あなたへ
私は小説みたいな文章を読みたいし書きたい。エッセイでもいいけれど、でもそれは自分を表現したいのとは違う気もしてて。
それよりも他のひとに出会うこと、読む瞬間、書く瞬間に自分じゃない誰かに会いたいの。今は切にそう願ってて。
だから自分の感覚に従う。だって感覚を追ってるときには自我も何ひとつ私の邪魔をしないから。
体とか感情とかそういう真っすぐ素直なものに返ってる感じがするの。気がするだけだとしても、そこに嘘はなくて。
だからあなたもひょっとして私の事をやっぱり冷たい人だと思ってるのかもしれないけど、そう思ってて欲しくはないしそうだとしたら悲しいけれど、でもそれは日頃の自分を思うと仕方ないとも思うし、それでもほんとうは気にしてる。
ちゃんと自分から誤解を取り除くべきだよね。でもそれでも私なりの仕方で皆を想っているつもり。自分のことなんてハッキリどうでもよくて。
私はいつも、この目で見て聞いて、触れたり味わったり、冷たいとか寒いとか、熱いとか暑いとか、そういうときに、他のひとを感じるの。
好きなものを目で追ってしまうときに、その夢中な目に共感してくれる人がすぐそばにいる。美味しいものを食べたときに、美味しいものを味わっているその隣でうなずいてくれる人のことも知ってる。
だからいつだって一人でいる気がしない。誰かと一緒にいる。感じる。それはあなたじゃないかもしれない。ううん、あなたかもしれない。そんな言い方は柄じゃないね。
とにかく読む瞬間、いつも一緒の人とはまた別な人と過ごせる。その人の顔は全然見えないし不思議だけれど、だとしても妄想じゃない。
会いたい。
書く。それは自己表現とはまた別なのかな。とりあえず今の私にはそうみたい。
読んでいただきありがとうございました。