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婚約破棄から幸せへ  作者: 某某
本編
4/11

結婚は幸せな人生の始まり

今回も本文短いです。すみません。

 結婚式の日が、やってまいりました。純白のドレスに身を包み、私は準備に勤しんでおりました。

 一度は、着る機会がないまま天寿を全うするやもしれないと、危惧していたウェディングドレス。こうして、愛する人との晴れ舞台で、着ることができるなんて、まるで夢のよう。

 ええ、本当に夢のような日々でした。優しい人たちに囲まれ、素敵な旦那様とも出会えて。そしてその日々は、これからも途絶えることなく続いていくのでしょう。

 フレデリカさんに、他使用人の方々。メイク技術はディードリッヒ様と婚約していた際に磨いたため、自分でやりたかったのですが、押し切られてしまい、完全に彼女たち任せになってしまいました。

 今度、何かお礼をしなくては。そう反射的に考えてしまうくらいには、レイダスと同じ思想に染まっていました。

 それを、嫌だとは思いません。むしろ、とてもうれしく思います。これから彼とは、同じものを見て、同じ場所へ行って、同じ人生を送るのです。

 ああ、考えるだけで胸が高鳴り、顔が熱くなります。彼が私を狂おしいほど愛してくれるのと同じくらい、私も彼を狂おしいほど愛しているのです。

 これからも、子供ができたり、孫ができたり・・・・幸せなことはたくさん訪れるでしょう。辛いことだって、きっとたくさんあります。でも、彼と共に人生を歩めるのなら、乗り越えられるはず。

 そう思えるくらい、愛しているのですから!
















 牧師が問います。


「イルミアナ。汝、病める時も、健やかなる時も、この者を愛し、支え、共に歩む事を誓いますか?」


「・・・・はい、誓います」


 私は答えます。また、牧師が問います。


「レイダス。汝、病める時も、健やかなる時も、この者を愛し、支え、共に歩むことを誓いますか?」


「誓います」


 レイダスは答えます。そんな横顔も、すごく綺麗でした。本当に、私には勿体無い人です。でも、それ口にすると、あからさまにこの人は機嫌を悪くするので、胸の内に仕舞っておくとしましょう・・・・あれ?目が笑っていない笑み。もしかして、私が考えていることに気付きました!?


「それでは、誓いのキスを」


「は、はひ・・・・」


 狼狽えて、声が裏返ってしまいました。参列者には、緊張していると思われてしまったようです。微笑ましげな目で、見守られてしまいました。

 途端に、顔が熱くなりました。


「誓いのキスを」


 急かされてしまいました。ああ、恥ずかしい。人前でキスするなど、生まれて初めての経験です。なんなら、ついこの間まで、キスしたこともありませんでした。

 ディードリッヒ様は、私を恋愛対象としてはまったく見ていなかったのです。今思えば、あの人と結婚しても、幸せな家庭を築けたか、微妙なところです。

 心から、レイダスと結ばれてよかったと思えました。


「・・・・別の男のことを考えていますね?」


 ずい、と顔を覗き込まれました。怖いです。こういう動作をとる時、決まって彼は嫉妬しているのです。驚いて、また声が裏返ってしまいました。


「は、はひっ!?ち、違います・・・・ディードリッヒ様ではなく、レイダスと結婚することができるのを、喜んでいたのです・・・・」


「そ、そうですか、よかった・・・・私も、あなたと結婚できることはこの世の何よりも嬉しいことです」


 そういって、レイダスは照れた表情を晒します。私に恋愛小説を読んでいたことをバレてからというもの、レイダスは、小説の中のセリフではなく、自分自身で考え、気持ちを言葉にしてくれているようでした。彼から、私だけに紡がれる言葉。自分が彼の特別なのだと改めて実感できて、温かい気持ちになります。


「キス、しないと。皆さんに変に思われてしまいますよ?」


 流石に至近距離で小声で話し続けるのも見苦しいでしょう。そう思っての、提案だったのですが。

私が誘っていると勘違いしたらしい愛妻家の旦那様は、嬉しそうに笑い、


「うむぅっ!?」


 思いっきり、深いキスを仕掛けてきました。間抜けな声が漏れてしまいました。舌です。舌が入ってきます。こんなこと、ベッドの上でしか、まだ・・・・!ああ、参列者に深々と見られています。恥ずかしい・・・・!

 何を考えているのでしょうか、この旦那様はっ・・・・。


「あなたは私だけのもの。あなたの魅力に気づいた輩が、手を出してこないよう、示しておかなくてはいけません」


「・・・・それならっ」


 仕返しです。彼に自分からキスをしました。滅多に私の方から彼に求めることはしませんが、今日は特別です。こんなにも、優しくて、かっこよくて、綺麗で、素敵な旦那様なのですから、どこかの令嬢に盗られないよう、示しておかなくてはいけません。

 ぽかんとしている最愛の人に、私は言い放ちます。


「旦那様は私だけのものです。誰にも渡さないし、絶対逃がしません!」


 私は、幸せをつかむことができました。




ひとまず大まかな流れはこれにて終わりです。ご拝読ありがとうございました!!

今後は、番外編というか、他視点からの話とかちょびちょび更新します。


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