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最強の番犬と黒き魔女  作者: しう
『拒むもの』
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1章 12 決意

上級マゾ君の説明を終え、屋敷の中で遅めの昼食を取っていた


メニューは昼にはやや重たい分厚いステーキにサラダ、それに合わせてワインなども用意されていた


マルネスに興味を持ったエムラとアースリーがマルネスの左右の席に陣取り、デラスは少し不機嫌になる。当の本人も見つめられて食事がしづらく苛立ちを覚えていた


レンドはチラチラとマルネスとエムラを見て、クオンの隣にいるマーナは美味しい昼食に終始笑顔・・・クオンは無言で肉を食し、イーノッドとフォーは食べながら会話していた


「私はもうギフトをどうこうという気力はないのですが・・・エムラとアリーには良い刺激になったみたいですな」


「お恥ずかしい話しですが私もクロフィード様に言われるまで自分のギフトを蔑ろにしていまして・・・」


今回の縁談はいつの間にか無くなっていた


と言うのもマルネスが魔族である事がバレ、フォーが全てを白状したからだった。フォーのギフトが『髪調整』ではなく、『髪操作』であり有用であること。そして、そのギフトは母の形見であり受け継がせたいと思っている事を告げ、イーノッドに詫びたのだ


イーノッドの方も街の収益の譲渡を迫った手前、その事を責めることはせず破談の申し入れを受けた


幸いだったのがフォーとアースリーの事は公表しておらず、破談になったことによりアースリーにいわくがつく等の心配はいらない事


会食が続き、突然アースリーが毛の隙間から手を上げた


「父上・・・今回の縁談は・・・その・・・破棄されたと言う事ですが・・・」


「ああ。双方の為にと言う事でな。アリーにはもう1つ縁談が来ておるのでそちらの方を・・・」


「そう・・・ですか・・・」


≪おい≫


イーノッドとアースリーの親子の会話を聞いていたマルネスが鋭い視線をイーノッドに送る。その視線を受けイーノッドの心拍数は少し上がった


「は、はひぃ」


≪妾の言葉を聞いてなかったのか?子を自らの道具のように扱うのは不快だ。もし押し通すなら・・・≫


「黒丸・・・他人の家の事情に口を挟むな」


≪しかし、クオン・・・≫


「家には家の事情があり、それを知らない俺らが口を挟む問題ではない。口を挟むならその娘が望まないと強い意志を持ってからにしろ。そうでないとその娘は結局他人の意思で行動する事になる」


「自分の・・・意思・・・」


クオンの言葉に毛の奥で何かを思い悩むアースリー。だが、他の者には毛の塊にしか見えない


「か、勘違いめさるな。もう1つの縁談はとある子爵家からの申し出で決して悪い・・・いや、良縁と考えておる。我が家とも交流があり、今も妻とエムラの妻がその子爵家にお招き預かり伺っているところだ」


≪カカッ・・・良縁とな?それは誰にとってのだ?家か?お主か?≫


「娘の・・・アリーにとってのです!」


≪ほう・・・ならば知っておるか?この娘が初めて我らの前に現れた時と妾がゴーレムを出した時の感情の起伏を。前者の時は何も無い・・・ただそこにおるだけ。夫となるやもしれん男の前に現れてそこにおるだけだった。方やゴーレムを見た時、髪の毛の奥から感じる情熱は凄まじく、感情の昂りは天にも昇るほど・・・それをお主は気付き、知っておったか?≫


「・・・」


≪子の未来を親が決める・・・しきたりだか何だか知らぬが、それをさも子の幸せと言うのはどうなのだ?良縁?改めて聞くが、一体誰にとっての良縁だ?≫


「・・・それは・・・」


「父上!・・・ワタシは・・・私は父上から受け継いだギフトを極めたいです!・・・ずっと・・・これまでずっと思ってました・・・このギフトであんな事やこんな事・・・ぐふっ・・・失礼しました・・・とにかく、ワタシはこのギフトをもっともっと活用したいのです」


途中本性を垣間見せながらも必死に訴えるアースリー。初めて聞く娘の本心にイーノッドは腕を組み唸り声をあげる


≪娘の為とほざいておきながら、おかしな話しよのう。私利私欲の為と言い換えたらどうだ?≫


「よせ、黒丸」


≪なんだ?この娘は強い意志を持って・・・いや、そうだな。後は当人達の問題か・・・≫


イーノッドの顔を見てマルネスは微笑み、呟いた。アースリーの顔を真剣な表情で見つめ、娘の言葉を真摯に受け止めていると思えたからだ


昼食の後、クオン達はサロンでくつろぎ、イーノッドとアースリーの話し合いの結果を待った


「どっちにしろダルシン卿の所には嫁に来ないだろう?帰ってもいいのでは無いか?」


「アースリー嬢が先程、話が決するまで残って欲しいと言っていましたので・・・まあ、今日は一泊する予定でしたし、ゆっくりとしましょう」


「ふむ・・・そうか」


デラスはマルネスが木刀になってしまい、ステラも屋敷の外にいる為手持ち無沙汰になりセガスに帰りたがる。早く帰ってギフトの研鑽に努めたい一心であった。残念そうに肩を落とし、木刀のマルネスを見つめる


