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唯一の精霊族は最強を夢見る  作者: 羽織 輝那夜
魔王育成専門学園
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1-45 旅立ち

「魔族が使う事ができる力が魔力。人族が使う事ができる力が精神力。精霊族が使う事ができる力が聖力なんだな。それぞれの種族が決まった力を使える。しかし精霊族は例外で精霊族だけは魔力も精神力も扱う事ができるけどな」

 なるほど。そのようなものがあったのか。ピカトルが魔力の層を使う事ができなかったのは聖力を使った力だったからか。いくら特訓しても魔族のピカトルは使う事が出来なかったというわけだ。

 真っ白の世界に色が戻り始めた。

 ナークは切羽詰まったように早口になり始めた。

「いいかい、時間がないからよく聞いてくれ。あと数年でドラゴンが封印から解き放たれる。その時は君がドラゴンを倒すんだ。犠牲は少なくはないだろう。時には親友や大事な人が殺されるかもしれない。でも君ならなんとかできる。俺はそう信じてる」

 言い終わるとナークの姿が空気に溶け込むように消えていく。ナークの姿が見えなくなると再び眩しい光に襲われた。光が収まると何事もなかったかのように目の前に聖武具が乱雑に置かれていた。

 夢だったのか。それにしても精霊族だとかドラゴンだとか突拍子の無い事を言っていたな。昔に読んでいた童話を思い出すよ。まぁ、気を引き締めて行くか。夢だとしても妙に現実味があったからな。

 俺は聖武具を収納魔法で片付けた。

 これからどうするか。聖武具集めが思ったより早く終わったからな。勇者学園にでも行くか。急に編入を申し出ても問題は無いのか心配だが、すぐにいけなかったとしてもなんら問題は無いだろう。

 

 寮に帰ってくると部屋の中から声が聞こえてきた。

 誰かいるのか。いたとしてもカミュだけのはず……しかし確かに二人分の会話が聞こえてくる。もしかしたら、この間の魔法生物を仕掛けていた奴らかもしれない。ここは慎重に動く必要があるな。

 俺は部屋の外に部屋を覆うように結界を張り巡らせた。

 よし、これで逃げることはできないはずだ。

 ドアをゆっくりと開ける。奥から声が聞こえてくる。

「ダメですよ……う」

 これはカミュの声か?妙に声が高いし荒いな。それに部屋から感じられるのはカミュだけの魔力のようだな。さっきのは俺の勘違いかもしれないな。

「カミュ。帰ったぞ」

 カミュの悲鳴と共に何かが落ちる音が響いた。

「何をしているんだ」

 カミュは頭を掻き「えへへ」と言いながら服についたゴミを払った。

 

 一ヶ月後、俺は勇者学園に行くために国の出入り口に来ていた。

「カイ君、勇者学園に行っても頑張ってきてね」

 ピカトルが爽やかな笑顔を握手をしてきた。

「お前ならあっちにいっても規格外なんだろうな」

 ラフクスが皮肉混じりに言った。

「カイ、頑張ってね」

 ニアが涙を浮かべながら手を振ってきた。


 ここに来てから、たくさんの人と知り合ったが、なんだかんだこの三人といつも一緒にいたな。ガイルといた頃とは違う生活を送る事が出来た。

 

 ニアが周りを見渡した。

「あのさ、カミュいったいどこにいったの?」

 そういえば、昨日まではしつこく着いてきたのに今日は朝から姿を見てないな。どうせ、姿を隠してどこかにいるんだろうな。

「いや、俺も朝からカミュの姿は見ていないんだ」

 ラフクスが何かを企むような顔を浮かべていた。

「ラフクス君。なにニヤついてんの?」

 ラフクスを見たピカトルが爽やかな笑みを浮かべ肩を掴んだ。

「いやっ?別に何も考えてねぇよ」

 どうせ。ラフクスの考える事だくだらない事だろう。

 ニアが小声で話しかけてきた。

「今だから言うけど、私ね。あなたの事が……なの」

 さ重要なところを聞くことが出来なかった。それは、透明になったカミュが俺の耳を塞いだからだ。

「おい、カミュ。急に人の耳を塞ぐな。ニアの話していることが聞き取れなかったでは無いか」

「いやー、今ニアさんが抜け駆けしようとしていたからですよ」

 笑うカミュに対してニアは蛇のように鋭い目で睨みつけていた。

「付き合ってられん。俺はもう行くぞ」

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