プロローグ:地球侵略の夢を失った悪の女幹部は、
プロローグ:夢に破れし少女
世界は一度、滅亡の危機に瀕した。
外来宇宙からやってきた侵略民族:イルノリアに、数多の生命が育まれる愛しく美しいこの星が狙われたのだ。
イルノリアは生態系が豊かな星を狙い、蹂躙し、先住民族を隷属させたのちは、自らの子孫を残し、星を我が物として繁栄を繰り返してきた。
そのイルノリアが、地球を標的にし、軍隊を持って進撃してくるのは至極当然の流れであった。
イルノリアの先遣隊として地球に派遣されたのは、三幹部と称させる三人の将軍と100万の部隊であった。
イルノリアの三幹部達は、赤と青の螺旋状の模様がまるで生きているのように止まることなく動き回っている黒の衣装を身に纏い、地球全土へ宣戦布告を行った。
科学技術は宇宙規模でみれば、原始人レベル並に低俗と評価される地球をイルノリアが制するのは誰の目に見ても、逃れようのない未来であると思われた。
現にイルノリアが地球侵攻を行って、わずか3週間で地球上の主要都市は全て制圧した。
残すは小さな島国だけとなった時、イルノリアの計画に狂いが生じ始めた。
残された小さな島国に、日本があったからだ。
現在の地球の科学とは比較できない圧倒的科学力で、地球を制圧してきたイルノリアに唯一対抗できる存在が日本にはいたのだ。
その名は、魔法戦士アーススター・エース。
地球が太古の昔より蓄えてきたアースパワーを身に宿した一人の少女。アースパワーを身に宿した正義の魔法戦士は、外来宇宙の超科学に魔法で勇猛果敢に対抗した。
たった一人の少女に何が出来るものかと高をくくっていた三幹部達であるが、最初こそ未熟な戦士であった魔法戦士アーススター・エースは、侵略者との戦いの中で己の使命に目覚め、正義の戦士として覚醒。
ついには一年に及ぶイルノリア三幹部との戦いに勝利して、この地球を侵略者の魔の手から守り抜いたのである。
そして、原始人レベルの科学力しか持たない地球すら侵略することが出来なかった三幹部達はイルノリア本体からも負け犬の刻印を押され、母星に帰航することも許されず、侵略を失敗したこの地球で生きていくしかなくなった。
これはそんな地球侵略の夢に破れた者から始まる物語である。