春の日
ぽかぽかお日さま。あったかい。
お外に出たら、ひらひらちょーちょが飛んでたの。
ちょーちょはお花の上を飛んでてね。捕まえたかったの。
だから追いかけて、捕まえようと体を伸ばして。
でも捕まえられなくて。
そんな僕を見ていたあーちゃんが楽しそうに笑ってた。
あーちゃんに甘えに行きたいとも思ったけど。僕はちょーちょから目が離せなくて、追いかけることをやめられなくて。
あーちゃんが僕を見ているのを忘れて、ちょーちょを追いかけ続けたよ。
追いかけられないくらい上に飛んだちょーちょ。
もう捕まえるのは無理だなって思ったよ。
僕にもわかるんだ。なんでか知らないけど。
これ以上は無理だよって。
だからね、僕はあーちゃんのところに行こうと思ったの。
そしたら、鳥さんがいるのを見つけちゃった。
今度は鳥さんを追いかけようと思って。
体を低くして、お尻を振るんだよ。今だ! って時を待ってるの。
あーちゃんが「なんでにゃーはお尻を振るんだろうね?」って、前に言ってた。
それは僕にもわかんないよ。
なんでか知らないけど、気づくとお尻をフリフリしてるの。
今だ! って思って飛び出したら、あとちょっとで鳥さんが飛んでいっちゃった。
捕まえられなくて、ちょっと悲しくなって。
それであーちゃんの隣に行って座ったの。
「残念だったね」
そう言って、あーちゃんが僕の頭をなでなでしてくれるだけで、僕は嬉しくなるんだ。
ちょーちょも鳥さんも。
捕まえられなかったことなんて、忘れちゃうんだ。
「花、キレイだね」
「ふにゃー」
うん。食べたらおいしそうだね、あの花。
食べたら怒られるかな。
それとも笑ってくれるかな。
あーちゃんがいれば、僕はそれだけで、幸せ。