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【隠された真実】

 応接室を飛び出した慶福は、八咫烏の本部にいた。部屋のドアを開けると大きな空間が広がり、左手の壁には大型モニターが設置され、その正面には4段階に1番上の段に椅子が1つ、それを頂点にピラミッド状に椅子が10脚設けてあり、そこには10人の幹部が座ってがいた。


 慶福は中央まで進むと「お待たせして申し訳ありません」と頭を下げた。


 上段から2段目右の幹部が「まずは光智失踪の認識が遅れた件に関しての報告と申し開きがあるなら聞こう、その上で君に対する処分を……」と言いかけた時、2段目左の幹部が口を開き「それよりも慶福には光智失踪の件での対応に動いてもらう方が先ではありませんかな」と言った。


 2段目右の幹部が「光智失踪の件に関しては、ここで原因を究明すべきでは?」と言うと、1番上の段の頭首が「私も一刻も早く利休の転生者を確保することが最優先と考えますが、異論はありますか?」と言うと……場に静けさが走った。


 場が沈黙したことを確認し、更に頭首が続ける「フリーメイソンから最悪の事態に陥ったとの警告がありました」と言った。


 慶福が「最悪の事態とはいったい……!」と言うと、幹部に「静かに! 党首が話しておられる間は発言を慎むように!」と制された。


 すると党首は静かに「これまで上層部でも限られた、わずかな者にしか知らされず、極秘とされてきた事ですが、トリニティは現在3つ存在することが解っています。現在行方の解らないトリニティが、我らの敵となる者が手にした時のことを考え、長きに渡りそれに対抗する手段を探して来ました」と話しを続けた。


 それから更に「我々はそれが月にあることを突き止め、アポロ11号の宇宙飛行士をフリーメイソンから選出し、トリニティの回収を極秘裏に行ないました。その時2つのトリニティを手に入れた我々は、残る1つを探し出し磐石な体制にしたいと考えて来ました。その2つの聖杯を昨夜、テンプル協会から奴等に盗まれてしまった。今現在、フリーメイソンがトリニティ奪還に向け全力を尽くしています。もし今、残るトリニティも奴等の手に落ちたとしたら、我々に残る対抗手段は無いと考えてほしい。トリニティ奪還はフリーメイソンのメンバーに任せ、我々は残る1つのトリニティを探すことに全力を尽くさなければならない。その為には、利休の転生者を確保を最優先に動いて欲しい」と言った。


 慶福が「しかし利休の転生者である光智は、すでに奴等に拉致されているかと」と言った。すると2段目右の幹部が「発言は許されてから……」それを頭首が「ゴホン」と咳で制し「これもまた上層部でも限られた者しか知らないのだが、我々はあの時点で信長の転生者は探せたものの、利休の転生者を探しきれていなかった」と話しを続けた。


 頭首は「焦っていた我々は、八咫烏内部に送りこまれたスパイを利用しようと考え、光智を影武者に選び利休の転生者として偽の情報を流した。現在は、利休の転生者の目星もついている。この事を知っているのは、ここに居る者だけだ。もし情報が漏れた場合は、この中の誰かがスパイだという事になる。利休の転生者を奴等に渡す事だけは有ってはならない。慶福君には心して任務に当たってもらいたい。転生者の情報は後ほど君に送るよう手配する」と言った。


 党首は慶福の目を見て「以上で宜しいかな」と言うと他の幹部達は、一同に「御意」とだけ答えた。すると幹部の椅子が後ろへ下がり壁へと吸い込まれて行った。


 慶福は1人静かにその部屋を出ると「やってくれるな狸爺……」と言って携帯を取り出し電源を入れた。携帯には利休の転生者の情報が送られて来ていた。携帯に映し出された免許証の画像を見て「チッ」と舌打ちをして「忙しくなるぞ!」と言った。


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