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始まりの物語

初めまして、一ノいちのじゅく りょうです。これから勉強しながら、作家としてデビューするために頑張っていきたいと思います。

感想が一番うれしいです。評価もしていただいたらとてもうれしいです。

Twitterもしてます。弱小ですが、皆が知る名前になる様に頑張っていきたいと思います。

記念すべき一作目。よろしくお願いします。

 閃光の勇者ルインは魔物たちを魔界へ追いやった勇者である。勇者は一人で千の軍隊に匹敵した。勇者のパーティーは勇者、戦士、魔法使い、治癒師の四人で構成される。それぞれが国随一の実力を持ち、国の力の象徴として崇められるほどだった。


 閃光の勇者は、光の速度で移動し、光の速度で剣を振る。その姿はあまりに美しく、あまりに強かった。魔物たちは彼女を恐れ、畏怖の象徴とした。そして、魔物たちは彼女たちに勝てないと分かると侵攻を止めたのである。


 そして国には平和が訪れた。人類はこの仮初を愛したのである。魔物が攻めてこず、戦争に出兵する兵もいない。町には穏やかな雰囲気が流れ、笑顔が溢れた。飢餓に飢えることはなく、未来への不安を抱くものも少なかった。


 平和になった国で、閃光の勇者ルインに子供が生まれた。誰もがそれを祝福した。名はルナライト。男の子の名前としてよくある名前を授かったその男の子は才能に恵まれていた。剣、勉学、容姿に恵まれた男の子は誰もが親の遺伝子だからだと言っていた。そんな世間の噂を歯牙にもかけず、謙虚な姿勢と日々邁進する姿から国民からも多くの支持を集めた。


 母は多くの愛を息子に与え、息子は親孝行をすることでその愛を返した。

 母は世間の母たちの憧れになった。その姿はまさに母の理想像だった。家事に育児、すべてを一人でやってのけたこと、それが世間に評価されていた。それを意識するように家でも閃光の勇者は母親として、常にルナライトの横にあり続けた。よく言えば慈母。悪く言えば過保護だった。常に一緒にいた。どんな時も。それを窮屈に感じたのが五歳の時だった。


 そこから15年が経った。そこで事件が一つ起きた。大きな事件だった。一人の子供がいなくなったのである。貴族の息子だった。国の有力な貴族の息子がいなくなったのである。それは突然だった。国中を探し回ったのにもかかわらず、見つからなかった。その代わりに見つかったものは、異界の扉だった。異界の扉は魔界へ通じる扉だった。魔界へ行くには遠い道を行く必要がある。それを一瞬で魔界へ行くことができるため、異界の扉が出現した場所を閉鎖するようになった。

 それに興味を持ったのがルナライトだった。賢かく、思考が柔軟なルナライトは、その先、魔界がどんなところか気になった。


 ルナライトは本で魔界のことを勉強した。そこで、閃光の勇者のパーティーの強さを目撃する。千の魔物の軍隊を相手にし、様々な魔物を打ち倒し、竜を倒し、そして魔王城まで侵攻した唯一のパーティーである。その武勇伝の物語の中で、閃光の勇者のパーティーが訪れた危険な土地、毒の沼、針の山、魔物の巣、嵐の丘。そんな景色をルナライトは見てみたかった。


 ルナライトが20の時だった。ルナライトは冒険に行くことを決めた。将来何になるか。何をしたいかと問われた時、ルナライトは魔界を冒険することに決めたのである。

 まずは母に相談した。母は生まれて始めて、ルナライトの意見に反対した。それは20になって初めての喧嘩だった。大喧嘩して、口を聞かなくなった。ルナライトの心には好奇心がふつふつと沸き上がっていた。その気持ちを抑えることなど、ルナライトにとってはできなかった。


 ルナライトは考えた。どうすればだれにも咎められることがなく、魔界を冒険することができるのか。

 唯一、思いついたこと。それは行方不明になることだった。

 過程は二つ。死んだように見せかけること。これは死体の偽装。死んだことにして、何とかして魔界へ出発する。異界の扉をくぐるか、魔界へ直接向かう。それはどちらでもよかった。成り行きでも、魔界へ行くことができれば、彼にとって、どうでもよかったのである。


 もう一つは母をだますことだ。母はルナライトが死んだことを絶対に信じない。死体を見て、それが本人でないと分かると、血眼になって、光の速度でルナライトを探すはずだ。

 それをかいくぐるための作戦を三か月ほど考えた。

 そして、今日それを決行する日だ。


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