盗っ人エレジー
掲載日:2026/06/11
ケチなことで有名な大金持ちの屋敷を狙った泥棒。
ケチなだけあって相当溜め込んでいるとの情報を得た泥棒は早速計画を立て始めた。
泥棒は時間をかけて丹念に下調べをし、屋敷の警備が手薄な時間、侵入経路を割り出した。
しかし、一つ大きな問題があった。
庭に放された番犬どもだ。
泥棒はこれまた時間をかけて餌付けすることにした。
これも先行投資だと考え、毎日高級な肉を番犬たちに与え続けた。
十分に番犬たちが懐いたのを確認し、いよいよ屋敷への侵入を試みた。
その決行の日も肉を持参し、番犬たちをおとなしくさせていた。
計画通り番犬以外の警備には気づかれなかったが、運悪く巡回中の警官に見とがめられた。
「そこのお前、なにをしている! さては侵入者だな!」
「い、いや、私はこの屋敷で新しく雇われた犬の世話係でして――」
「嘘をつくな! ここのご主人はそりゃもうとんでもないケチで、飼い犬にもまともな餌を与えない。そのせいでその犬たちは屋敷の誰にも懐いていないんだ」




