表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/23

第十九話 私の霞む視界

最初「私のネクロズ魔法」を掲載したのは2018年頃でした。そこから約5年ぶりの新規更新となります。よろしくお願いします。

自分でもシナリオの記憶の欠落が多く、恥ずかしい気持ちを抑えながら読み返しましたが、こういう感じで小説を作っていたなと、懐かしい気持ちにもなった。

紆余曲折してイラスト描きがメインになってしまいましたが、小説も好きなので作っていきたいです。

いずれは未完の小説をほぼ全て完結させたいです。

 大きな都市、第3区域の中のとある一つのマンションにドロテアは住んでいる。

 本日も第3区域は秋晴れの晴天、やや涼しげな風が頬を撫でるようだが、また紫外線が肌を刺してくる。

 歩美はドロテアと一緒に暮らす事になったが、お互いやや不慣れでぎこちない会話が続いている。 その硬い空気感に割って入る風音かざねは、勝手にくつろいでちゃぶ台に突っ伏して午前中の居眠りをする。一応、風音がヴィランサイドでドロテアが警察官で、度々激突を繰り返した宿敵の仲のはずなのだが、最近はやたら平和だ。

 それをチラチラ視線を向けながら渋々3人分の昼食を作るドロテアは、片手間にスマートフォンで調べ物をしていた。眼鏡の種類についてである。


「歩美、最近は目の調子悪いんだろ? 私の眼鏡かけて見えないなんて相当だ」

「うん。あの、眼科行こう」

「もちろんだ。どっかの大怪盗のせいで作るの時間かかっているが、もうちょっと待ってな」

「うん」


 本日は手軽に夏バテ対策に生姜入りのそうめんと、ポン酢で和えた生野菜の数々がメニュー。野菜を切る音がやや空腹の歩美の食欲を立てた。

 もうすぐ完成しそうなのを見て、風音の背中を軽く撫でる。今はネクロズ魔法の様子が落ち着いているので、誰かを触っても暴発する雰囲気ではない。


「んー……まだお昼じゃない」


 見かねたドロテアが途中で料理の手を止め、風音の背中を思いっきり叩く。お母さんか。


「痛いなあ! 睡眠と食事の恨みは怖いんだよ〜」

「うるせえ勝手に上がり込んで! とにかく、食べたら用事あるし自分の別荘帰りな」

「そのつもり」

「全く。はぁ」


 何度か疲れ気味で首を左右に振って、ちゃぶ台に作った料理を持ったお皿、箸などを並べる。

 それぞれ思い通りに好きな食べ物から取る。


「いただきます」「いただくよ!」

「はーいちゃんと噛んで食べろよ」


 やや盲目気味で箸を上手く使えない歩美を見た風音は、口に野菜を運んであげた。

 うっすらと朦朧してきた意識の中、亡くなったお母さんの事を思い出した。子供の頃はこんな感じで食べさせてもらったな、と。

 そんな懐かしい思い出を考えていたら、今度は歩美が食べながらやすからな笑顔で眠ってしまう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