表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/16

五日目[決意]前編

深夜一時。

月島遥は、これまでを振り返る。

結局、自分にできたことなどあったのだろうか。

自らの人生を振り返れば、ただ虚しさが湧き出してくる。こんな荒んだ人生を送るのなんて俺ぐらいだろうなぁ。

軽口を叩いた所で、変わることもない。

結は許してくれるだろうか。いやぁ、許さないでいい。

彼女を連れ回し、巻き込んだのはほかでもない自分なのだ。今更勝手に消えることを許してくれなんておこがましい。

自分はいつもそうだ。

いつも誰かを巻き込んで、傷付けるだけだ。

体から血とともに力が抜ける。下手をせずとも俺の死体は色々細工されるだろう。


「一つ、頼んでいいかなぁ・・・。」

壁にもたれ掛かりながら、弱々しく言葉を発する。

もう、自分を殺す存在を視界はぼんやりと輪郭しか写せない。

「手帳に残した言葉がある・・・。別にダイイングメッセージでもないから・・・、それだけは残しておいてくれると・・・いい・・・な・・・ぁ・・・。」

そう言って、視界は閉じた。

最後の最後で自分を殺す相手に頼みごとなんて、いかにも俺らしいふざけた話だ。

もっと足掻けば、助かったかもしれない。

結には言えない。

“初めから死に方を求めて生きてきた”なんて。

もう彼女はわかっているだろうけど、それでも自分の口からいうことじゃないよなぁ。

そして、箭内君は生き残れるかな。

ただ少し、大人びた考えができて、それでいて優しい彼なら・・・。

事実を知っても前を向いて生きてくれるだろう。

・・・結果として君を僕は裏切ってしまうかもしれない。

ましてや、先に居なくなってしまうことも責任逃れだなぁ。

だって、


“鈴波蘭を殺したのは、俺なんだから”



月島遥は、この一連の事件の“被害者”であり、“加害者”である。

時として、残酷。

時として、真実。

彼だけならば、生き残ることは容易だったろう。

しかし、彼はその選択をすることはなかった。

もしかすれば、彼は事件の犯人を知っていたのかもしれない。

最初の被害者だけで、事件解決が出来たかもしれない。

今となっては、もう。

答えが出ることはない。

彼は、自らの死という目標を達成してしまったのだから。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