4章 エピローグ
暴走したマルネスがモリトの必死の説得により平静を取り戻した後、最後にシンから聞いた言葉
ファストは無抵抗の人を殺すつもりはなかった
抵抗・・・要は攻めて来る魔獣に対して戦いの意志を示した場合のみ魔獣は人を攻撃する
しかし、ファストにとって想定外の出来事があったという
それはサドニア帝国の大虐殺
無抵抗の人々を魔獣が喰らい、次々と命を奪う行為はファストの意図するところではなかったのだ
更に魔獣同士が争いを始めた事も・・・
ファストが誰かの手により意図しない方向に進んでしまった事を後悔していたとシンは語った
また、核を増やす為に魔族と人を交配させ、産まれた赤ん坊から核を抜き去った件もマルネスには語っていた事と違っていた
交配させていたのは事実・・・しかし、核を失った子が死なぬようにシント国の東にある森、グラムートの森の奥地に人である母、もしくは父と一緒に送り返し、生活させていた
それにはシンも協力して食事などを世話していたが、クオン達には秘密にしろと言われており、伝える事が出来なかったという
産ませるという行為自体が非人道的だったのだが、魔族であるファストにはそれが理解出来ておらず、殺さなければ良いという認識だった
森には事前に繁殖能力の高いゴブリンとスポイトマンティスを配置し、周囲の魔素を吸収させていた。更に魔素により体調を崩したとしても、スポイトマンティスにより魔素を吸い尽くすという2段構え・・・奇しくもクオン達が魔物掃討作戦で一掃しようとしていたゴブリンやスポイトマンティスのお陰で生き長らえていたのである
その話を聞いたマルネスは安堵すると同時にファストの思いに複雑な心境となる
今の話をクオンにするべきか否か・・・悩みながらも思わず呟いた
《・・・不器用な奴だ・・・》
カーラの扉により一瞬でシントに戻って来たクオン達
原初の八魔であるベリスとシーフをケルベロス家の屋敷に押し込み、シャンドとカーラ、そして、チリを連れ立ってクオンはある場所へと向かった
《主・・・ここは?》
「墓地ってところだ。亡くなった人を埋葬する場所」
《なるほど・・・亡くなってからも土に埋め責め苦を与え続けるとは・・・流石です》
《バカね。遺体を後日使えるように保存する場所よ》
「カーラ、正解」
「おい」
そんな会話をしながら奥に進み、チリはアンズが心配と牢屋という名の研究所へと足早に消えて行った
しばらく歩くと2つの人影があり、クオン達に気付くと近寄って来る
ゼンとシズクだ
「いつ戻ったんだ?」
「今さっきだ・・・どうやら無事だったようだな」
「無事じゃねえよ・・・てめえの従者には感謝してる。で、こんな場所に何の用だ?」
「無事に帰って来た報告を・・・な」
クオンはチラリとゼンの後ろにある墓を見ながら言った。ウォースイ家の墓・・・レイナの眠る墓を見ながら
「はっ、随分と殊勝な心がけだな・・・帰って来て真っ先に報告か」
「お前は?」
「俺も報告は報告だ・・・てめえとは違うがな」
「・・・子供か?」
「!?・・・てめえ誰から・・・」
「正解か。楽しみだな」
「ぐっ・・・当てずっぽうかよ・・・そうだ!俺は父になり、夫になり・・・王になる!てめえより先にな!」
「・・・俺はこの先も王にはならんよ・・・」
「けっ!・・・なんだ?」
ゼンが立ち去ろうとするとその前をシャンドが塞ぐ。立ち止まり見上げるとシャンドはニッコリと笑った
《貸したもの・・・返してもらいましょうか》
シャンドが胸を貫こうとすると、咄嗟に飛び退き何とか躱す
「てめえ何しやがる!!」
