【秘密結社】
翌朝、早く目覚めた久野はコーヒーを飲みながら新聞を読んでいた。
新聞の求人欄に【間も無く世界に大きな変化が訪れる。我らが同胞は啓明結社に集え。】と書いてある。『最近は宗教? の勧誘を新聞でする様になったのか?』と久野は思った。
新聞を読み終え『一応Σソフトサービスの場所調べておくかぁ~』と思い、パソコンの電源ボタンを押した。しばらくしてパソコンが起動するとインターネットエクスプローラーのアイコンをダブルクリックして検索エンジンを開き、Σソフトサービスで検索を掛けると直ぐにホームページにたどり着いた。会社概要のページで住所を確認し、携帯の地図アプリに住所を登録した。
久野は『ついでに八咫烏も調べてみるか』と思い、八咫烏で検索を掛けてみる。検索に掛かった一覧の1番上から開いてみると【思想の違いから八咫烏より別れ啓明結社が……】と書いてある。久野は『啓明結社? さっき新聞で読んだやつか?』と新聞の記事を思い出した。
更に読み進めると【フリーメイソンとも密接な関係……】と書いてある。久野は『おぉ、フリーメイソンってダビンチコードで聞いた事あるぞ…… そう言えば、前にも同じことを……』と思い出した。
『そうだ、ゴシップ誌か何かで米国本社のΣが取り上げられた記事だったので、社内で話題になったのを覚えている、確か会社設立にフリーメイソンが関係してるとか…… その時もダビンチコードを思い出したんだ、八咫烏じゃないと出世できないってのも、あながち嘘とも言い切れないか……』久野がパソコンの前で、そんな事を考えていると携帯のアラームが鳴った。
久野は携帯のアラームを止めると『そろそろ準備するかぁ~』と立ち上がりシャワーを浴びに浴室へ向かった。
シャワーを浴び終え、タオルで髪を拭きながらリモコンを手に取りテレビの電源を入れると、今度はテンプル協会に侵入者とのニュースが飛び込んできた。そのニュースを見て『先日は国防総省ペンタゴンに不審者が進入って事件をニュースで見たばかりだよな…… また9・11みたいな事が起きなければ良いけど……』と久野は思った。