表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/16

五日目[決意]後編

「箭内君・・・?」

結さんはこちらの様子を伺っている。

そんな彼女に僕は微笑みを返した。

「・・・。なんとなくですけど、予想通りです。別に気にすることはありません。むしろ遥さんは僕のためにここまでしてくれた。」

僕の中で、何かが変わった。

電流が並列から直列になった、なんて表現でもしてみる。

だが所詮は正しい表現とは言えないだろう。

「あなた、変わったわ。・・・。」

変わりように沈黙する結さんに、

遥さんみたいに動こうと思っただけですよ。

なんて遥さんらしく返した。

そう、もう真面目さを貫く必要はない。

今の僕に必要なのは冷静さと、この事件を解決させることだけ。

「結さんはここにいてください。本当に助けが必要になった時だけ呼びます。」

そう言って足早に部屋を出た。

飯なんて各自で取るだろうし、顔を合わせる必要もない。


手始めに僕は遥さんの部屋へ向かった。

書かれていた通りに僕はナイフと“遥さんが持っていたはずの本”を探し出した。

これは、蘭の部屋から遥さんが持ち出したものだ。

彼の遺書など、このためにあったのだろう。

僕はその本を開いた。

これは遺書、しかも蘭が書いたものだった。

殴り書きされているため、読めない字もある。


(彼は許してくれない。お父さんは変わってしまった。私達は父さんの言う通りに育った。そしてそれを否定なんてしない。

だってお父さんがいなかったら、箭内君や私やーーーって死んでいた。

私達孤児を救ってくれたのはお父さんなんだもん。

でもーーーちゃった。お母さんがーーーーーーーーから変わっちゃった。

間違ってたんだ。私達は間違ってたんだ。

人を殺せば救われるなんて正しいはずがーーーーーー。

箭内君はそんな記憶を失った。ーーは許してくれない。でも私はーーーーーーー。

だから彼の代わりにあの男を殺ーー。

せめて、ーーーーーーー。

私は箭内君をーーーーーー。)


僕は本を閉じた。

感想は、ふざけた話だ。

そう、思った。

彼女の思いに気づいた所で、

彼女の苦しみに気付いた所で、

もう意味を成さない。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