《何しやがるも何も・・・『再生』の核は差し上げた訳ではありませんよ?それともこの国の王になる方は借りたものを返す事も出来ない盗人ですか?》
「あっ・・・いや、返すがいきなり来られたら・・・それに胸を貫かないと取れないのか?」
《ええ。なので大人しく貫かれて下さい》
シャンドの爪が伸び、カチカチと音を鳴らす。その爪の先の鋭さを見て、ゼンが喉を鳴らすと背後からため息をついてクオンが声を上げた
「カーラ・・・開いてやれ」
《はっ》
クオンの命令に短く返事をし頷くとシャンドを押し退けゼンの前に立つ。そして、指先で胸の前をなぞると胸は開かれ2つの核が露となった
「う・・・わ・・・」
《ほら、はやく取りなさいよ》
《はて?どちらでしょうか・・・面倒なので2つまとめて頂いておきましょうか?》
「し、死んでしまうわ!」
《ふむ・・・困りましたね》
「シャンド、2つ抜いてどちらかを閉じた胸に押し当てろ・・・自分の器は決して自分を傷付けない。って、お前それくらい知ってるだろ?」
《そうでした。では・・・》
シャンドがとぼけた様子で答え核を2つ抜くと、カーラが胸に開けた扉を閉めた後に1つの核を押し当てる。すると核は抵抗なくするりと胸の中に入っていった
「生きた心地しねえな・・・てめえの従者に器を握られるのは」
「そんなに俺が極悪人に見えるか?やるならもっと上手くやる」
「極悪人じゃねえか!・・・もういい!俺はてめえと違って忙しいんだ!シズク、行くぞ」
ゼンはシズクの手を握り、足早にこの場を去ろうとする
「ゼン!シズク!・・・おめでとう」
「・・・けっ」
悪態をつくゼンの顔をシズクが覗き込み、クスリと笑う
「嬉しそうね?ゼン」
「はあ?嬉しくねえし!」
意地を張るゼンを前にシズクは再び笑うとクオンに振り向き会釈してそのまま墓地を去って行った
「・・・母になると変わるもんだな」
久しぶりに見たシズクの柔らかな表情に独りつぶやき、2人を見送ると、レイナの墓前で無事帰還した事を報告した──────
次にクオンが訪れたのはバイアンの武器屋
クオン自身がワームリングを返す約束を果たす為である
魔獣襲撃により武具が飛ぶように売れてホクホク顔のバイアンはクオンの出現に更に顔を綻ばせる
「大した奴だよ・・・お前さんは」
「そっちこそ大した売れ行きじゃないか・・・在庫処分セールでもしたか?」
「まあな・・・って!お前は!!」
バイアンは品揃えの寂しい状況に苦笑しているとクオンの後ろにいたシャンドに気付いて目くじらを立てる。ツカツカと近寄って行き執事服の胸ぐらを掴むと持ち上げようとする・・・が、持ち上がらない
「て、てめえどんな身体してんだ!?・・・いや、そうじゃねえ・・・『鬼包丁』はどうした!?」
《さて?何のことでしょうか?》
「と、とぼけんな!いきなり現れて持って行ったじゃねえか!」
《?・・・ああ、確か主に言われて・・・そう言えばどこに・・・》
「お、おい!ふざけんなよ!?アレは俺の・・・」
「待て、バイアン。鬼包丁を渡した相手は分かってる。とりあえず落ち着け」
「これが落ち着いてられるか!ってか、そもそも鬼包丁を使いこなせる奴なんてそうそういねえ・・・誰に渡したって言うんだよ?」
「クゼン・クローム・・・ワームリングに付与した男だ」
「へえ、ワームリングにねぇ・・・って、嘘だろおい!?」
魔力を流しリングに通すと物体をもう一方のリングに送ることが出来るワームリング。便利な道具であるために複製を試みようとしたが出来なかったその道具の付与者が未だに存在することに驚きを隠せなかった
「本当だ。使いこなしたかどうか知らないが、強さは折り紙付きだ」
