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夢の魔法  作者: 天窓
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ノスタルジックプロローグ

以前、少し投稿していたのですが

編集しようとして全部消去してしまいました。そして心が折れました。

この度、ワードから栄えある断片が出てきましたので

また、ちまちまと投稿させて頂こうと思います。


自分の能力に気がついたのは小学生の頃である。

聡明かつ天才だった俺少年はこの能力は人には見せない方が良いと考えた。

人と違うものは虐げられる、そんな簡単なことは小学生にもなると分かっていた

隣のクラスの山野君が聖夜の良い子に贈り物おじさん及び諸々の中の人の正体を暴露して

孤独の淵に追いやられた経緯もある。良い子はいじめしない。

だが大半が信じていたものを崩されたのだ、致し方ないと思った、俺も泣いた。

―そうなると自分の能力はどうなのだ?これも普通ではない。

超能力などないと信じられている世界で、この『異常』は孤独に繋がる――


そう考えた俺は、この能力を隠すことにした。


だが人間、理解者は欲しいのである。前言は撤回するためにあった。

都合のよいことに俺には幼馴染が居た、もちろん女の子である。

しかも可愛い。なんという僥倖、世界は俺のためにあった。

美しい黒髪にぱっちりとした二重の目がもうなんというか説明しても伝わらないので

各々の思う美少女像ということで構わないレベルです。

幼馴染で女の子、この時点で確率は低い。だがそれが美少女である、天文学的だ。

本当にありがとうございます神様!主人公万歳!

調子に乗ってしまうのも仕方ないと今更ながらフォローさせて欲しい。

男の幼馴染もいたが野郎の幼馴染なんて幼馴染という言葉は必要ない、ただの近所のガキであった。

しかも今では立派なイケメンリア充であろうという容姿。

この時点で彼とは接点があまりない人生ということは分かって頂けるだろう。

昔は彼女と三人で良く遊んだけど、住む世界ってのはどうやら複数あるみたいで。


それはさておきこんなテンプレの状況で自分の能力を披露しない訳はなく

小学生の俺は彼女をいつもの遊び場に呼んで能力を実演した。

そこから彼女と2人だけの秘密の共有でもって波乱万丈

組織・機関から狙われての彼女を守って倒れーの

奇跡的に回復してのキャッキャウフフの壁ドン展開が待ち構えている―――



「それがどうしてこうなったんだろうなぁ」


高校の部室棟の一角でそうつぶやく。

夕日が射し込んで非常にノスタルジックな気持ちである。

これでパイプ椅子に座るのが本を読む美少女であったなら

俺の想像している甘色の学園生活なのであろう、高校だけど。

遠くから野球部の声が聞こえる。毎度のことながらランニングの掛け声のレパートリーが凄い。

でもホームセキュリティーはどうかと思う。ネタがないなら黙って走れ。

ノスタルジックな空気が台無しであります。まぁもっとも―――……


「なにがどうしたんだよ夢野」


「いや、生きるのって大変だなぁと思って」


この部室、坊主頭の筋肉質な青年がパイプ椅子3つ繋げて寝ながら漫画読んじゃってるから

ノスタルジックもくそもないんですけどね、ふふ、死にたい。


おれの乾いた笑い声は、『山岳部』の部室から洩れて野球部の掛け声に混ざって消えていった。


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