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【刺客】

 子供達が遊んでいると、地面に大きな影が現れた。子供達が空を見上げると「朱雀だ!」と言った。


 朱雀は子供達の前に降り、中からヘリオスが現れた。子供達は一斉に駆け出し「ヘリオスだ!」とヘリオスに抱きついた。


 子供達の中の1人アマンダが後ろにいる人に気付き「その人だれ?」とヘリオスに聞いた。ヘリオスは「この人はマレス、俺の友達だよ」と言った。アマンダは「へ~マレスの友達かぁ~」と言った。


 するとブースが「お帰り、シスターが待ってるよ」とヘリオスの手を引っ張った。ブースに手を引かれ孤児院の前まで来ると、ブースが「シスター、ヘリオスが、ヘリオスが帰って来たよ~!」と言った。


 ドアが開き中からシスターが駆け寄り「あぁヘリオスお帰り」とヘリオスを抱きしめた。


 ヘリオスは「紹介するよ、こちらが電話で話したマレス」と紹介すると、マレスは「暫くの間お世話になります」と頭をさげた。




 ニックが「ヘリオスは何時までいるの?」と聞いた。ヘリオスが「2日くらいかな」と答えると、ニックは「つまんね~ の」と言った。


 ヘリオスは「でもマレスお兄ちゃんは暫くいるぞ!お兄ちゃんは白虎の人なんだぞ!」と言った。


 するとブースが「お兄ちゃん白虎の人なの?」とマレスに聞いた。マレスは「そうだよ、今は怪我してて乗れないけど」と言った。するとマレスは一気に子供達に囲まれた。


 ニックが「すげ~ 話し聞かせて」と言うと「早く早く」と子供達はマレスの車椅子を押し孤児院の中へと連れて行った。


 マレスは子供達に色々質問され、困った顔をしながらも楽しそうに話していた。そのあと子供達は寝る時間が来るまでマレスの側を離れようとしなかった。


 次の日、子供達相手で疲れたのだろう、ヘリオスとマレスは昼頃になって起きてきた。 シスターが「やっと起きたわね、そろそろお昼にするわよ」と言った。


 ヘリオスが「子供達は?」と聞くと、シスターは「外で遊んでるわ、調度良い! 子供達を呼んで来てくれない?」と言った。ヘリオスは「呼んでくる」と言って外へ出た。


 ヘリオスは子供達に「そろそろ飯だって、準備手伝え~ !」と言った。子供は「はぁ~い」と集まってきた。


 ヘリオスがアマンダとケリーの姿が見当たらない事に気付き、中へ入ろうとするニックの腕をつかみ「ケリーとアマンダ見なかったか?」と聞いた。ニックは「知らない」と言った。


 中に戻りヘリオスは「アマンダとケリーが見当たらないんだけど」とシスターに言った。シスターは「裏山に花でもつみに行ったのかしら? 熊が出るから子供だけで行ってはいけないって言ってあるんだけど……」と言った。ヘリオスは「ちょっと探してくる!」と飛び出して行った。


 ヘリオスが裏山へ行くと熊が倒れているのが見えた。熊は氷りに覆われていた。近付いて見ると、氷の薔薇が刺さっている。


 ヘリオスは「誰がこんなこと、可哀想に、かなりの能力者が近くにいるのか?」と思い、ヘリオスは先を急いだ。


 『ケリー、アマンダ、無事でいてくれ!』と祈りながら花畑に着くと、ケリーとアマンダ、それともう1人誰かが側にいるのが見える。


 ヘリオスは「ケリー! アマンダ!」と声を掛けた。するとケリーがヘリオスの方へ走って来て「大っきい熊が出たの、怖かったんだよ、でもね、あのお姉ちゃんが助けてくれたの」と言った。


 ヘリオスは「あれが熊を殺った能力者?」と思いながらケリーの手を引いて、その女性の方へ歩いた。


 女性に「ケリーを助けて頂いて」とヘリオスが言うと、アマンダが「お姉ちゃんは、セレネって言うんだよ」と言った。


 ケリーが「お姉ちゃんとお花つんでたの」と言うと、セレネは「私も故郷で、これくらいの子供達とよく遊んでいたので」と言った。


 ヘリオスは「悪い人ではなさそうだな」と思い「途中で熊が死んでいたけど、あれは貴女が?」と聞くと、セレネは「あぁ、氷の薔薇が溶ければ元通り動ける様になりますよ、あれで暫くは怖がって人里に近づかないと良いけど」と答えた。


