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最強の番犬と黒き魔女  作者: しう
『拒むもの』
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1章 4 シールドベア

クオン達が女王アントを駆除し終え街に近付くと、先に戻ったエイト達から聞いたサードや他の冒険者が街の外まで迎えに来てくれていた


みんな一様にクオン達を褒め称え、街の安寧を喜んだ


そのまま飲みにでも行く勢いだったが、まずはギルドに寄ってくれとの事なのでクオン達はギルドに向かった


ギルドの中に入るとカミラと見覚えのない中年の男性がクオン達を迎える。この冒険者ギルドのギルドマスターである


「話は聞いたぞ!レンドとマーナ、それに旅のお方!お手柄だったな!」


ガハハと笑いレンドの背中を叩いて女王アントの討伐に感謝する。元々は冒険者だったギルドマスターの力強い背中への一撃でレンドは一瞬息が出来なくなるほどの衝撃を受けた


「カホ・・・マスター・・・痛い」


抗議の目線をギルドマスターに向けるが、当の本人は何処吹く風、初めて会うクオンへとターゲットを変更する


「君が昨日エイトと揉めたという・・・なるほどね」


値踏みするようにクオンを見て1人で納得すると、スっと手を出し握手を要求する


「俺はココでギルドマスターやってるバンデラスだ。バンデラス・エドナス。元冒険者だ」


「ケル・・・クオン・ケルベロスだ」


差し出された手を握り、名乗るとそこから今回の件を根掘り葉掘り聞かれた。クオンの馬の件は上手く誤魔化しつつ一通り説明するとバンデラスは唸りながら考え込む


「突然変異か。原因は旅人の馬だろうな」


チラリとクオンの顔を見ながら言うが責めている様子はない。済んだことを責める気はなく、犯人探しをするというよりも想定外の事態への報酬の方で頭を悩ましていた


本来ならば依頼を受けてない討伐に対して報酬は支払われる事は無い。しかし、今回のような見逃せば被害が甚大になる可能性がある場合は特別報酬を出す必要があった。そうでなければ、今後誰も依頼を受けてない状態だと討伐してくれず、その結果被害が大きくなってしまう可能性があるからだ


「本来なら通常の女王アントでも50万ゴルドは固い。だが、依頼がない為ギルドの予算から出さねばならん。少なくて申し訳ないが・・・」


「いや、報酬はいらない。代わりにこちらの願いを聞いてくれないか?」


「願い?」


「レンドとマーナのランクを上げてくれ」


「クオンさん!?」


「・・・こちらとしては願ったり叶ったりだが・・・いいのか?」


「ああ。それよりも外でサード達が待っている。何やら飯をご馳走してくれるみたいでな。もう行っていいか?」


「分かった。明日までに登録しておく。本当に助かった!」


バンデラスは再びレンドの背中を叩こうと回り込むが、レンドは警戒してクオンの後ろに隠れた。その様子を見てガハハと笑いながらギルド奥の2階に通じる階段へと向かって歩いて行った


「クオンさん・・・なぜ?」


「相談もなく悪いな。荷物を確認したら手持ちが3万ゴルドしかなくてな。迎えも来ないし、もしかしたらしばらく厄介になるかもしれない。だから、依頼を共にするか依頼を代わりに受けてもらえると助かる」


「なるほど。僕達のランクが上がれば高位の依頼が受けれるようになるから・・・もちろん僕達は構いませんが・・・なあ?」


「ええ。でも、私達でいいのですか?クオンさんならもっと実力のある方々と組めば儲かりそうですけど」


「構わない。それとマーナ、また口調が戻ってるぞ。レンドもさん付けはいらないし、丁寧語もやめてくれ。共に戦った仲間だろ?」


「え、いや、なんかクオンさんで慣れてしまって・・・ちなみにクオンさんっておいくつなんですか?」


「言ってなかったか。お前らと同じ18だ」


「・・・冗談ですよね?」


「軍隊アントの腹に収まりたいか?なあ、マーナ」


「えっ、そ、そうよね?まったく、レンドは失礼なんだから・・・」


「お前ら・・・」


老け顔のクオンが薄目を開けて睨みつけると、レンドとマーナは何とか誤魔化そうと吹けない口笛を吹き明後日の方向を向いていた


その後、サード達と合流し酒場で夕食をご馳走になる。今回の調査依頼で特別手当が出たらしく、もしもの為に残ってくれていた他の冒険者達と共に大いに盛り上がる


その折、サード達が街に戻る際にエイト達と会ったことを話した。状況を説明したら一目散に女王アントの方へ駆けて行ったらしい。ただの荒くれ者と思っていたが、街を守ろうとしていた事にクオンは少し評価を改めた


