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唯一の精霊族は最強を夢見る  作者: 羽織 輝那夜
魔王育成専門学園
44/54

1-43 おもちゃ扱い

 あれから数日経ったが学園内であれ以降問題は起こらなかった。俺はあの日から毎日いろんなところを見回ってみたがなんの成果も得られなかった。

 そろそろ人族の世界に行くことになるからな。長期休みをとって残りの聖武具を集めにでも行くか。

 考えがまとまると俺は空へ飛び出した。

 聖剣を抜いた際に聞いた話によると確かもっと北の方にあると言っていたな。

 微かに残る記憶を頼りに次の聖武具探しを始めた。

 俺が今向かおうとしている北には火山地帯が広がっており、並大抵の魔族が足を踏み入れると一瞬で溶かされると聞いた事がある。

 火山に近づくにつれ暑さが増していく。俺は全身汗まみれになった体に不快感を覚え始めてきた。

 いくらなんでも暑すぎるな。この高さでこの暑さだ。下に降りたらどれほど暑いのか予想もできないな。

 俺は目的の場所付近へ着くと魔力の層を作りなんとか暑さを凌ぎ、次の聖武具を探した。当ても無く探し回っているうちに日が暮れてきた。俺は今物凄い焦燥感に駆られていた。

 いったいどうやって見つけろと言うんだ。

 意味もなく聖剣を取り出すと白い魔力を送った。すると聖剣が光を発し始めた。その光はどこか遠くへと伸びていく。

 この先に次の聖武具があるのかもしれないな。特に考えがあったわけではないがうまくいったな。

 俺は直感的にその先に探し物があると思い、光の道標を頼りに聖武具を探した。しばらく歩くと俺は歩みを止めた。聖剣が発する光は溶岩の中を指していたからだ。

 俺はこの暑さの発生源である溶岩の中をどうやって進むか考えた。

 どうしたものか……。俺に出来ることといえば魔力の層ぐらいしかないな。

 白い魔力の層で体を覆う。軽く溶岩の中へ体を入れるが俺の体が溶岩に触れる事はなかった。溶岩に触れようとした瞬間、割れるように溶岩が左右に移動しその中心に道を作り出した。

 俺はふと思いついた事を試してみたく魔力の層を消した。すると溶岩が動き出し道を塞いで元に戻っていく。

 なるほど。白い魔力を出し続けなければいけないということか。骨が折れるな。

 再び白い魔力を出し溶岩の底にできた道を歩き出した。しばらく歩くと地下へ繋がる穴を見つけることに成功した。

 聖剣の洞窟と同じように階段を降りていくとそこにはやはり古代の遺跡が広がっていた。そして遺跡の中心に結界で守られた建物があった。

 おそらく前と同じようにあそこへ向かうのだろうな。

 俺は結界へ直行しようとしたが、それを拒むかのようなタイミングで地面が揺れ始めた。地震は激しさを増していった。俺はその場に立って入られなくなり片膝を地面につく数秒間その体勢で揺れが収まるの待った。

 揺れは時間の経過とともに次第に収まっていった。完全に収まったのを確認し、立ち上がると足元に亀裂が走りそこから溶岩が噴き出てきた。俺はすぐさまその場から離れると溶岩は一本の太い線となり俺に向かってきた。

 溶岩を間一髪で避ける。溶岩が意思を持つかのように空中で一時停止すると、溶岩が地面へ少しずつ垂れていき溶岩の中から大蛇が顔を出した。

 少々赤黒いだけで前の大蛇とあまり変わらない見た目の大蛇を見、安堵の息を吐いた。そして、白い魔力の層を作り、俺は顔面パンチを繰り出した。しかし俺の拳が届く前に大蛇が口から溶岩を吹き出した。

 地面から足を離していた俺は避けることが出来ずまともに溶岩を喰らう。

「うお」

 溶岩を浴びても暑さを感じるだけのようだな。これならあまり気にせずに特攻できそうだ。

 できる限り後ろへ回り込み振り向いた瞬間、殴るという事を続けた。

 何回殴ったかわからないが、結構ダメージは与えたはずなのだがな。怯む姿を一向に見せないぞ。あいつには痛みという概念が無いのか。

 俺は試しに水魔法を当ててみた。

 すると水が当たった部分が黒く硬くなった。それを見て、俺はある事を思いついた。

 水魔法を大蛇に当て続け全身を石にしていく。すると大蛇は先程とは比べものにならないほどの素早さを見せた。

「ぐお!!」

 瞬間的に移動し、俺の背後へ回り込むとその勢いのまま尾を俺へ当ててくる。全身が黒く頑丈になった事で俺の体への衝撃が先ほどまでと比べものにならないほどだった。

 なんとか受け身を取り体勢を立て直すがその瞬間再び飛ばされた。

 俺はしばらくの間、大蛇の一人キャッチボールのボール代わりにされ続けた。

 視界が何度も右回転、左回転と交互に回り続けた。俺は物凄い吐き気に襲われた。

「おゔぇぇぇ」

 空中で胃の中のものを吐き出すと少しの間気分が楽になるが直ぐにまた吐き気に襲われた。大蛇がキャッチボールに飽きるまでエンドレス状態で何度も逆流しまくった。

「ゔぉい、大蛇。よくもやってくれたゔぁ」

 まだ吐き気が治らず気分が悪いがなんとか大蛇の尻尾を掴み遠心力で宙へ投げ飛ばした。

「お返しだ」

 俺は両頬を上げ不敵な笑みを大蛇に向けた。

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