが・・・どうかな?」


《ふざけるな!・・・なぜ・・・なぜ貴様を置いて逃げれる!?・・・くっ、お前らマルネスを・・・》


「おいおい、人の女のケツを追いかけるなんて上級魔族のする事じゃないだろ?暇潰しの話し相手なら俺がしてやるよ」


《貴様ァ!人の分際で・・・調子に乗るな!!》


「いいね・・・さっきまでのスカした態度よりは好感持てる。程度が知れて親しみやすさ倍増だ。ただもう守るつもりはないけどな」


《・・・守る?我らを?脆弱な人如きが?・・・・・・・・・面白い冗談だ。お陰で冷静になれたよ》


「冗談じゃないさ。アモンの核を受け継いだ俺達は・・・その遺志も継いだ。アモンの遺志は・・・願いは1つ。魔の世を・・・魔族を守る事。その遺志を受け継ぎ、人の国に属さず、ケルベロスを名乗り、今日まで守り続けていた・・・お前ら魔族を」


《それが本当だとしたら何からだ?人が我らを滅ぼせるとでも?》


「さあ、何からだろうな」


答えをはぐらかすクオンに対して眉間にシワを寄せるファスト。冷静になれたと言ってはいたが、感情の制御は上手く機能していないようであった


《・・・貴様如きに守られる我らでない事を・・・その身をもって知るがいい!ジンド!お前はマルネスを追え!残りはコイツを・・・ただ決して殺すな!》


「おい・・・だから人の女を・・・まあいい・・・お前らの番犬をやめた俺は・・・《今はマルネスただ1人の番犬だ。追いかけたけりゃ殺してけ》


歯を剥き出しにして吠えるクオンに五魔将の4体が動き出す


ファストは勝利を確信しているのか目の前の敵であるクオンに脇目も振らず、ただただ既に見えなくなったマルネスの消えた先を見つめ呟いた


《始まり・・・そして、終焉の時だ──────》



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