夜中に解散しレンド達の宿屋に戻り1泊。また宿屋の食堂にて今後の方針を話し合う


「とりあえず僕らもついて行っていいんです・・・だよね?」


「もちろん。むしろ一緒に来てもらった方が助かる。地理に疎くて依頼を受けても右往左往しそうでな」


微笑む老け顔につられて2人も微笑み頷く。昨日の戦闘を見て足でまといではと考えたが、共に行動することを選んだ


「そう言えば木刀・・・キレイになってるけど」


「ああ。昨日の夜に約束通り湯でキレイに洗い流した。もちろんその後添い寝したぞ?木刀のままでな」


「・・・次、人型化した時怒ってるんでは?」


「激怒だろうな」


楽しそうに笑うクオンに苦笑いで返す2人。ほぼ1人で軍隊アントと女王アントを倒した姿を見て冗談ではすまされないと思っているが、クオンはクオンで底が知れない為、何と返せばいいか分からなかった


朝食を済ませ、その足でギルドに向かいランクアップの説明を受ける2人。冒険者のランクはGから始まりAがトップ。例外的にAAランクなんて者もいるが、Aですら国に数十名しかいない


今回レンド達は晴れてEランクとなった。ランク的にはやっと1人前、ただ普通なら冒険者になってから5年以上かかる。15の時から冒険者をして18でEランクになるのは異例の速さともいえる


「EランクになったのでDランクの依頼まで受ける事が出来るよ。クオン、どうする?」


やっと口調が慣れてきたマーナが嬉しそうに依頼の張り出された掲示板の前でクオンに話しかけると、クオンは1つの依頼書に注目した


「虫は飽きたからな。これなんてどうだ?」


クオンが掲示板から依頼書を取り2人に見せたのは『シールドベア討伐』の依頼書


シールドベアは単体で行動し、森の中に縄張りを持つ。その縄張りを侵されると襲ってくるので、猟師達から依頼が出ることが多い。今回も例に漏れず猟師からの依頼だ


シールドベアの特徴としては名前の由来であるシールド・・・硬い装甲のような外皮が特徴のクマさんだ。色は黄色くない。ハチミツも食べない


「シールドベアですか・・・普段なら絶対避けるべき相手ですがクオンさんなら・・・クオンなら大丈夫かと」


Dランク依頼となるシールドベア。硬い外皮とはいえ動きは遅く攻撃手段もそれほど多くない。知能も低く罠などにかければ単独での討伐も可能だ。しかし、体格は大きいので3mくらいあり、一撃の重さは人を即死させる威力があるので注意が必要でる


3人はギルド受付のカミラに依頼書を渡したあと街中で準備して早速討伐に向かう。本来ならギルドの依頼は1週間に1回くらい受けるペースなのだが、昨日はレンドとマーナはほとんど何もしておらず、連続で依頼を受ける事になった


昨日達成したジャイアントアントの蜜の採取依頼料は分配出来るほど多くない為、今日の準備金で使う事に3人で決めていた


水と食料を調達後、街を出ようとした時にクオンは視線を感じて周囲を見渡す。しかし、周囲にそれらしい者は見当たらず悪意も感じなかった為に気にせず街を後にした


依頼の場所はレンドが知っている為、迷わず順調に進む


ふとレンドが止まったと思ったら、木のある部分を指差した


「アレがシールドベアの縄張りの印」


木には爪痕が残されており、その爪痕の内側はシールドベアの縄張りとなる。それが四方についているらしく、他のシールドベアやシールドベアより弱い魔物や動物はその中には近付かないという


「ココからはいつ襲われてもおかしくないので慎重に・・・」


と言いかけると、そのレンドの前に3m級のシールドベアが両腕を上げて威嚇状態。口からはヨダレを垂らし、唸り声を上げた


「なあ、縄張りはいいけど、こんな分かりやすい印付けたら獲物が寄ってこないんじゃないか?」


シールドベアを前にクオンが疑問に思った事を口にするが、レンドとマーナはそれどころではない。初めて遭遇するDランク級の魔物に腰を抜かし体を震わす


クオンは仕方なさそうにシールドベアの前に立つと攻撃の届く範囲でシールドベアを観察、その硬いと言われる部分を確認する。硬そうなのは曲がらない外側の部分だけで関節などの内側と喉など動きのある部分は普通の皮膚のように見えた