木刀への視線を感じつつもクオンはレンドとマーナに魔力の講義中


「じゃあ、シントとディートグリスでは魔素の濃度が違うのですか?」


「全然違う。数値化するとシント10に対してディートグリスは1だな」


「少なっ!なんでそんなに差があるの?」


「伝承通りなら魔の世と人の世の距離らしいが・・・」


魔素が濃いければ濃いほど魔力の回復は早まる。逆を言えば魔素が薄ければ魔力の回復は遅くなる


「シント・・・そこだとクロフィード様も常に人型でいられる?」


「どうだろうな?魔族は人と違って動いただけで魔力を消費するらしいから、シントでも追いつかないかも知れない。黒丸がこちらに来てから約3年・・・シントの時でも魔力切れは起こしていたしな」


マルネスが神扉を破って3年・・・思えば長いようで短かったと老け顔の18歳は自嘲気味に笑う


レンドとマーナはその3年間をクオンとマルネスと共に過ごせなかった事を悔やみ、これからの事で決心した


「クオン・・・私もついて行っていい?」


「僕も・・・クオンさんとクロフィード様について行きたい」


「・・・宿屋はどうする?」


会った当初・・・と言っても一週間ほど前だが、2人は両親の経営する宿屋の為に冒険者をしていた。それは両親を助ける為と将来自分らが継ぐ事になるであろう宿屋の為


「まだ親父達も若いし・・・大丈夫です」


「最終的にレンドか私が継ぐと思う・・・でも、今は・・・」


「それもある・・・が、俺の言ってるのは死ぬかも知れないって事だ。街で身の丈に合った依頼を受け、宿屋に貢献する日々と違い、俺と共に来れば死の危険性が付きまとう。魔族である黒丸は何かと敵を惹き寄せる・・・1週間で嫌という程味わっただろ?」


女王アントから始まりAランク冒険者のエリオットにトドメがウォータードラゴンと普通の人生を送っていればどれか1つでも相対してしまったら運が悪かったとなる敵ばかり・・・それらに数日共に過ごしただけなのに遭遇してしまうのは運の悪さだけではないと知り妙に納得してしまう


≪ちょーと待て!異議ありだ!妾は惹き寄せてなどおらん!そもそも惹き寄せてるのはクオンだろうて!神扉前でも!そこから出ても!有象無象がワラワラとクオンに寄ってきておっただろうが!≫


「あー確かに変なのが寄ってくるな」


≪むきー!妾を見て言うな!妾は惹き寄せられてなど・・・うん?いるのか?≫


木刀になっていたマルネスが自分のせいにされている事に腹を立て思わず出て来てしまう。抗議をするマルネスの話を聞いてレンドは思った。マルネスの言う通りどちらかと言うとクオンの方が惹き寄せているのではないかと・・・女王アントは当然の事、エリオットやウォータードラゴンも・・・


「そう言えばステラって真っ先にクオンさんに食いつきましたよね?」


「確かにそうよね・・・やっぱりクオンが?」


≪そうだ、その通りだ!神扉の前に居た時なぞひっきりなしにクオンの前に来ておったぞ!エンシェントドラゴンやら我ら魔族やら・・・他の者が守っている時はそんな事ないのにのう≫


「・・・もしかして、本当に俺が原因?」


≪無自覚か!魔物や魔族にとってクオンは相当なご馳走に見えると何度も言うてるだろう!≫


「なんだ?お前は俺を食う気か?」


≪食わんわ!・・・どちらかと言うと食われたいと言うかなんと言うか・・・≫


顔を赤らめクネクネしているマルネスは放っておき、再度レンドとマーナに共に来たいか尋ねると2人は共に行きたいと即答した


マルネスが出現してからじわりじわりとクオン達の傍に寄って来ていたデラスが「ワシもワシも」と便乗して名乗りをあげる。結局意外と使える爺さんって事で渋々了承し、3人はしばらくクオン達と共に行動する事となった


