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唯一の精霊族は最強を夢見る  作者: 羽織 輝那夜
勇者育成専門学園
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2-1 盗賊襲撃

 馬車に揺られ早数日が経過した。


「魔王城がどんどん小さくなっていくな」


 一人で悦に浸っていると気前の良さそうな小太りの御者が声をかけてきた。


「お兄さん。その制服魔王学園の生徒さんなんだろう?何しに人族の街になんて行くのさ」


「ちょっと勇者学園に編入することが決まってな」


「勇者学園に魔族が編入ですかい?それは珍しいこともあるもんですね。あっちでは気をつけてくださいよ?」


 俺は御者の言ったことが気になった。


「何を気をつけるんだ?」


「いやね。私も長い間あっちには行っていないんですがね。最後に行った時はすごい冷たい眼差しでみられたんですよ。きっと人族は魔族を毛嫌いしているんでしょうね」


 別段気にしないと言った感じで笑っていた。


 人族が魔族を毛嫌い……か。自分たちと違った存在を恐れるのは普通のことだろうな。毛嫌いしているとはいえ急に殺しにかかってくるわけでもあるまい。


 人族のことを考えていると昔村の子供たちが人族にさらわれたことを思い出した。


 人族と初めて会ったのはあれが初めてなのか。そういえば村長やガイルは元気なのだろうか。学園に入ってからはいろんな事があって忘れていたな。勇者学園から帰るときにでも軽く寄っていくか。久しぶりにガイルとも決闘をしてみたいしな。


「この森を抜けたら人族の世界ですよ」


 御者の声が聞こえた途端、馬車が大きく揺れた。


「人族の盗賊が現れたようですね。お兄さんなんとか出来ますかね?」


「ああ、任せてもらおう」


 俺は馬車の荷台から外を覗くと四方八方を盗賊の集団が囲っていた。


「カモですぜ。お頭」


 その声に反応したのは顔に大きな切り傷の跡をつけた、がたいの良い大男だった。


「そうだな。おい!!お前ら。殺されたくなければ荷台に詰めてあるもん全部置いてい……け」


 瞬間お頭の頭が地面に転がった。


「お頭!!どうしたんですかい」


 盗賊たちはお頭が何かに一瞬でやられたことにより動揺し始めた。


「騒ぐなお前たち」


 俺は荷台から姿を出した。


「お前は誰だ」


 盗賊の一人が俺に向かって言ってきた。


「俺が何者かなどどうでもいいだろう。お前たちは俺の歩みを邪魔した。責任を取り死ね」


 魔力を四方八方に飛ばし盗賊たちを一瞬で吹っ飛ばし気絶させた。


「ヒュー。お兄さん。やりますね。それじゃ、出発しますね」


 荷台に戻ると御者がにやけた顔をして茶化してきた。


「それにしても、怖い事言ってたわりに殺したのは頭だけでしたね。案外優しい方なんですね」


「殺す必要がなかったからだ。今は出来るだけ時間に間に合うように動きたかっただけだ」


「そうですかい」


 俺は目を閉じるといつの間にか眠ってしまっていた。


「お兄さん。起きてくだせい」


 御者に揺さぶられ目が覚めると辺りは暗くなっていた。


「眠ってしまっていたのか」


「すいません。気持ちよさそうに眠っていたところ邪魔して。今日はここらでキャンプしたいと思ってるんでよろしくお願いしますね。人族の街には明日にでも着くと思いますよ」


「そうか。なんか地面が硬いな」


 俺は足から伝わってる感触がどうもなれずに聞いてみた。


「そうですね。人族の街は実に発展しているんですよ。私も初めて行った時は驚きましたよ。馬車なんて一つも走っていないんですからね」


「それではいったい何が走っているだ?」


「私の詳しい事はわからないんですがね。自動で動く乗り物でしたよ。馬車よりも何倍も早いんですよ」


 自動で動く乗り物でpか実に興味深いな。明日が楽しみだ。それにしても何なんだろうなこの地面は、石でもないようだが。


 俺は地面にあるものを掴もうとしたが硬く固定されているようで掴む事が難しかった。


「そういえば、お兄さん。勇者学園に編入するんですよね。なんで編入するんですかい?」


「魔王学園の大会でな。優勝したんだが、そのときに勇者学園の学長の気に入られてな」


 軽く説明すると御者は驚いた顔をした。


「優勝ですか?若そうなのにすごいですね。実はうちの息子も魔王学園に通っているんですよ」


「そうなのか」


「はい。息子はこれといった凄い魔法が使えるわけではないのですがね。回復魔法がどうも得意だったんですよ。今はどうしてるんですかね」


 懐かしそうな顔をしながら御者は息子の話をし続けた。

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