威嚇しても動じない目の前の獲物に警戒してか体を丸め攻撃態勢に入るシールドベア。クオンは剣を抜かずに観察を続ける


「クオンさん!」


我に返ったレンドが叫ぶとその声に反応してかシールドベアがクオンに向かい鋭い爪で攻撃を仕掛ける。それを躱すとすれ違いざまにシールドベアの体に触れ硬さを確認する


「これは・・・」


「クオンさん!?」


「シントのクマとは違うな。毛の材質はシントの方が良さそうだ。肉の味は?」


「コッチが肉にされますよ!」


「クオン、逃げて!」


焦った2人がクオンの傍に駆け寄ろうとするが、それに気付いたシールドベアが警戒を強め1回距離を置くように離れた


「ほう。単細胞ではないようだな。レンドは俺の右側に展開しマーナは逆側に。剣を抜いて構えろ」


「は?え?はい!」


クオンの指示通り左右に展開する2人に更にクオンは指示を飛ばす


「無理に上半身を狙うな。膝の裏や関節部分はある程度柔らかいからそこを狙え。だが、目線は上半身から落とすなよ!常に体はクマの横につけて、クマが動いたら無理に狙わずに距離を置き立ち位置をクマの側面を維持しろ」


てっきりクオンがサクッと倒して終わりと思っていた2人は完全に油断していた。言われるままに動くも覚悟が足りず攻撃には転じれない


シールドベアは3人を見比べ1番弱そうと判断したのか美味しそうと判断したのかマーナに狙いを定め体を反転させる


「マーナ!」


マーナの方を向いている為、背を向けたシールドベアに斬り掛かるレンド。しかし、焦って硬い背中に斬り掛かってしまい、剣が弾かれ手が痺れる


恐怖に震え足が止まってしまったマーナはクオンの指示通りに動けない。正面に相対するとシールドベアの巨体が全ての視界を塞ぐ


ギュッと目を瞑り、迫り来る攻撃を防ぐように腕を上げるが、一向に衝撃は来なかった。恐る恐る薄目を開けて状況を確認すると手の先を失くし血を吹き出すシールドベアの姿が映った


正面に立ったマーナに放った左爪は手首付近を横から来たクオンにいつの間にか切り落とされていた。痛みで怒り狂うシールドベアは残った右爪でまたもやマーナを襲うが、クオンはすかさず右手首も切り落とした


絶叫のような雄叫びを上げるシールドベアに風斬り丸を肩にトントンと当てて次のシールドベアの動きを観察するクオン。シールドベアは失くした手首を気にせず腕を振り下ろそうとする


「攻撃手段はあくまで腕か。牙も巨体も生かさずに・・・所詮は知能の低い魔物か」


飛び退き躱しながら距離を取り仕切り直す


「ご、ごめん、クオン」


「徐々に慣れていけばいい。後はレンドと2人でやってみな。レンド!マーナと連携してトドメを!」


「りょ、了解!」


シールドベアを前後で挟むように構えると背後を取っているレンドが今度はクオンの指示通り足を狙う。関節部分を突くと刃が食い込む


不意の攻撃にシールドベアが背後のレンドに振り返ろうとすると今度はマーナがレンドが傷付けた足の反対側の足に剣を突き立てた


足の踏ん張りが効かなくなったシールドベアが地面に崩れ落ち、そこからレンドとマーナがトドメとばかりに剣を突き立てる。背中は弾かれたが首元などは比較的硬くない為徐々に傷は増え、やがて動かなくなる


肩で息をする2人の代わりにクオンが生死の確認を行い、確実に息絶えた事を確認しそれを告げると2人はその場にへたり込む


「ハア・・・ハア・・・これがDランクの討伐・・・」


昨日までFランクでまだまだ先の話と思っていたDランクの敵と実際に相対し、レンドは自分の実力不足を感じ取る。実際は宿屋の経営の足しになるようにと始めた冒険者。本格的にやるつもりはなかったから、ランクも気にしてはいなかった。しかし、高ランクの依頼を受けていなくても昨日みたいな場面に遭遇しないとは言いきれない。強くて損をすることはないのだ


「今日のおさらいだ。相手はシールドベア。攻撃パターンは両腕の爪による攻撃がほとんど・・・個体により体当たりや牙での攻撃もあるかも知れない。動きは俊敏とは言い難いが攻撃は重く鋭い。攻める場所は硬い部分がある為限られてくる。なので、2人の場合は左右に展開し、決して正面に回らないように立ち回るのが正解かな?常に相手の側面を取り、万が一味方が正面に立たされる状況になってしまったら、背後から攻撃し注意を引きつける」


「はい・・・でも、どうして・・・」


レンドが聞きたいのはクオンが自分達に討伐させようとした理由。文句はないのだが、クオンなら苦もなく討伐出来たのではないかと疑問が残る


「期間限定とは言え一緒に行動を共にするんだ。守れる範囲は守ろうと思うが、どんな相手がいるかも分からないし、自分で身を守れるに越したことはないだろ?いつ俺に迎えが来るとも分からないしな」


討伐証明である首を切り落とし、持って来た袋に積める。その行動を見ながらマーナは聞こえるか聞こえないかくらいの声で呟いた


「・・・期間限定・・・」


レンドは耳ざとくその言葉を拾い、意味を理解するがこの場で特に掘り下げず仕事は終わったとばかりに街に向けて歩き出すクオンの後を追った


マーナも我に返り後を追いかけクオンに追い付いた瞬間、木の枝に足を取られ転びそうになり目の前にある布を手で掴む。何とか踏ん張り転けはしなかったが、掴んだ布がスルスルと解けてしまい地面に落ちた


