表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/3

春の日

 ぽかぽかお日さま。あったかい。

 お外に出たら、ひらひらちょーちょが飛んでたの。

 ちょーちょはお花の上を飛んでてね。捕まえたかったの。

 だから追いかけて、捕まえようと体を伸ばして。

 でも捕まえられなくて。


 そんな僕を見ていたあーちゃんが楽しそうに笑ってた。

 あーちゃんに甘えに行きたいとも思ったけど。僕はちょーちょから目が離せなくて、追いかけることをやめられなくて。

 あーちゃんが僕を見ているのを忘れて、ちょーちょを追いかけ続けたよ。


 追いかけられないくらい上に飛んだちょーちょ。

 もう捕まえるのは無理だなって思ったよ。

 僕にもわかるんだ。なんでか知らないけど。

 これ以上は無理だよって。


 だからね、僕はあーちゃんのところに行こうと思ったの。

 そしたら、鳥さんがいるのを見つけちゃった。


 今度は鳥さんを追いかけようと思って。

 体を低くして、お尻を振るんだよ。今だ! って時を待ってるの。

 あーちゃんが「なんでにゃーはお尻を振るんだろうね?」って、前に言ってた。

 それは僕にもわかんないよ。

 なんでか知らないけど、気づくとお尻をフリフリしてるの。


 今だ! って思って飛び出したら、あとちょっとで鳥さんが飛んでいっちゃった。

 捕まえられなくて、ちょっと悲しくなって。


 それであーちゃんの隣に行って座ったの。

「残念だったね」

 そう言って、あーちゃんが僕の頭をなでなでしてくれるだけで、僕は嬉しくなるんだ。

 ちょーちょも鳥さんも。

 捕まえられなかったことなんて、忘れちゃうんだ。


「花、キレイだね」

「ふにゃー」

 うん。食べたらおいしそうだね、あの花。

 食べたら怒られるかな。

 それとも笑ってくれるかな。


 あーちゃんがいれば、僕はそれだけで、幸せ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