 ヘリオスは「この辺では見かけないけど……」と言うと、セレネは「私は遠い所から来ました、私の故郷ニヴルヘイムは1年中光も無く氷で覆われていて…… 故郷の子供達にも、こんな綺麗なところで遊ばせてあげたらなぁ……」と言ったその目は遠くを見ていた。


 ヘリオスは「遠いところって……?」と言うと、セレネは「少し話し過ぎましたね……」と言って、ケリー達に「お姉ちゃん、このお兄ちゃんと大事な話しがあるから、あなた達はそろそろ帰りなさい」と言った。そして氷の薔薇を出すとケリーとアマンダに手渡した。


 ケリーとアマンダは花で作った冠をセレネとヘリオスに被せると、セレネに「お姉ちゃん大好き」と言った。ヘリオスには「お姉ちゃんと仲良くしてね」と言った。


 ヘリオスは「忘れてた、も~ みんなご飯食べてるぞ」と言った。セレネが「気を付けて帰るのよ」と言うと、ケリーは「お姉ちゃんまたね~」と言ってバイバイした。


 アマンダは何を思ったかヘリオスに駆け寄ると、ヘリオスの手を取りセレネの手に重ねて「あとは若い人だけで」と笑った。ヘリオスが「このませガキが!」と言うと、ケリーとアマンダは笑いながら走って行った。


 その時、ヘリオスの脳裏に連れ去られる子供達とセレネに似た女性の姿が浮かんだ。それは、今まで見たことのない氷の景色とヘリオスの知らない子供達だった。


 セレネがサッと手を引いた。ヘリオスは「あなたは何処の国から…… 子供達が人質に? あの貴女にそっくりな女性は?」と言った。


 セレネは「なんで妹と子供達の事を貴方が……」と言って「私の国は火星にあります、貴方を倒す為に来ました。」と言った。


 ヘリオスは「俺は貴女とは戦いたくない!」と言うと、セレネは「お願いです、私と戦ってください、でないと妹のルナと子供達の命が……」と言って氷の剣を出した。


 セレネは剣を前に構えると、目を閉じたままヘリオスに突っ込んで行った。ヘリオスは、それを避けるとセレネの後ろに回り込み、羽交い締めにした。


 ヘリオスは「何故能力を使わない、貴女ほどの能力者なら……」その時、セレネの意識がヘリオスに流れ込む「貴女は最初から死ぬつもりで……」


 するとセレネは「奴らの監視がついています、このまま私を殺して……」と言ったその時だった。ヘリオスとセレネの頭の中に、さっきとは違うビジョンが……


 それは病院の手術室の前で、手紙を読む晴夏の姿、手術室でいまにも息を引き取りそうな久野の姿だった。セレネに晴夏の、ヘリオスに久野の意識が、どっと押し寄せて来る。


 2人の心に「来世で必ず見つけてみせる!」という思いが強く込み上げてきた。ヘリオスは「光智さん……」セレネは「久野さん……」と言って2人はハッとした。ヘリオスの手が緩んだ隙に、セレネは飛び退いた。


 ヘリオスは「いまのは……」セレネは「なんだったの?」と言い2人は見つめあった。 そこへ遠くからブース達の声がした。


 ブースはヘリオスの前まで来ると「シスターがケリーを助けてもらった御礼に食事をご馳走したいから連れて来いって」と言った。ケリーが「お姉ちゃんは?」とヘリオスに聞いた。


 ヘリオスが呆然とした様子で、いままでセレネのいた方を振り返ると、セレネの姿はそこには無かった。ヘリオスは「あぁ、お姉ちゃん帰ったみたいだ……」と言った。


 孤児院へ戻ったヘリオスに、ニックは「なんかヘリオス変だよ」と言った。マレスも「熱でもあるんじゃないか?」とヘリオスを心配した。ヘリオスは「ブース、俺の分も食べていいぞ」と言うと部屋にこもってしまった。


 ヘリオスは『あのビジョンは何だったんだ? あれは俺の前世なのか? だとすれば俺は久野と言う人で、彼女が光智さんと言う人……』


 『2人はどんな関係だったんだ? 来世で彼女を見つけたって事なのか? 見つけたところで彼女は敵だぞ、俺にどうしろって言うんだ……』等と考えているうちに、いつの間にかヘリオスは寝てしまった。


 ヘリオスは、夢で前世の全てを思いだす、いつの間にか晴夏を愛してしまっていた事も……



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