「・・・不味いな」


クオンが呟くと腰に差していた木刀が宙に浮き、煙と共に現れたのは────


「落ち着け、黒丸」


≪落ち着いてられるかー!ク・オ・ン!添い寝ー!洗いっこー!≫


毛が逆立ち憤怒の表情のマルネスが現れた。クオンを睨みつけながら、少し要求をバレない程度に上乗せして口走る。マーナが転けそうになり、掴んだ布は木刀に巻いていた封印の布。それが解けた瞬間にマルネスがここぞとばかりに出てきたのだ


「添い寝も洗いも終わったぞ。ちなみに洗いっこではなく、湯で洗うだ」


≪うるさーい!詐欺だ!横暴だ!陰謀だ!あんなの約束と違う!妾の甘美な夜を返せ!≫


「元の姿でとは約束していない。それに汚れを落とすなら木刀の方が隅々洗い落とせる。まあ、元の姿も凹凸はないが」


≪ムキー!ちょっとは出てるわ!約束のやり直しを要求する!≫


「もうキレイだろ?」


≪ならば添い寝のパワーアップ!お互い裸からのスタートでどうだ!?≫


「・・・」


≪抜くな抜くな!無言で風斬り丸を抜くな!怖いわ!≫


2人のやり取りをレンド達が恐る恐る見てると、それに気付いたマルネスが封印の布を手にしたマーナを見て舌打ちする


≪クオンよ・・・この街を出ないか?お主の目的地はここではあるまい?≫


「ここではないが、一緒に来た連中とすれ違うのもまずい。それに王都までの道も分からんし馬もない。街で稼いで馬を手に入れないと話にならん」


突如話を変えたマルネスを訝しげに見ながら答えると、マルネスは無言で降りてきてマーナとレンドを睨みつける


≪そ奴らから嫌な匂いがする。こんな街などさっさと出て次の街で稼げばよかろう≫


「嫌な匂い?よく分からないが次の街で同じように稼げるかも分からないし、そうする意味もない。この街で路銀を稼ぐのに変更はない・・・まあ、アカネ達が迎えに来ればすぐに旅立つ事にはなるがな」


≪嫌なものは嫌だ≫


「ワガママを言うな」


≪嫌だ≫


「木刀に戻れ」


≪嫌だ≫


「添い寝」


≪い・・・≫


「その姿で添い寝」


≪・・・本当か?≫


「俺が嘘をついた事あるか?」


≪・・・本当に本当だな!?嘘ついたら怒るぞ!≫


「くどい。やめるぞ?」


≪わ、分かった。それとその布は・・・≫


「ダメだ。お前が勝手に人型化すると問題を起こすし、前に約束したろ?そうでなければ・・・」


≪分かった。分かったから!でも、1日1回は・・・≫


「分かっている。1日1回は封印を解く。だから、今は木刀に戻っとけ」


上目遣いで抗議の目線を向けるが、あまり駄々をこねていると念願の添い寝がふいにされる可能性を考え、クオンに向かって飛んで木刀に姿を変える。クオンは受け止めると腰に差す


「あ・・・クオン、これ」


マーナから封印の布を受け取り木刀に巻くと何事も無かったように歩き出すクオン。マーナとレンドは顔を見合わせ、クオンについて歩き出した


色々と聞きたい事があったのだが、上手く聞くことが出来ずに結局そのまま街に着き、ギルドに寄って報酬を受け取ると宿屋に戻って夕食を取り解散となった


マーナとレンドは宿屋の部屋に向かうクオンを見つめ、これから部屋で行われる事を妄想し、2人して同時にため息をつく


クオンに限ってそんな間違いは起こさないだろうと会って数日の18歳の男を信じるが・・・



夜、自室にて布は解かれマルネスが姿を現す。その顔は幼女のクセに大人びた恍惚の表情をしていた


クオンは気にした様子もなく布団に入り、一人分の隙間をつくる。大興奮のマルネスは鼻息荒く手をワキワキさせながらその隙間へと滑り込んだ


≪・・・クオン・・・≫


クオンの耳元で興奮抑えきれず吐息混じりに名前を呟くと、ジリジリとクオンの体に近付く。クオンの胸板にしがみつき、顔を上げると目線が絡み合う


≪・・・あ・・・≫


「添い寝の意味を知らないらしいな」


目があった瞬間にマルネスは額に冷や汗をかき、顔を強ばらせる。そして、思った。『期待してた展開と違う』と


マルネスは脳裏では悶々とし、体は蛇に睨まれた蛙状態で朝まで過ごすことになる────


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