「その中に・・・ワタシも入れて下さい!」


3人が行動を共に出来ると安堵していた時、突如サロンのドアが開かれ少女が叫んだ。一瞬全員の頭の上に?が浮かぶが、声と後ろで束ねた長い髪を見てアースリーだと気付く


クリクリ(まなこ)に小さめの鼻と口、笑うと八重歯が光る15歳のアースリーは目をキラキラさせ、まるで少女が友達を遊びにでも誘うような笑顔だった


≪なんだ・・・毛で外界を断ち切っておったか≫


毛むくじゃらな時との変わりようにマルネスが呟く。毛むくじゃらの時は表情は見えなかったが、雰囲気は暗かった。今はそんな気配は微塵も感じさせないくらい明るい


「・・・分かりません。でも、ギフトが発現した時から・・・このギフトで創りたいと思ったものがあります・・・でも、どうしても出来なくて・・・このままどこかに嫁いだら・・・もう一生創れないままになってしまうと考えたら・・・顔を表に出せなくなっていました」


≪ほう・・・して、何が創りたいのだ?妾のようなゴーレムか?≫


「いえ・・・ムキムキマッチョメンです」


≪なに?・・・ムキムキ・・・?≫


「ムキムキマッチョメン!ありえないほど隆起した筋肉!逆三角形を見事に体現し、ワタシを片手で持ち上げて肩に乗せ、数多の魔物を蹴散らして最後に微笑むんです!『やあ、ハニー、怪我はないかい?』って!ゴーレムなんてゴツゴツのと一緒にしないで下さい!」


≪お、おう≫


「解いてはいけない封印を解いてしまったようだな・・・頑張れよ、黒丸」


≪え?何を頑張る・・・≫


「マルネス先生!どうかムキムキマッチョメンを創る為の御教授を!」


アースリーはマルネスの足に縋り付き、懇願する。縋り付かれたマルネスはもちろん、全員が呆気に取られていると、後から入って来たイーノッドがハンカチで汗を拭いながら状況を説明した


どうやら小さい頃から筋肉質の身体に並々ならぬ興味があり、イーノッドのブヨブヨした身体を見るのも嫌だったようだ。部屋に引き籠もり、夜な夜なギフトを使用しては理想の身体を創ろうとするが所詮は土人形・・・納得出来るものが創れずにいた所に現れたのがマルネスだった。マルネスのゴーレムは筋肉質とは言い難いが、土人形より遥かに可能性を秘めた造形をしており、この方に指示を仰げば・・・と考えたらしい


≪き、筋肉か・・・ゴーレムでそれはさすがに無理なのだが・・・≫


「ワタシも人間を創れるとは思っていません・・・ただ見た目だけではなく強さを兼ね備えたムキムキマッチョメンを・・・」


「石で筋肉の形を創ってもゴツゴツだぞ?」


「甘いです!細目の人!ワタシはマルネス先生のゴーレムを見て思いました・・・中身を・・・骨を石にして、外を土にすれば人間に近いムキムキマッチョゴーレムが創れるはずです!」


≪クオンを細目の人言うな・・・しかし、そうだのう・・・ただ関節などの部分やら考えると恐ろしい程の起動式を刻まねばならん。例えば腕を曲げるだけでもいくつもの起動式が必要になる。正直な話、一体創るのに数年かかるぞ?≫


「数年!そんなもので!?全然大丈夫です!むしろ数十年と言われると思ってましたので!是非・・・是非御教授下さい!」


≪え?完成するまで付きまとう気か?≫


「いえ・・・1人でも創れる段階までで結構です!後は篭って1人で・・・ぐふっ・・・あーなんて名前にしようか・・・マッチョメン・・・はそのまま過ぎるから、ムチョメ?・・・いでよムチョメ!・・・いいかも・・・」


妄想世界に入り込んだアースリー。ヨダレを垂らしながらブツブツ言っている横でイーノッドが何度もクオン達に頭を下げていた


こうしてなんだかんだでアースリーがクオン達と共にセガスに行く事が決まった────



ディートグリスとバースヘイム王国の境にある国境の町ウェント


国境警備隊がバースヘイムから来る者達を監視していた。国を越える場合は国から発行される渡航許可書が必要になり、渡航許可書を持たない者を入国させないように見張っている


基本は渡航許可書を確認して通すだけの仕事なのだが、時折渡航許可書を持たずにディートグリスに入国しようとする者がいる為、その者を止める役割が主な仕事となる


天気のいい昼下がり、門番のナラシトが欠伸を手で隠して国境の門の前で立っていると遠くから1人のローブ姿の人物が歩いてくるのが目に入る。背中にはそのローブ姿の人物と同じくらいの長剣を背負い、フラフラとナラシトの所に近付いてくる


「ナラシト・・・あれ商人か?」


「違うだろ。荷物は何も持ってないぞ?」


ナラシトと共に門番をしているタキラもローブ姿の人物を見つけてナラシトに確認する


国境を越えるのは商人が多く、次に要人。旅人は滅多に来ない為2人は警戒心を強めた


「止まれ!渡航許可書の提示を」


ナラシトが言うとフラフラ歩いていたローブ姿の人物はピタリと止まり長剣の柄を握った


「!貴様!」


ナラシトとタキラはすぐに持っていた槍を構えるが、ローブ姿の人物は頭に被せられたフードを取り片手を振って敵意が無いことを示す


「違う違う~見てよこれ~。中間のバンドが切れちゃって剣先しか剣留めに収まってないの~。ほらほら~」


ローブ姿の人物がフードを取ると中からうら若き少女の顔が現れた。タレ目のホンワカした雰囲気の少女はくるりと身体を回転させ背中の中心にあるはずのバンドがなく、剣先だけが鞘に収まっていた


