[長編/完結]『蝉鳴村殺人事件』――叩きつけられる読者への挑戦状! 珠玉の本格推理小説
「大変だ! ひとが殺された!」
絶海の孤島で、猛吹雪の山荘で、閉ざされた密室で、もしも殺人事件に巻き込まれたなら。貴方はどうしますか?
警察に連絡する? 犯人を捜してみる? こんなところにいられるかと、部屋に閉じこもる?
それとも、名探偵に依頼してみる?
さて、今回私が紹介したい作品は、構想・執筆に10年以上を掛けた大傑作本格推理小説「蝉鳴村殺人事件」です。
「小説家になろう」に掲載されている小説と言えば、ファンタジー小説が代名詞のようになっておりますが、それ以外のジャンルにも傑作は数多くあります。
そのうちのひとつと間違いなく言えるのが、本格推理小説「名探偵・榊原恵一事件ファイル」シリーズです。
このシリーズで推理を行うのは、品川に事務所を開く私立探偵・榊原恵一。
一見、どこかの会社でサラリーマンでもしていそうなおじさんですが、その正体は、かつて警視庁捜査一課トップの捜査班でブレーンとして名を馳せ、辞職後も数々の難事件を解決してきた名探偵なのです。
このシリーズは、番外編を除いても二十作以上の作品があり、そのどれもが濃厚かつ粒ぞろいの傑作ばかり。
シリーズの魅力となっている要素をここでひとつ語るとするならば、探偵役の榊原が元刑事であり、それゆえに刑事事件へ積極的に関わり合っているということでしょう。
そんなことが現実に可能なのかはさておき、おかげでこれらの作品は探偵ものでありがら、刑事ものとしても楽しめる推理小説シリーズになっているのです。
一見不可能としか思えない難事件に不可解な謎、ホラーじみた伝承などを、見事ロジカルに解決していく、榊原探偵。
これらの作品が連続テレビドラマシリーズなのだとすれば、劇場版とも言えるボリュームたっぷりの一作が、今回特におすすめしたい「蝉鳴村殺人事件」となります。
ただ、この作品を読む際には、ぜひ同シリーズの「イキノコリ」という作品を事前に読んで頂きたい!
「イキノコリ」は「名探偵・榊原恵一事件ファイル」シリーズの中ではやや異色の作品で、全村民が殺害されるという前代未聞の大事件が起きた廃村を舞台に、バスジャックに巻き込まれた乗客たちが一人、また一人と殺されていく中、殺人鬼の正体を探っていくサスペンスホラーの面が強いストーリーです。
しかし、だからこそこのシリーズを知らない人でも、違和感なく読み始められる作品でもあるかと思います。
そしてその「イキノコリ」事件の後、残された謎を引き継ぐように、新たに起こるのが、「蝉鳴村殺人事件」となります。
「イキノコリ」事件を読まなくても、「蝉鳴村殺人事件」は楽しめますが、前作のネタバレなどがありますので、ぜひ両方の作品を読んでいただきたいところ。
後に被疑者に対する完全無罪判決が下された猟奇殺人事件「涼宮事件」から八年後、同じ蝉鳴村で連続殺人事件が起こります。
若い女性の中から一人巫女が選ばれる昔からの村の風習。排他的な村人たち。ただでさえ謎めいたこの事件は、複数の事件が絡まり合うまるで深淵の底を覗き込むような難事件だったのです。
そんな複雑怪奇な謎が名探偵の手によって解決していく爽快感といったら、たまりません。
またこれらの作品のもう一つの魅力は、謎がすべて読者にも解けるようになっていること。
解ける者なら解いてみろと、作中において作者から読者への挑戦状が叩きつけられます。
そんな推理ジャンルの王道とも言える、傑作本格推理小説。
ぜひあなたも、榊原探偵と一緒に犯人を当ててみませんか?
おすすめです。
『蝉鳴村殺人事件』/奥田光治様
(https://ncode.syosetu.com/n3410iv/)
『イキノコリ』/奥田光治様
(https://ncode.syosetu.com/n7828bx/)
(ちなみに私の頭の中では、榊原探偵のビジュアルがパトレイバーの後藤隊長になっているんだけど、なんでだろう…。)




