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4章 プロローグ
人の世が転機を迎えたのは約500年前
魔族との交流が始まった時であった
人の世と魔の世の繋がりが、人の世に魔素と呼ばれる魔力の元をもたらした
空気のように見えず大気中に漂う魔素
受け皿のない人にとってはただの毒となり身体を蝕む
抵抗力の低い赤子や老人から力尽き、為す術もない人類は絶望に包まれた
季節外れの雪が降る
白い白い雪が降る
それから500年
再び人の世は転機を迎えようとしていた
クオン・ケルベロスとマルネス・クロフィードが魔の世に辿り着く
迎えるのはファスト・グルニカルの従者
恭しく頭を下げると2人を誘う
『晩餐会』の会場へと──────