「なっ・・・それでどうやって・・・」


「うん、剣先だけだから剣が倒れそうになるのを必死でバランス取りながら歩いてきたの~。止まれって言うから止まったら剣が倒れそうになったから柄を握ったの~」


フラフラと歩いていた事と長剣の柄を握った原因が分かり、相手が若くて可愛い少女という事もあり2人は警戒心を解いた。だが、さすがに剣を握ったまま話す事は出来ず地面に置くかどこかに立てかけるかしてくれと頼むと少女は剣を地面に突き刺した


「ふぅ・・・あんまり焦らせないでくれ。で、渡航許可書は?」


「はーい・・・・・・あれ?・・・あれれれれ?」


少女が身体中を触り渡航許可書を探すが見つからず、ローブを開いて胸の谷間なども確認し始めた為、2人は顔を赤らめ視線を逸らす。しばらくガサゴソと探していたが、結局見つからずに顔を青ざめさせた


「ない・・・なーい・・・無くしちゃった~」


「・・・なければ通す訳にはいかないんだ。バースヘイムの子かな?冒険者ならギルドで発行出来るから貰っておいで」


顔を見て年端のいかない子供だと判断したナラシトは優しく説明するが、少女は目を潤ませ上目遣いでナラシト達を見た


「また戻るの~?疲れちゃった~・・・バースヘイムは顔パスだったよ~?」


「バースヘイムは顔パス?ではバースヘイムの子ではないのか?」


「違うよ~。その更に東のシントから来たんだよ~」


「なっ!?シントだと!・・・ちょっ、ちょっと待ってなさい!」


ナラシトが慌てて勝手口から反対側に向かった。反対側はディートグリスからバースヘイムに赴く人を監視するバースヘイムの国境警備隊がおり、渡航許可書の確認を行っている


領土的には反対なのだが、出て行く人より訪れる人の監視をするよう定められている為、互いに他国の領土にて監視を行っていた


戻って来たナラシトはバースヘイムの国境警備隊のゲラムを伴っており、その者は少女を見て青ざめながら叫んだ


「ジュ、ジュウベエ様!なぜこちらに!?」


「あ~良かった~ボクを知ってる人が居て~」


「ディートグリス王国にどのようなご用事で?私達は何も聞かされてないのですが・・・」


「なんでボクがお出かけするのに君らの許可を取る必要があるんだい?どうでもいいからココを通れるようにしてくれないかな~」


「あ・・・いえ・・・その・・・」


ゲラムは冷や汗を垂らし、身体を震わす。それを見てナラシトとタキラはゲラムとジュウベエと呼ばれた少女を交互に見る事しかできなかった


「ん~押し通る?」


「お、お待ち下さい!・・・ディートグリスの!身元は保証するので、どうか通してはもらえないだろうか?」


「身元を保証って・・・渡航許可書の有無は絶対って決まりがあるでしょうに。要人の方ですら身分証を提示して頂いてるんだ・・・勝手は出来な・・・」


「ナラシト!!」


ゲラムからの頼みを断っている最中、ナラシトはその生涯を閉じた。ジュウベエが地面に突き刺した長剣を横に払いナラシトの首を落としたのが原因


目の前で起こった事が理解出来ずに相棒の名を叫んだ後、ジュウベエの「うるさいな~」と言う言葉がタキラが聞いた最後の言葉となる


「ああ・・・」


ゲラムが手で顔を抑え項垂れているとジュウベエが笑みを浮かべて近寄ってくる。身体は更に震え、指の隙間からジュウベエの姿を窺う


「開けて?」


既に後戻りは出来ない状況にあり、ゲラムは素直に頷くと国境の門を開けた。これからゲラムには自国の国境警備隊の隊長への報告とディートグリスへの対応で追われることになる。下手をすれば3ヵ国を巻き込んだ戦争になりかねない事態にゲラムは吐き気すら感じていた


開いた門を意気揚々と通り抜け、反対側にいたバースヘイムの警備兵に挨拶し歩き去っていく。事態の飲み込めなかった警備兵はディートグリスの警備兵2人の死体と項垂れているゲラム、そして通ったのがあのジュウベエである事でおおよその見当がついた


たまたま当番でたまたまディートグリスの警備兵に呼ばれた不運なゲラムにかける言葉はその時は思い浮かばず、ただただ自分が呼ばれなかった幸運を神に感謝するのであった────





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