「そ、そりゃあそうだろうよ・・・当時の剣聖様と渡り合ったって言うんだから・・・でも、まさかまだ生きているなんて・・・」
「殺されてなきゃ生きてるさ。魔族だしな」
「マジかよ・・・」
絶句するバイアンに頷くクオン。しばらくとんでもないことを聞いたと目を泳がすバイアンだったが、思い出したように首を振った
「いやいや、だとしてもだ!見ず知らず・・・いや、知らねえわけじゃねえが、そのクゼンさん?に譲るつもりはねえからな?俺はお前に・・・」
「話は変わるがバイアンに頼みたい事がある」
「おう!って変えるな!俺の魂を込めた・・・」
「刀を打ってもらいたい。俺用の・・・神刀・・・いや、神討『絶刀』を超える刀を」
「!・・・お前・・・」
「ケルベロス家に受け継がれてきた刀・・・天族から魔族を守るケルベロス家が神の刀?違うな・・・神とは天・・・そして、その神を討つ為に作られたのが神討『絶刀』」
「・・・」
「この刀に不満がある訳じゃない・・・だけど、この先この刀じゃ通じない敵に当たる可能性がないとも限らない・・・だから稀代の刀打ち・・・バイアンに俺の刀を打ってもらいたい」
「まさか知っていたとはな・・・罰当たりだから隠語として神討を神刀と伝えて誤魔化してきた・・・神を討つなんて冗談でも口にしちゃならねえ・・・だが、その話を聞いた時は震えたぜ・・・初代はなんちゅうものを作ったんだと・・・俺も真似してえ・・・だけど、世間が許さねえだろうな・・・神に歯向かう為の武器なんてな」
「それで作ったのが『鬼包丁』・・・」
「ああ・・・鬼を斬る為の鬼斬り包丁じゃねえ、鬼が扱う包丁だ・・・俺が認めた奴だけが扱える・・・」
「俺は鬼か・・・で、頼めるのか?」
「・・・悪いが断る・・・つっても本音は受けたい・・・が、無理だ。ワームリングを貸してから、鉱夫に頼んで運んでもらった物で打ってみたが上手くいかねえ・・・腕が錆びついちまったのか分からねえが、どうもしっくりこねえんだ・・・」
「多分それ・・・ワームリングのせいだな」
「あん?ワームリングが?」
「ワームリングの性質知ってるか?これはチリから聞いたんだが・・・」
クオンはチリから聞いたワームリングの性質、『歪な抜け道』の話をした。するとみるみるうちにバイアンの顔色は青ざめる
「くそジジイ・・・そんな説明しやしねえ・・・あぶねえから手を入れるなよとは言っていたけど・・・で、その『歪な抜け道』と俺のスランプがどう関係してるってえんだ?」
「鍛冶の事は分からないが、俺がワームリングを持って行く前と後で変わったのは、ワームリングを通したか通してないかだろ?もしかしたら鉄鉱石をワームリングに通すことで見た目以外の変化があり、それが鍛冶に良い影響をもたらしていた・・・って考えると辻褄が合うだろ?」
「・・・確かに。実際、見た目は同じだが、別物かってくらい打ちにくかった・・・つまりワームリングを通さないと今まで通りに打てないって事か・・・」
「推測だがな。それに俺は同じ鉄鉱石で打ってくれとは言わない。お前の腕で・・・魔素をたっぷり含んだ今まで誰も打ったことのない素材で打ってほしい」
「それってお前・・・」
「ああ、魔の世の鉄鉱石だ──────」
クオンが最後に訪れたのはシンのいる城内の執務室。シャンドとカーラを表に待たせ、クオンとシンの二人っきりとなった
「まずは無事で何より。君には何かと苦労を掛けるね」
「そう思うなら少しは休ませてもらいたいですね・・・殿?」
「もうその呼び名で呼ばれなくなると寂しいものだな」
「ならもう少し続けられては?惜しむ声もあるでしょうに」
「そうも言ってられないさ。守るべき国を放置して他国に行くなど君主あるまじき行為・・・弾劾されてもおかしくない状況で、自ら辞める機会をもらえているんだ・・・感謝しているくらいだよ」
「誰も殿が居ないことに気付いてないだけだと思いますがね」
「それはそれで悲しい・・・」
突如ゼンに跡目を譲り隠居すると宣言し、家臣たちは自国や他国への対応で大慌て。せっかく魔獣の危機が去ったにも関わらずの働きっぷりを見せていた
「譲るにしてももう少し落ち着いてからで良かったのでは?」
「鉄は熱いうちに打て・・・さ。この混乱の最中でなければ上手くいくものもいかなくなる。慰留なんかされては困ってしまう。ゼンの結婚、魔獣の撃退が良いきっかけとなった・・・妊娠は余計だったけどね」
「余計・・・ですか?」
「・・・語弊があったね・・・妊娠自体は喜ばしいことさ。ただ婚前交渉をあまり推奨していない身としてはね・・・国の長が破ってちゃ説得力に欠けると思ってね」
「なぜ婚前交渉を推奨しないのです?」
「・・・君はこの言葉を知っているかい?『兵の死は誉れ、民の死は嘆き、王の死は終焉』という言葉を」
「初代国王が遺した言葉・・・でしたっけ?」
「そう初代国王が遺した言葉・・・だが、時が経ち曲解されたまま伝えられて言葉でもある」
「曲解?」
「正確には改変され、それで間違った解釈を生んでしまった・・・かな?本来は『兵は死を誉れ、民は死で嘆く、王の死で終焉を』だ。これはある国の出来事を悲しみ、お節介にも他国の民の為に立ち上がった時の句さ。無計画に人口が増え、飢饉に見舞われた時に口減らしをしているという噂を聞いた。それだけならまだ遠い新設の国が口出しするべき問題ではないのかも知れない。が、調べると許し難い行為が行われていると知った・・・」
「許し難い行為?」
「・・・兵士は食事を取らず餓死する事を誉れとされ、餓死したくなければ人を喰らえと・・・狙うは身寄りのない・・・子供達。・・・身寄りがなければ殺しても非難を浴びる事は少ないと考えたんだろうね・・・。シントは人口が少なく食料も豊富・・・しかし、僅かばかりの食料をその国に届けたとしても焼け石に水・・・根本から絶たねば変わらないと初代国王は跡目を子に譲り自ら出兵した・・・サドニア王国の王を倒す為に」
「サドニア・・・王国?」
「その時までサドニアは王国だった。初代国王がサドニア王国国王を倒し、サドニア帝国初代皇帝を擁立するまで・・・」
「そんな話聞いたことないのですけどね・・・そんな大陸中を揺るがす事変、伝えられない方がおかしい」
「初代国王は英雄になるよりも平和を望んだ・・・君は大国が辺境の小国に救われたという事実があったとしたら、受け入れられると思うかい?捻じ曲げてでもその真実を隠そうとするか肩身の狭い思いしてそれがストレスとなりいずれ爆発するとは思わないかい?」
「感謝の心は忘れ、事実だけが住んでる者に重くのしかかる・・・まあ、面白くはないかも知れないですね・・・だけど、こうも痕跡を綺麗に消せるもんですかね?」
「それはサドニア帝国初代皇帝の手腕だろう。それに我が国も情報統制は取れていた。今では代々の国王に口伝でのみ伝えられる秘中の秘」
「俺、国王じゃないのですが・・・」
「・・・見事に君の話術に引っかかってしまったようだ」
「・・・ほぼ日常会話のレベルで秘中の秘である口伝を漏らすなら引退して正解ですね。元殿」
「元殿はやめてくれ。親しみを込めて『シンさん』と呼んでくれたまえ」
「『軽口シンさん』・・・と」
「足すな足すな」
「で、なんちゃって口伝からシンさんが学んだ教訓は無駄に人口を増やすな?」
「違う・・・身寄りのない子を増やすな、だ。不慮の事故もあろう・・・病気もあろう・・・身寄りのない子を選別するのは愚の骨頂としても、本来子を守るべき親がなるだけ居てくれる確率を上げたかったのだ。婚前交渉をして父親が分からぬ・・・そういった例を少なくしたかった。あと『なんちゃって口伝』言うな」
「相手が一人なら父親はすぐにでも分かりそうだけどな」
「シントが出来て、流浪の民が増えてしまったのだよ。所謂行きずりの相手って奴だな。父親が分かった時にはどこにもおらず、一人で育てるのは厳しい為に子を・・・」
「まるで見て来たような言い草だな?」
「それが口伝の良いところだよ・・・それよりもだいぶ距離感が縮まったような気がするのだが?」
「親しみを込めてだよ・・・シン爺さん」
「なるほど・・・それはうれしい限りだ。あと『爺さん』言うな」
「もうすぐだろ?早くゴタゴタを終わらせないと、義理の娘にどやされるぞ?うるさいってな」
「妊婦は色々と過敏になると言うしね・・・ファーラの時はひどかった・・・忠告感謝しよう」
お互いが微笑み、クオンは話は終わったとばかりに踵を返す。その後ろ姿を見て、シンは思わず呼び止めた
「クオン・・・モリトも待っているぞ?初孫を」
「・・・誰との子だ?」
「誰とだろうな?」
「・・・邪魔したな」
クオンはそのまま部屋を去り、部屋に残されたシンはやっと勝ったとほくそ笑む、そのシンの背後の物陰から気配を消していたモリトが姿を現した
「ふへぇ、気配を禁じているとはいえ、息子に見つからないようにするっていうのは嫌なもんだ・・・変な汗が出たぜ」
「子供の頃にかくれんぼとかしなかったか?」
「してたとしたらなんだ?息子と王の内密な話を聞いてても平気だとでも?」
「特殊な性癖がないと無理だろうね・・・で、感想は?」
「初孫の話か?それとも・・・」
「サドニアの話だよ」
「だろうな。優しい子だ・・・初代国王殿のありがたいお話を聞いたとしても、躊躇するだろうな。下手をすれば飲み込まれる」
「やはりそうなるか・・・恩師の為に単身魔の世に行くような子だ・・・最初から分かっていたが・・・根の部分は変わらないものだね」
「親としては変わって欲しくない部分でもあるが、対サドニアに関して言えばそこを付け入れられる可能性は高い・・・魔の世に行くよりよっぽど心配だよ」
「ふむ・・・やはり私も行かなくてはならないな」
シンは両手を頭の後ろで組んで椅子にもたれかかる。ちょうど背後にいたモリトと目が合うと、モリトは肩をすくめ首を振った
「どうせ最初から行くつもりだったんだろ?昔みたいに王の座を降りてまで」
「そうでもないさ。行かないで済むなら子作りでもしようかと思ってたくらいだ」
「三人目かよ!?しかも産まれた時から叔父叔母って嫌すぎるだろ!ゼンの子も年下の叔父叔母なんて迷惑に決まってる!」
「そういうものか・・・モリトは一緒には行かないか?」
「俺の代わりにクオンが行くみたいなもんだろ?どうせマルネスもついて行くだろうし・・・しっかりと締めてきてくれ・・・サドニアを!なんならぶっ潰してお前がサドニア王国君主を名乗って・・・」
「それだけは勘弁してくれ・・・」
2人はシンがいつの間にか用意したコップに注がれた酒をあおると夜が更けるまで話し込んだ。部屋の外では家臣達が国王引き継ぎの準備に追われ、バタバタと走り回る。ちょうどシン達の部屋の前を通る時に大きくなる足音を酒の酔いでかき消すシン達であった──────




